嫉妬するお姑ごん嫉妬するお姑ごんお姑ごんが子離れしていないのは、息子である私の夫も十分に承知のことなのだが、お姑ごんが時折嫉妬することも、家族みんなが承知のことだったりする。 結婚して間もない頃の話だが、丁度、お姑ごんと夫、そして私の3人で、 レストランで食事をしていた時だ。 夫はいつものように私の頬に口づけをしてきた。 私が『ちょっと、、、今食事中だから止めようよ。』と言ったのにもかかわらず、夫は手を握ってきたり、再度頬にキスを交わしてきたりと、いかにも、「新婚夫婦です」というのを周りに主張しているかのような行動をとってきた。(あ~、若かりし日々、、、。) その時ふとお姑ごんを見ると、さっきからうつむいてスープを飲んでいるではないか。 それに気付いた夫は、『お母さん、どうしたの?』と訊いたのだが、お姑ごんは言葉を言う為には口も開かず、ただただスープを飲む為だけに口を動かしていたのである。 夫:『どうしたの?』 お姑ごん:『・・・・・』 夫:『お母さん!?』 お姑ごん:『別に、、、。』 夫:『どうしたの?そのスープまずいの?』 お姑ごん:『スープに問題はないの、、、。』 夫:『じゃあどうしたの?』 お姑ごん:『別に、、、。』 夫:『、、、、あ、、、怒っているんだ。』 お姑ごん:『別に、、、。』 夫:『お嫁1号にキスしたから怒っているんだ!』 お姑ごん:『、、、、、違うわよ!』 夫:『じゃあもう一回キスしてもいい?』 お姑ごん:『NO!』 夫:『お嫁1号にキスしたのが面白くないんでしょ? 息子が奥さんにキスするのがそんなに嫌なことなの?』 お姑ごん:『、、、ええ、嫌なの。』 夫:『何で嫌なの?』 お姑ごん:『とにかく嫌なの。』 夫:『奥さんにキスしちゃいけないの?』 お姑ごん:『、、、そうは言っていないけど、、、せめて私が見えないとこでしなさいよ。』 という感じである。 それなのに、、、だ。 夫はわざと目の前で私にベタベタとしてきて、私から一向に離れようとしない。 お姑ごんの顔がみるみるうちに不機嫌な顔になり、その目の前に座ってしまっている私も堂々とベタベタ攻撃を受けている余裕はなかった。 私:『やめなさいよ!ほら、お母さんが気持ちいい思いしていないでしょ!』 お姑ごん:『もう食べ終わったから出るわよ!』 人の感情をわざと逆なでる夫も夫だが、お姑ごんはすっかり気を害してしまったのは言うまでもない。 その後ショッピングセンターに行って買い物をしたのだが、お姑ごんがずっと不機嫌なままだったので、事を丸くおさめたかった私は夫に、『代わりにお母さんの手を繋ぎなさいよ。私はいいから。』と言ってお姑ごんの手を繋がせた。 お姑ごんはそのくらい不機嫌だったのである。 しかし、夫はそれで納得出来なかったのか、なんと私の手も握ってきたのだ。 夫を真ん中に右手にお姑ごん、左手に私、、、。 お姑ごんを窺う夫に対して顔を赤らめながらもニコニコぎみのお姑ごん、 そして、夫の手から逃れようと一生懸命の私。 こんな私たちを通り過ぎ行く人たちがジロジロ眺めたものだが、今こうして振り返ってみても実に異様な光景であったのは間違いない・・・。 ジャンル別一覧
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