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メキシカン・アメリカンな暮らし

メキシカン・アメリカンな暮らし

何でも嫁の所為にするお姑ごん

何でも嫁の所為にするお姑ごん


前回の牛乳騒動でも少しお話したが、お姑ごんは、嫁である私が息子(つまりは私の夫)を操っていると勝手に思い込むことが多かったりする。

例えば、夫が「お姑ごんの部屋」となっていた部屋を「コンピューター部屋」に変えた時も、お姑ごんは私が夫に頼んだからしぶしぶ変えたと勝手に思い込んでいたし、私の小舅ごんの彼女(今となっては元彼女なのだが、、、)が妊娠した時も『彼女が誘惑したのよ。そうでなければ、うちの子は婚前交渉なんてしたりしないわ。』などと決めつけては勝手に怒っていたりした。

まさに「うちの子に限って、、、」という考えなのだろう。
子どもが可愛いと、ついついそう思いたくなってしまうのは何となく理解出来るような気もしないでもないのだが、気に食わない出来事に関していちいち責めの相手=スケープゴートを探さなくてもいいのに、、、と思うのである。


お姑ごんが3ヶ月に1回うちに遥々やって来るお陰で出来た「お姑ごんの部屋」を、「コンピューター部屋」に変えた件は、私もお姑ごんに『新しい家具を買ったので、コンピューターを置くスペースに使わせて下さいね。』などと嘘でもいいから、前もって言った上で変えるべきだったと少し反省しているが、反面、「お姑ごんの部屋」があった家は私と夫の家であるし、第一、二つの家を優雅に行ったり来たりするお姑ごんの我が侭に付き合うよりは、その空き部屋になりがちな部屋をコンピューター部屋に変えてしまった方が理に適うという夫の意見には私は同感である。

なんせ、うちにはリビング兼キッチンの部屋、浴室、そして、お姑ごんの仮の部屋、私たちの寝室しかなく、収まりきらなかった荷物は私たちの寝室とガレージに押しやっているという状態なのだ。
そもそも、こちらの決断で勝手に変えたって、お姑ごんが口を挟む権利はないはずだと思うのだが、そこら辺お姑ごんとうまく噛み合わないところがとても不満だったりする。

一方、私の小舅ごんの彼女が妊娠した件だが、仮に小舅ごんの彼女が誘惑したとしても、小舅ごんの決断の責任は確実に小舅ごんの方にあると思うし、まずお姑ごんが片方だけを責める権利も、また、すっかり成人しきった彼らの選択に口を出す権利もないと私は思う。(余談:お姑ごんの頭の中では、小舅ごんの彼女は禁断の果実を勧めるイヴで、小舅ごんが戸惑うアダムだったらしい、、、。)


他にも、私たちがお姑ごんの家に足を運ぶ回数が少なくなったことや、私の夫の電話の回数が前より少なくなったことなど、色々あってきりがないのだが、とにかくお姑ごんは全て私のせいにしては、敵視するので、本当に困ったものである。
時々、お姑ごん問題に悩む方々からメールを頂いたりするのだが、それを読んでいると、何でも嫁の所為にするお姑ごんが割と多いことに驚かされる。

例えばヴァージニア州にお住まいのAさん、、、。
同じ敷地内にお舅・お姑ごんと暮らしているそうなのだが、Aさんのご主人が結婚当初に比べて行き来する回数も少なくなったことを、お姑ごんはすっかり『Aさんが行くな!って息子を止めているに違いない。息子を尻に敷いてるわ!』と言っているのだそう、、、。
Aさんのお姑ごんの推測とは裏腹に、Aさんはご主人に『お義母さんに顔を見せてきたら?』と日頃から勧めているだけあって、いい所には目をつぶるお姑ごんにはほとほと呆れているそうだ。

そして、日本にお住まいのLさんの場合、ご主人が突然『同居はしない』と宣言したのはLさんが頼み込んだに決まっていると、Lさんのお姑ごんは勝手に憤慨しているのだとか、、、。

いずれにせよ、これまでにうちの息子はそんなことを言ったことがなかった、
そんなことをしたことはなかった、そんなことを言うわけがない、そんなことをするわけがないという「うちの子に限って、、、」の思い込みから、さては嫁が息子に変なことを吹き込んだ、洗脳した、誘惑した、操ったに違いないと思い、嫁を敵視するというパターンは本当に悪循環だと思うのである。
そしてそのお陰で、息子も独立すれば状況や環境も変わり、それと同時に考え方や物の見方などが変わってくるということを見逃す結果となってしまうのではないだろうかとも思うのだ。
また、単に、息子が変わってしまったという喪失感よりも、誰かの所為にして怒った方がいいと無意識に思っているところももしかしたらあるのかもしれない。


私の場合、余りにもお姑ごんが何の根拠もなく私ばかりを責める時は、『夫を止めようとしたんですけどね、、、。』、『夫に行くように勧めたんですけどね、、、。』などと、何気にこちら側の言い分をお姑ごんに直接伝えるのだが、それでも信じないようであればもう放っておくことにしている。

こうして色々書き綴りながら、お姑ごんは結局、嫁=スケープゴートという精神安定剤がないと駄目なのかもしれないなんて思い始めて来たところだが、もし本当にそうだとすれば、嫁があってこそのお姑ごんだと思うのだ。(←開き直りすぎ?)
だから例え責めを受けたとしても、偶には『精神安定剤としての役目を果たしているんだから、私って立派だわ。』とどーんと構えたいところである。



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