6506617 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

パパぱふぅ

パパぱふぅ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

フリーページ

カテゴリ

バックナンバー

2013.07.10
XML
カテゴリ:書籍



海はどうしてできたのか

海はどうしてできたのか


 実は、水は宇宙からやってきたのです。(48ページより)

著者・編者藤岡換太郎=著
出版情報講談社
出版年月2013年02月発行

著者は、地球科学が専門の藤岡換太郎さん。しんかい 6500 に 51 回乗船し、太平洋、大西洋、インド洋の三大洋初潜航を達成した方だ。

第1部と第2部では、地球が誕生してからの 46 億年を 1 年に換算し、カレンダー上で地球氏を分かりやすく説明してゆく。
1 月 12 日に付きが誕生し、原始の海マグマオーシャンから海洋が誕生したのは 2 月 9 日のこと。海の「水は宇宙からやってきた」(48 ページ)という。マグマオーシャンが冷えるとき、「1 時間に 100mm の雨が 6 年間」(53 ページ)降り続いたという。
海ができて間もなく、2 月 25 日に最初の生命が誕生する。だが、当時の「海底には、酸素がなかった」(66 ページ)という。強力な酸化作用のある酸素は、原始の生命にとって有毒物質であり、むしろ酸素がない環境の方が生命の誕生に適していたわけだ。
酸素が発生するのは、それから 3 ヶ月後の 5 月 31 日のことだ。「光合成をする生物であるシアノバクテリア」(71 ページ)が登場したためである。
「現在知られているもっとも古い超大陸ができたのは、約 19 億年前、地球カレンダー上では『8 月 3 日』のこと」(85 ページ)だった
その後、地球は海底 1000 メートルまでが凍結するという 2 度にわたる「スノーボールアース」を経験し、「約 7 億年前のスノーボールアースを境とする酸素の急激な増大をもって、長かった先カンブリア時代は終わりを告げ、現在へと続く顕生代の扉が開かれます」(94 ページ)。
現在の大陸の祖先である超大陸「パンゲア」の形成から「1 日後の「12 月 12 日」、地球上に生命が誕生して以ル来、最大の絶滅」(104 ページ)が起きた。「なかでも、ベルム紀末の場合は規模が桁ちがいでした。なんと、種の 96%が絶滅した」(104 ページ)という。
同時に「海洋の酸素がきわめて乏しくなる『海洋無酸素事件』」(106 ページ)が起きた。
12 月 13 日に恐竜が出現するが、12 月 26 日に「直径 10km にも達する巨大な隕石が、現在のメキシコ・ユカタン半島に衝突」(111 ページ)したことで絶滅する。
ホモ・サピエンスが登場したのは、12 月 31 日の午後 11 時 37 分だ。

第3部では海水の進化を解説する。
現在の海水の成分である塩化ナトリウムは、「長石という鉱物は、風化や雨水などによる化学的な侵食などで分解すると、粘土鉱物に変化します。その際にナトリウムを放出し、それがイオンとなって川の水に溶け込みます。それが海に注がれ」(145 ページ)ることによってナトリウムが、「火山活動によってたえず塩酸が供給」されることによって塩素が供給されている。

第4部では未来の海の様子を予測する。
現在、「大量の水を含んだプレートが海前から地球の内部へと引きずり込まれ、地下深くのマントルへ、そしてさらに深部へと沈み込んでいく」(184 ページ)が、ローソン石という含水鉱物になり再び地表に戻ることで、水は循環している。
ところが、このまま地球が冷えていくと、10 億年後には「ローソン石はその中に水を含んだまま、分解しなくなってしまう」(187 ページ)ため、海が干上がってしまうという。火星がそのような状態ではないかという。

藤岡さんは最後に、「いくつもの奇跡によって誕生し、進化をとげてきた太陽系唯一の『水の惑星』、海の恵みによって無数の命が生を植歌するこの星を、地球カレンダーの『最後の 23 分』に現れたにすぎないわたしたちが破壊してしまう――そのことのほうが、さきにあげた海や地球の終駕のシナリオよりも、よほどおそろしいことに私には思えます」(194 ページ)と警鐘を鳴らす。
藤岡さんは私と同世代だが、「私が小学校のころには、地球は約 20 億年前にできたとされていました」(25 ページ)という。子どもの頃の地学の知識は、どんどん変わってゆくのだ。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013.07.10 19:24:17
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.