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メキシカン・アメリカンな暮らし

メキシカン・アメリカンな暮らし

自責するお嫁ども

自責するお嫁ども

楽天でHPを出してからというもの、
いろいろな方と巡り会う事が出来、嬉しく思っているこの頃。
中には私の「お姑ごん」話に共感してくれる方々、
一緒に笑ってくれる方々なども居て、
実に楽しい日々を過ごさせてもらっている。
そして、自身の体験談を打ち明けてくれる方々や
一緒にお姑ごんについて語ってくれる方々なども居て、
毎日色んな事について考える機会を貰っている。
大変有難い、、、。
私としてはせめてものの恩返しとして、
一人でも多くのお嫁どもを応援する事が出来ればと思っているのだが、
話を聞いたり、メールのやりとりをするだけでは
きっと十分ではない状況も沢山あるだろう。
気になるのは、「お姑ごんの事をこう思う私の方が悪い」とか
「私の方がおかしい」とか責めのベクトルが自分自身の方に向かっている方々が多い事である。


私も一時期、「お姑ごんの事をこう思う私の方が悪い」とか
「私の方がおかしい」という風に考えていた日々があったが、
この考え方は心の健康に悪いのでやめた方がいい、、、。

*******

前にこんな事があった。
義理の従姉妹の結婚式を目前に控え、
夫1号から『お姑ごんを迎えに行ってくれないか?』と頼まれたのだ。
同じカリフォルニア州なら、『はいよ!』の一言で済んだかもしれない。
けれど、お姑ごんの住んでいる所は遠く離れたテキサス州である。
一瞬自分の耳を疑った私は、
『今、貴方のお母様を迎えに行って欲しいって言った?、、、私一人で?』と聞き返した。
すると彼は、
『うん。俺、学校があって休めないんだ。それに義弟はちょうどその前日に用事でダラスに行かなければならないんだ。』と言うのだ。
もう吃驚である。
しかも、交通手段はバスだ。
カリフォルニア州からテキサス州まで約16~20時間はかかり、
乗り継ぎしかない。
『車でも一人旅は怖いのに、バスでなんて余計怖いじゃない!
一人旅は避けたいけど、車ならオーケーかも、、、。』と言ったが、
車は道の途中で壊れる可能性があったりとトラブルがあるから、
バスの方が安心だと彼は言う。
飛行機なんて言葉が出ないのは、
バスの方が格安で、うちの家計に無理が無いからである。
それは私も十分に承知している。
それに、彼が私に頼んだのは、
いつもお姑ごんをカリフォルニア州まで送ってくれるお舅ごんが
ひざを痛めて暫く歩きづらかったからだ。
かといって、彼も学校だし、
義弟1号は前日にダラスに行くようだし、
融通が利くのは私だけと言う事になる。
けれど、良く話を聞けば、
義弟1号は用事がある日の前日にダラスに到着するようで
その日はホテルで待機するという。
しかもダラスへは飛行機で行くようで、
たった2時間しか要さないから、
丸一日半は自由時間という事になる。
『カリフォルニア州経由でダラスに行けば遠回りになるけど、
お姑ごんをカリフォルニアまで連れてこられるのでは、、?』
と思った私は、早速義弟1号にそう頼む事にした。
でも返ってきた言葉が、
『遠回りだから嫌なんだよねー。
君が飛行機で迎えに来たらいいじゃん。』である。
しかも、『あ、帰りもよろしく。』の追伸まであったのだ。
この時点で、何か不条理なものを感じたのだが、
仕方が無い事のようにも思えてきた。
そこで、お姑ごん家に確認の連絡をする事にした。

*******

電話に出てきたのはお舅ごんだった。
『おお、お嫁1号、元気かー?どうした?』
といつものように元気な声で対応する。
『実は私、☆月☆日辺りにお義母様をバスで迎えに行こうと思ってまして、、。』
『一人で? 夫1号は?』
『学校が抜けられそうにもありません。』
『女一人で旅とは危ないじゃないかー。
バス停なんて変な人がうろうろしているんだぞ!
バスにしろ車にしろ飛行機にしろ、送り迎えは大変だろうから、
俺が送りに行くよ。』
『え、でも、お義父さんは足を悪くしていらっしゃるし、、、。』
『バスの中で座ったきりだから大丈夫だ。
それに俺の妻が一人で飛行機にも乗れないのに、
アメリカに来てほんの少ししか経たないお前に
送り迎えの旅をさせるのは申し訳ない。
いいから、いいから!任せなさい。』
お義父さんの好意に思いっきり甘えてしまう私も情けなかったのだが、
お舅ごんの言った言葉の殆どは、
私が心の中で誰かに気付いて欲しいと思っていた事である。
そして、夫1号にも義弟1号にも言えなかった事だ。


この家族の中に居ると、
どうしても私の考えている事や行為が浮き立ち、
彼らの考えや行為全てが当たり前の常識になってしまう。
やはり違う環境で違う観念で育ってきたからだろう。
だから、私が自分の思っている事を主張すれば、
周りから批判・非難を当然のように浴びるのかもしれない。
しかも相手は当たり前のように言うから、
こっちは『そうなのかも、、』なんて思い始めるようになり、
自分の思いや考えがうちにうちにと引っ込むようになっていく。
そして次第に、
「お姑ごんや義理の家族の事をこう思う私の方が悪い」とか
「私の方がおかしい」とか「私が我侭なだけだ」とか責めのベクトルが
自分自身の方に向かってくるのである。
確かに家族と理解し溶け込んでいけるなら理想だが、
自分が相手に対しておかしいと思っている事や不条理だと思う事には、
相手との相違を認めながらでも自信を持った方がいい。
ついこの前、同じくお姑ごんを持つ友人らに
『ねえ、自分の方がおかしいと思ったりしない?』などと言われて
全く同感したものだが、
やはりこのように考える嫁も結構いるものだと改めて気付かされた。
私がお嫁さん達に言いたい事は、
貴方は間違ってなんかいないし、
自信を持っていい、
それに必要以上に我慢したり、無理をしなくていいのだという事である。
それは私自身にも言い聞かせている言葉でもあったりする、、。




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