Marvin Redpost Alone in His teacher’s House
英語の読書は、これまでGRばかりを読んできました。GRとは、Graded Readersといって、英語学習者のためのシンプルな英語で書かれた本のことです。学習者の実力に合わせて、いろいろなレベルのものが出版されています。今日ご紹介するこの本は、どこの書評を見てもとても評判がいい児童書です。アメリカに住む9歳の男の子Marvinのお話で、小学生向けの読み物です。レベルは、私がいつも読んでいるGRよりも少し低いくらいだったので、安心して読み始めたのですが、これがなんとも難しい!!!知らない単語ばかりが続けて出てくる出てくる・・・読んでいてもちっとも楽しくないし、ぜんぜん前に進みません。おかしいなあ、レベルは下のはずなのに・・・でもよく考えてみたら、GRは大人の学習者のために特に書かれたもの。児童書は英語を母国語として身につけ始めた子供のためのもの。私から見て児童書が難しく感じるのは、当たり前のことでした。分からないながらも、「辞書をひかない」「わからないところはとばす」という原則に忠実になんとか読み進めていくと、あら不思議。8冊シリーズを3冊読み終えたときには、かなりすらすら読めるようになっていました。単語の意味はやっぱり分からないんです。が、だんだんぼんやりとした大意がつかみとれるようになりました。前置きが長くなったけれど、今日ご紹介したいのはシリーズ4冊目の「Marvin Redpost Alone in His Teacher's House」です。担任の先生が出張で一週間留守にするあいだ、イヌのWaldoの世話を頼まれたMarvin。「なんで僕なの?」といぶかる彼に、先生は「あなたは大人だし、頼りになるから。」って答えてくれました。Marvinは誇らしさで、苦しいほどです。彼の幼いながらも率直で誠実な使命感は本当にほほえましくて、思わず応援せずにはいられません。飼い主恋しさから食欲をなくしてしまったWaldoにエサを食べさせるため、必死に工夫するNarvin。その涙ぐましい努力にもかかわらず、ある朝Waldoに大変なことが起こってしまったのです。う~ん、ネタばれになってしまうので書けないのがつらいわ・・・He did'nt know what to do.Do something!The words kept repeating inside his head.Do something!He looked at himself in the bathroom mirror and noticed for the first time that he was crying.ここまで読んだとき、私自身も自分が泣いていたことに初めて気づいたのでした。息詰まる時間のMarvinの気持ち、心無いクラスメートの言葉。わずか9歳の子供でも、その責任感や喪失感やさまざまなものに翻弄されたつらい時間。それらが、実に生き生きと表現されていて、私は自分が小学生だった頃のこと、子供が小学校に通っていた頃のことを次々に思い出しました。小さな心で、小さな社会で、いろいろなものと戦っていたあの頃。それは大人が社会で経験するつらさと同じか、それ以上のものがあるんですね。シリーズ8冊のうち、あと読んでいないのが3冊。Marvinがどんな経験をし、成長していくのか、楽しみでなりません。そして、全部読み終わったら、もちろん!もう一度1冊目から読み直さなくてはね。最初の頃はよくわからないまま、通り過ぎてしまいましたから。 Marvin Redpostのシリーズは、楽天ではすべて売切れのようでした。やっぱり人気があるんですね。