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カテゴリ:書籍
朝日新聞社による iPS細胞発見のデキュメンタリー。ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授をはじめ、バックアップしている京都大学の松本総長、ES細胞を発見したエパンス教授など、さまざまな研究者たちへのインタビューが詰め込まれている。 iPS細胞の画期的なところは、わずか 4 個の遺伝子を体細胞に導入することで、細胞が未分化の状態にリセットされることだ。 受精卵を破壊する ES細胞の研究に反対の立場をとっていたローマ法王庁は、iPS細胞について「人(受精卵)を殺さず、たくさんの病気を治すことにつながる重要な発見だ」(52 ページ)というコメントを出した。iPS細胞は宗教の壁をも越えようとしている。 山中教授はアメリカでの研究生活の経験から、「アメリカ人はハードワークは苦手でも、ビジョンが素晴らしい。素晴らしい仮説をたて、こういう実験をすればいいと考える人が多い。一方、日本人にはハードワークが得意な人が多い」(33 ページ)と感じたという。 iPS細胞に関わる特許獲得の国際競争も熾烈だ。 山中教授の素晴らしいところは、基礎研究への理解が乏しい日本に腰を据えて研究してきたことだ。研究員に対する気配りも細かい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.06.28 22:43:57
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