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カテゴリ:【黄金を抱いて翔べ】考察
本日は、強奪の日でございました。 やはりどうしても、強奪のこの日には映画を観たかったのです。 そして映画を観て
ああ、今日 この日 銀行で彼らがこうして動いているんだ...と 映画を観つつも感慨深いものがありました。 そうして感じたことは、やっぱりこの映画は 幸田がいてこそ・・・幸田役であるブッキーの演技力の凄さ・・・ これに尽きるなと思いました。 もちろん他のキャストの皆さんも当然のごとく素晴らしい演技です。
ですが、やはりこの主役を、幸田役をやれるだけの実力、存在感、演技力は もう妻夫木さんしかいないんじゃないかと思えるのです。 といっても、私は原作を読んだのは、映画化が決まり、キャストが決定してからですので。 幸田=妻夫木さんとして読んでいました。イメージ写真も公開された後になりますので。 なので、当然原作ファンの方のイメージする幸田像があるとは思いますが、その点はご了承くださいませ。
幸田の表情ひとつひとつから、いつもの爽やかブッキーは感じられません。冒頭 トラックで北川の助手席に乗り、教会が燃える過去、母親が自分をみつめる過去を思い出しているシーン。
吹田には決していい思い出がない幸田である・・と感じさせているシーン・・・の幸田はですね、眼も血走ってるし、硬い苦い思い出を噛み締めてるような...そんな表情。 でもなんで戻ってきたんでしょうね。嫌なのに。やっぱり北川の強引さに負けたとか・・・もしくは、幸田自身も、当時はほとんどいなかったであろう交友関係で唯一北川とは続いていた。その北川からの誘いであったので、断れなかったんでしょうか。 なんだかんだいいつつも、幸田も人のいない世界を望んでいた当初からも北川とはかかわっているんですよね。人恋しい部分もあったのかな...とも思えたり。 その幸田が気づいたモモのアパート。そして自分の周辺を嗅ぎまわってたモモへの表情。 唯一モモへは感情を現し、ほかの仲間には心を許していない。春樹にも、野田にも。 北川にですら許してはいないですよね。長年の付き合い程度。 それが北川も常に感じていたので、最後の最後でようやく、俺を訪ねてくれたな。俺は嬉しいぞ」の台詞で、幸田との距離が縮まったのを喜ぶ北川に言わせるのでしょうか。
やはり最後は、幸田は人間のいない土地へ行きたいではなく、ようやく北川にも心を許し ちゃんと向き合ってくれるようになった。でもその瞬間、幸田は一人で海へ。 心が先に海へ、モモの手配した漁船に乗って自由な世界へと翔んで行った。そんな終りなのでしょうか。 北川に残されたのは、その抜け殻。魂の抜け殻のただの肉体。 ようやく近づいたと思った瞬間に、幸田はまた違う世界に行ってしまった。 その抜け殻を流し、結局幸田は自分の側には来てくれなかった、いてくれなかったと・・・ある意味北川もまた、幸田への何か特別な感情を抱いていたんだろうと思います。
ですがねーどう見ても前半は、幸田さんはモモを守ることに奮闘してるとしか・・・
まずは、モモと知り合い(東京で)大阪でまたモモを見つけ、会いに行き、運命なんて・・・ 運命なんてさー女性に言う台詞じゃね?出会ったのは運命だとモモンに告白し(違う) その後、チョウリョファンの写真をTVで見て、何気にショックを受けつつ電話がモモであったことに安堵し。 そのあったモモから、兄貴を殺したと打ち明けられ、「ええ?」とマジでびっくりしてあのええ?の言い方が素っぽくて好き。ほんとにびっくりしてる感じが。。 銃で頭をぶち抜こうとしたモモさんを止めておきながら、「ここまでだな」「会う気はない」 んーあれは、モモは人殺しまではしていないと思ってたんですよね?それでショックを受けて(自分は犯罪者だけども、人殺しはしていない)そんな奴に成り果てたのか?と思ったのか。もしくはそんな奴だったのか・・・と、その時には見切りを付けた。 