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2013.07.17
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カテゴリ:書籍



間抜けの構造

間抜けの構造


 あのテロップが、テレビから“間”を奪っている。(82ページ)

著者・編者ビートたけし=著
出版情報新潮社
出版年月2012年10月発行

著書はビートたけし。
まず冒頭で、「間抜けというのは『“間”の悪いやつ』」(3 ページ)と定義する。数学が好きなたけしさんらしい。そして、論理的な毒舌が冴え渡る。
政治家の失言に対しては、「自分がどういう立場にいる人聞かがわかっていないからだ。自分を客観視する能力がないからこういうことになる」(18 ページ)と手厳しい。

ではどうしたら、うまく間を取れるか――。
たけしさんによれば、「これはそもそも教えてもらったりするものではない」(53 ページ)という。
「間合いというのは、車の運転みたいなもの。道が混雑しているか、空いているかぐらいは誰でも把握できるだろう。でも、その流れに乗れるかどうかは実際に運転してみないとわからない。漫才でも同じ。ある程度やっていれば、どこでブレーキを、どのくらいの強さで踏むのかというのは自然とわかってくる」(79 ページ)というのだ。
また、実戦をやらないやつは一切ダメ。これは芸でもスポーツでもなんでも共通することだけどね」(84 ページ)ともいう。

「TV タックル」での司会の経験から、討論の時に話に入っていくのが「上手い人は、相手が呼吸するタイミングで入ってくるよね。その呼吸の間合いを読むのが上手い」(89 ページ)という。また、議論を自分の持っていきたい方向に持っていくには、「岩を置いて堰き止めるんじゃなくて、板みたいなのをすっと差し入れて流れを変えないといけない」(91 ページ)とも。
これは、ディスカッションするときに役に立ちそうだ。

スポーツや芸術、映画でも“間”が大切だという。たけしさんは映画監督をやっている経験から、映画の“間”の大切さを詳しく説明する。
3D 映画については、「奥行きという“間”を埋めちゃうことになる。(142 ページ)」とコメントした上で、「なんか人間というのは、技術の進歩とともにその“間”を埋めようとするよね」と指摘する。

漫才ブームの火付け役とも言えるたけしさんが、「自分の生まれた時代があって、過ごした環境があって、その流れに乗っちゃったというか、持っていかれた、としか思えない」(183 ページ)と書いているのは意外である。「その人の“間”がいいか悪いかというのは、どの時代に生まれたかに尽きるんじゃないか」(180 ページ)とも言う。
自分が売れた理由を探さないで、時代のせいにするというのは、年の功なのだろうか。私には、その境地は分からない。

最後に、「今の時代は、どんどん“間”がなくなっちゃってギスギスしている。本当は“間”があったほうが豊かになるのに。みんな履歴書に空欄をつくらないように、人生の“間”を必死で埋めようとしている」(187 ページ)と指摘している。
これには同感だ。
いま、新幹線に乗って出張先へ向かっているところだが、最近は車内でもネットができる。メールの送受信ができる。
こんな“間”を埋める仕事していたら、いつか失敗するだろう。
たけしさんが「あのテロップが、テレビから“間”を奪っている」(82 ページ)と書いているように、現代は視覚優位の社会だ。しかし、視覚で入ってきた情報は捨てられるのも早い。もっと五感を大切にしなければならない。
学生時代の気持ちを取り戻し、車内では音楽を聴きながら読書するようにするとしよう。










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最終更新日  2013.07.17 20:43:41
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