カテゴリ:小説
何年か前の林真理子さんの新書「野心のすすめ」はお読みになりましたでしょうか。
あれはもう2年以上も前になるんですね。 わたしはこんな感想文を残しています。 さて、ちょっと時間の空いたある日、 そんな日はお決まりの書店とブックオフ巡りをするんですが、 この本の帯に引き寄せられました。 そこには「この物語は私の小説版“野心のすすめ”です。」という惹句が。 へー、そうなんだ。 じゃ、読んでみようか。 「野心のすすめ」が小説になったら、どんな女が主人公になるのかな。 早速買って、スタバへ。 そして、かなりのスピードで読みました。 そして、がっかり。 かなりのスピードで読めたということは、 とても軽い筆致で読みやすいということもありますが、 とにかく内容が浅はかで、ストーリーが上滑りしていくばかりです。 これのどこが野心?! 作家として成功して、地位も分別もあるはずの60代の女性が、 若い女性に「野心のすすめ」などと言って、勧めていいわけ?? 主人公は23歳の女性で、弱小ブランドのデザイナー。 いつか世界から認められたいと夢は大きいけれど、 自分にその実力がないことは十分わかっています。 彼女が、さまざまな男性と付き合いながら、自分の糧となるものを模索していく。 これを林真理子さんは、野心と言いたいらしい。 お金だけはたっぷり持っている40男が、 才能ある若者の感性を育てるためだか何だか、きれいごとを並べては、 高級レストランへ連れて行ったりブランドの服を与えたり・・・ でも、それは、単なる援助交際であり、不倫でしょう。 そんな簡単なことを見破ることもできないで、ほいほい浮かれている女性の どこが野心なんだ? 売れないお笑い芸人との恋愛もからませて、 このお笑い芸人に幕引きをさせているけれど、 最後に主人公が、もっとひどい目にあってぺちゃんこになるところまで 読ませてほしかったなと思います。 ところで、この小説、MOREという雑誌に連載されたものだそうです。 連載小説は、その雑誌の読者層に合わせて書かれるものだと思うけど、 いったいMOREって、どんな雑誌??って、こっちの方まで疑ってしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[小説] カテゴリの最新記事
|
|