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石が水によって侵蝕されることは、周知のとおりである。砂糖や塩が溶けるような具合にはいかないが、ごくわずかずつ溶かされるのである。それで、ある種の石は、水の方に、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムといった生理機能に有効な元素をイオンの姿でより多く溶け出させ、あるいは、水の中に溶存している有害物質を吸着して、水質を生体にとって有益な質のものに変える・・・といった働きをする。 その石の働きを利用して、処理された水は、健康を増進したり、いろいろな病気を治す効果をあらわすのである。 そのため、そのような石は、薬石として昔から珍重されてきた。そして、いま、科学的な研究によって、その薬効のカラクリが徐々に明らかにされつつある。 私もかなり前から、太陽石と呼ばれる石の薬効に大いに興味をもって研究をし、実際に臨床に用いて、その効果を確認してきたのである。 先ず、太陽石とはどんな石かというと、真珠岩と黒曜石と呼ばれているもので、正式には石英粗面岩である。火山の爆発によってマグマ(岩漿)の噴出したものが、急激に冷やされて固まってできた石である。 この石は水質を変える作用が強く、普通の水道水をも、天然の岩清水のような薬効をあらわす水に変えてしまうのである。 われわれが日常用いている水は、薬効をあらわす水とは程遠く、健康をそこねる一つの要素となっているほど質的に悪化している。つまり天然の生き水に対して死に水になっている。 日常使っている水を、生き水に切り換えれば、血液の浄化は大いに促進されるから、太陽石は、ガンの治療に大いに有効なのである。 生理機能は、煎じ詰めれば、水の作用だ。 すべての組織細胞を養っている血液は、いわば水の流れに、血球や血漿蛋白やホルモン、酵素などが乗っているもの、消化機能は、水和作用(溶解を促す働き)と加水分解である。また、視覚は、光が水によって屈折する性質が利用されているのだし、聴覚は水(リンパ液)の振動が利用されているのであり、味覚も嗅覚も、水に溶かされた物質のあらわす刺激性によって成立している感覚なのである。 ともかく、われわれの体の細胞で行われている、あらゆる物理的、科学的反応(拡散、吸収、排泄、分泌)は、水が存在するからこそ行われるのである。 その際、水は単に物質を溶解したり、運搬したりするだけでなく、その反応状態に、水の性状はいろいろ影響を及ぼしているのである。 つまり、水に塩素が含まれていたり、酸性やアルカリ性に傾いていたり、重金属などの公害物質が含まれておれば、そうでない場合とは、大変に異なった生理作用をあらわすようになるわけだ。 われわれの生理にとってもっとも望ましい水は、中庸の性格をもった水である。天然の岩清水や湧き水がそれにあたる。生理的水質の水といえよう。 現在、一般に使われている家庭用水が死に水となっているのはいろいろ公害物質(重金属・中性洗剤など)や有機物や細菌が含まれている上に、消毒用の塩素によって酸性度も高くなっているためである。このような水を常用しておれば、生理機能が大きく障害されるのも当然であろう。 太陽石は、そのような死に水を、生き水、つまり生理的水質の水に変わる働きをもっているのである。 太陽石の利用法は、主に次の三通りがある。 ①水を容器にくみとり、その中に太陽石を入れて、48時間以上放置しておく。この水を、飲み水やお茶、炊飯、その他の煮物など、料理一般に用いる。 ②薬草茶などを煎じるときに、土瓶に一緒にいれる。太陽石の有効成分の溶解が早められる。 ③粉末を約3時間煮沸して、その上澄みを用いる。これは高濃度のものを利用できるため、慢性病の治療にはとくに利用価値が高いといえる。 私が、ガン患者には太陽石が不可欠だ、との確信をもつようになったのは、それがめざましい水質の中庸化作用をあらわすことがわかったときからである。 水質の中庸化作用があるということは、人体における水の存在からいって、体質の中庸化をもたらすものと考えたからである。実際、そのような効果をあらわすことが、ガン患者の指導を通してはっきりと確認できた。 太陽石は、どんなカラクリで、そのような水質の中庸化を行うのだろうか。 それは主に、 ◆PHの中性化 ◆有害物質の吸着 ◆ミネラルの溶出 によって行われるものと考えられる。 太陽石の主成分は、珪酸とアルミナで、水に入れると、珪酸はHからは水素イオンが解離し、アルミナのOHからは水酸イオンが解離して、それぞれ水の中のイオンとイオン交換をする。 水がアルカリ性に傾いている場合は、OHイオンの解離は抑えられHイオンの解離がますために、水のHがおおくなり、PHは次第に低くなる。つまり酸性化するのである。逆に、水が酸性に傾いている場合は、水のOHが多くなるために、アルカリ性化する。 こうして中世付近にくると、イオン交換反応は自然に弱まる。 結局、太陽石で処理すると、酸性の水に溶存している不自然な有害物質を吸着する働きをする。 水の中にある有害物質とは、カドミウム・シアン・水銀・フタル酸エステル・PCB・ABS・亜硝酸・BHC・鉛・銅などのほかに、細菌類や放射能がある。これらの有害物質を吸着するのも、珪酸や酸化アルミの働きだと考えられている。 これらの吸着した有害物質を、太陽石は自らのアルカリ性で中和し、毒性をなくしてしまうのである。 この吸着性を利用して、昔から太陽石成分をクリームに混ぜ、皮膚科の治療や美容に役立られてきたし、日本酒に入れると、フーゼル油を吸着するため、一種独特のコクを生み出すとともに、健康にもよい酒質になることなどが知られており、いろいろと応用されている。 さらに太陽石は、ミネラルを溶出する作用をもっている。 現在までに知られているミネラルは、約40種ほどあるが、いずれも適量であれば、人体の健康に有効な作用を及ぼす。天然水には、それらのミネラルがすばらしいバランスをもって含まれている。 水を太陽石で処理すると、そのようなミネラルのバランスのとれた水に変化する。マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、珪酸、アルミニウムなどのミネラルが、水に含有されていなければ石から溶出し、水中に過剰に溶存しておれば、石はそれを吸着して、バランスを回復する。このようにミネラルのバランスのとれた水を常用することによって、体のミネラル代謝は正常化されていく。 加えて、硬度も適度に調整されるので、水の味もよくなり、有機物を分解して水の腐敗を防ぐ。さらに、細菌の増殖を抑えて水の鮮度を保持する。 以上のような働きが総合されることによって、ミネラル水は、体の細胞の再生・活性化を促す。新陳代謝が正常化され、血液は急ピッチで浄化されていくのである。 森下敬一著「ガンを食べもので治す法」より抜粋 |