|
カテゴリ:書籍
著者は、桜美林大学リベラルアーツ学群教授で理学博士の芳沢光雄さん。 冒頭で「およそ数学を得意とする方々は、言葉の定義や意味を人一倍大切にします」(3 ページ)と書かれているが、およそ仕事の文書というのは論理性が要求されるから、必要な用語の定義は必ず記載されるものである。 言葉の定義が大切という点で、14 ページでは「平均」が複数あることを紹介している。相加平均、相乗平均、調和平均、と様々な平均があることを思い出そう。三段論法にも、「定言三段論法」「仮言三段論法」「選言三段論法」の 3 つがある(132 ページ)。 芳沢さんは、物事を多角的に見ることが大切だと説く。単に数式を提示するのではなく、「図形的なものは縮図や拡大図、統計的なものは棒、折れ線、円、帯の各グラフ、数えることは樹形図、そして集合的なものは本項で扱ったベン図を用いるとよい」(58 ページ)とアドバイスする。ちなみに、関数のグラフを考案したのはデカルトだそうだ。 言葉の定義とともに、数学では公理や定理が大切だ。芳沢さんによれば、これらの規則は「無用なトラブルや混乱を回避するため」(145 ページ)に設けたと捉えておくべきという。そして「数学では、規則(公理)が許すギリギリのところで面白い結果を得ることがよくあります。これは、ビジネスの世界でも同じではないかと思います」(149 ページ)と語る。 ネットでは、野党の「ブーメラン」やマスコミの「偏向報道」で炎上することが多くなっているが、これらは概ね、言葉の定義と規則の運用を無視した結果である。仕事で同じ失敗をしないよう、他山の石としたいものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.09.11 17:50:09
コメント(0) | コメントを書く
[書籍] カテゴリの最新記事
|