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テーマ:DVD映画鑑賞(13577)
カテゴリ:硬派
新屋英子さんの一人芝居と、その後に続いた講演のようなお話を聞いたことがある。
「妻夫木さんのどこがかっこいいのかね?私は上原謙のほうがカッコイイと思うけどね」と嫌味のないはっきりとした笑顔で語っておられたのを憶えている。 さて、その新屋さんが池脇千鶴ふんするジョゼの祖母役を演じた「ジョゼと虎と魚たち」をDVDで観た。 乳母車に乗せられている足が動かないジョゼ(池脇千鶴さん)と、恒夫(妻夫木聡さん)の甘くて、残酷なラブストーリーだ。 妻夫木さんが男前過ぎていなくて、というか、ひいた男前でよかったと思う。 やさしすぎて、残酷なのねって、思えてしまう。 これが、ものすごい押し出したような男前だったら、ズルさだけが出てしまったはずだろう。 女を持て遊んで、ひでーなーって感じだけになる。 ただ、この映画でなにより良かったのはジョゼを演じた池脇千鶴さんだと思う。 脱いだシーンが強調されるけども、ね。 それよりも… カラダも含んだ恋愛をする直前の、お願いと、許可、流れに乗せて欲しいっていう気持ちがせめぎあう、ドキドキにぐぅっときた。 それって、一番えっち。 そんなジョゼの表情は全編を通して凄かった。 前半の暗い表情、はじけた後半の表情、悟ったようなラストの表情。 そして、僕がぐっときたのは、(やっぱりというべきか?)ホテルの貝がらの中で目隠しを外されたジョゼの台詞だった。 とても、長い長い、一人語りの台詞だ。 きっと、ジョゼは終りを感じていたのだろうなって。 楽しかったからこそ、かつての自分に戻れないのがジョゼにはわかっている。 とても、やるせなかった。 哀しい語りだった。 未だに、僕の頭の深海では、迷子の貝殻が壊れながら回っている。 「ジョゼと虎と魚たち」を観たから。 きっと。 貝がらは本当に「それも、よし」と思っているのだろうか? ともかくも、彼女は車椅子を走らせる。 恋をして光に触れた、成長した女の子として。 今の、あなたの頭の中には何が転がっていますか? ※追記 あと、裏共感部分としては女の子の「えげつない」しばきあいが… ※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎ものがたり(映画、音楽、文学、本)』まで お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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