カテゴリ:小説
先日いただいたコメントから、ずっと前に読んだこの本を思い出しました。
いえ、思い出したのは実は2週間ぐらい前で、 読み返してみたいと思っていたところでした。 わたしは某日本語学校で外国人留学生に日本語を教えていますが、 年に一回学生たちと長崎市へ遠足に行きます。 いつも原爆資料館を見てから、大浦天主堂を見学するというコースです。 原爆資料館では、みんな真剣に一生懸命見ているのがわかるのですが、 大浦天主堂は素通りしてしまう学生が多くて、いつも残念に思っていました。 それで今年は、遠足の前の日、日本の風習としててるてる坊主を作らせた後、 大浦天主堂の信徒発見の話をしたんです。 話をしたとは言っても、まだまだ日本語が未熟な学生たちですし、 わたしも詳しい説明ができるほど、覚えていません。 それでも、長崎には隠れキリシタンと呼ばれる人がいたことと、 「異人さまと同じ気持ちでございます。」「マリア様はどこ?」 という感動的な場面を、かいつまんで説明しました。 どこまで理解したのやら・・・と思っていましたが、 遠足のあとで書かせた作文では、「マリア様を見た」と書いている学生がいたので、 わたしは、小さなよろこびに浸りました。 大浦天主堂の中は薄暗く、ひざまづいて祈っている人もいらっしゃいました。 その敬虔な雰囲気を、学生たちも少しは感じてくれたでしょうか。 そうそう、遠足の前日からひどい雨となり、当日朝も土砂降り。 それが、みんながバスで出発する頃から雨が上がって、 長崎に着いたら、日がさし始めました。 暑くもなく寒くもなく、絶好の遠足日和です。 みんなのてるてる坊主のおかげですねと、大喜びでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.26 16:42:04
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