でも、モモのアパートに北と公安がモモを捕まえ、または殺しに来たのを知った瞬間 大慌てで銃を持ち出し、自転車で駆け付ける。モモを助けるために。 で、モモを連れ出し、じいちゃんに一旦は預けたけどその後も引っ越しを繰り返す。 共同溝では、春樹の合図が無いのを知り、モモの目を逸らすために自分が囮となり 現れる。もちろん春樹のこともあるでしょうが、基本はモモを逃すため。 や、あれねーキングの一味に捕まってたらと思うと・・・モっモモちゃん!・・・ 幸田だったから、タクシーのオッチャン程度のなにしとんねんで開放されたんでしょうね。 あそこにモモちゃんがいたら・・・恐ろしや。捕まって、山岸、または末永、や、それまでに始末されてるかも・・・はわ。 幸田さんが必死にモモを逃そうとしていて・・・そこでようやくタレこみ屋がいる・・と気が付く。 春樹との引き換えにチョウを渡せとの交渉に、1億で春樹を解放させる。表立っては春樹になってますが、実際は、モモを守るために。 払えなければチョウを渡す。 払えるからこその台詞ですよね。1か月後には億単位の金塊が手に入るから。 そうしてモモを1億で山岸から守り、あとは末永。これが一番やっかいな相手。 北の情報を公安に流し、今でも危険である二重スパイをし続けるほどの巧妙さ。 その末永に、あっさりとモモを売ってしまったじいちゃんが許せない。そりゃ許せないわー 再度引っ越しさせ、モモも身の危険を感じ、普段は女装までして身を隠している。そんな モモには「おごってやるよ」からもわかるように、もういいだろ。もう過去の事はいい。 これからは、一緒にこうして飲みに行ったり、一緒に飯食いに行こうと・・・そんな付き合いをしていこうぜとね・・・言ってるような・・・・うわん。モモの過去を知ることで、さらに これからはこうして過ごしていこうと。こう・・ね、普段の当たりまえの生活をしていこうと 言ってるような気がするんですがー(妄想入った?コレ?) それでも、やはり居場所は割れ、モモが襲撃され、幸田も銃で傷を負う。 モモが撃たれたときは、幸田は意識が朦朧としてわからないんですよね。だから目が覚めたときにモモが痛がってるのをどうした?って見る。 モモの「あんたと同じところを撃たれた」を信じる。自分と同じ肩なら取りあえずは大丈夫だろうと。 それが目が覚めたときは、モモだけが先に逝ってしまっていた。あの時点で、幸田は守るべき存在がいなくなり、吹っ切れたというか。自分がやるだけのことをやると覚悟したというか。そんな表情なんでしょうかね。 もうそれからの幸田は以前書いた通りのセクシー幸田(違う)モモを知る前の幸田に戻ったかのようですが・・・常にモモに語りかけ、モモから言われた手順を思いだし モモが側にいるかのように行動する。だからちょっと前の幸田とは違うのかもしれない。 それを北川が感じ取っていたのかもしれない。信じてくれよ、モモあんたは偉い。 以前の幸田だったなら、言わなかった台詞なんでしょうね。人を信じるとか、もういない人物のことをつぶやくとか・・・それだけ幸田にとってモモの存在は大きくて モモによって幸田は変わっていったんだとも思えるセリフでした。 最後のシーン
金塊、別に幸田欲しくないですよね・・・計画は遂行する。それだけですよね。 そしてその金塊を手に入れたらとりあえず人間のいない土地へ行ければいいと思ってたのかもしれない幸田さんですけど。 それまでの過程で、変わっていった幸田、真実を知り、人を愛することを知った幸田が求めたのは、もう人間がいようがどうでもいい、人間にこだわらない、それこそ魂の自由な世界、しがらみのない、心の解放された自由な世界?なんでしょうかね。 そしてこのシーンこそ、文庫版であった 「そうだ、モモさん、俺はあんたと神の国の話がしたいと思う。あんたとは心の話がしたいと思う...」の幸田の心境なのかなとも思いました。
あのーあくまで個人的感想ですので。その点ご理解くださいねー
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