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2015.01.05
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カテゴリ:書籍



比べてわかる!フロイトとアドラーの心理学

比べてわかる!フロイトとアドラーの心理学


 部分より全体、原因ではなく目的、過去より今。これらを重視するのが、アドラー心理学と森田療法の共通点です。(129ページ)

著者・編者和田秀樹=著
出版情報青春出版社
出版年月2014年8月発行

著者は、精神科医で、老年精神医学、精神分析学、集団精神療法学を専門に扱う和田秀樹さん。フロイト、アドラー、ユングの学説の違いが分かると共に、アドラー心理学と森田療法との類似性を再認識した。

序章から分かりやすい。
脳と心の関係について、「臓器としての脳細胞や神経伝達物質が『脳のハードウェア』だとすれば、心は『脳のソフトウェア』ということになる」(22 ページ)と定義したうえで、薬を使って治療する生物学的精神医学の対象は脳で、薬を使わない臨床心理学の対象は心だとする。
また、神経症について「ハードの部分には何も問題がないのに、あたかも神経に問題があるかのような症状が出る」(24 ページ)と解説する。

第1章、第2章では、フロイト、アドラー、ユングの人となりについて解説する。
厳格な家庭に育ち、なんでも性欲で説明しようとしたフロイト。トロツキーと交友のあった女性を妻に迎え、貧しい労働者を診察しながら、劣等感コンプレックスという概念を打ち立てたアドラー。正妻と愛人を同じ家に住まわせるなど自由奔放な生活を送りながら、無意識のルーツを神話や古代思想に求めていったユング。
三人三様の考え方が、現代の臨床心理学を築いていると言えるかもしれない。

和田さんは、フロイトの治療を原因追求型、アドラーを目的型としたうえで、アドラーと同じ時代に日本で活躍した「森田療法」で有名な森田正馬を取り上げる。そして、「部分より全体、原因ではなく目的、過去より今。これらを重視するのが、アドラー心理学と森田療法の共通点」(129 ページ)と整理する。
そして、「森田療法やアドラー心理学は、単に『心の病を治す精神療法』ではありません。より積極的に相手を『元気にする心理療法』だといえるでしょう」と評価する。
一方、症状の重いボーダーライン患者には、森田療法やアドラー心理学では治療が困難なようで、今後もフロイトの影響は残り続けるだろうとしている。

第5章で大和田さんは、現代社会に必要な心理療法の基本方針を 3 つ挙げている――思い込みから解放し、対人関係を良好にし、感情をコントロールすること。言われてみれば当たり前のことばかりだが、健常人でもこれらを実践できている人は少ないのでは無いだろうか。
大和田さんは、謝罪会見で堂々とした態度で口から出まかせのような言い訳を並べ立てたりする人物がパーソナリティ障害ではないかと疑念を呈します。「アドラー流の目的論でいえば、そういう人は会見でどんなに厳しい質問を受けても、嘘をつくのをやめないでしょう」(153 ページ)と指摘します。
また、原則的に治療不可能な反社会性パーソナリティ障害(サイコパス)は「最悪の殺人だけは法律の力で食い止めたいところです」(155 ページ)と述べる。
また、学校のいじめ問題については、「アドラーのいうように、別のことで注目される、以前のような成績優秀者やスポーツなどで評価されるシステムが再確立されるほうが望ましいかもしれません」(167 ページ)と意見提起する。










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最終更新日  2015.01.05 19:49:04
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