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1095 年の第1 回十字軍が成功し、エルサレム王国が建国された。しかし、建国とは名ばかりで、エルサレム巡礼の道程の治安は依然として不安定だった。巡礼者たちを護るため、テンプル騎士団が結成された。創設者のユーグ・ド・パイヤンの出自はよく分かっていないが、彼と 9 人の騎士、その従者数十名でテンプル騎士団はスタートした。 1128 年、フランスのトロワで公会議が開催され、正式にテンプル騎士団が発足した。テンプル騎士団は、基本的に修道士であり、封建諸侯と異なり主従関係はなく、ただローマ教皇に仕えるのみである。 十字軍に対する熱狂の中、テンプル騎士団には多くの寄進が集まり、領地も増え、管区としてテンプル騎士団が運営した。前述の通り封建諸侯に支配されず、徴税権もテンプル騎士団のものであった。 12 世紀後半、サラディンがアイユーブ朝を創始し、1187 年、エルサレムを奪還する。これに対し、1189 年、第3 回十字軍が結成され、アッコンを征服すると、サラティンと休戦に持ち込んだ。 ローマ教皇ボニファティウス 8 世を憤死させ、クレメンス 5 世をヴィニョンに移したフィリップ 4 世にとって、次に邪魔な存在だったのがテンプル騎士団だ。 2007 年 10 月 12 日、一斉逮捕から 700 年を経て、ローマ教皇庁は『テンプル騎士団弾劾の過程』を公開し、テンプル騎士団に対する異端の疑いは完全な冤罪であり、裁判はフランス王の意図を含んだ不公正なものであったとして、騎士団の名誉回復がはかられた。 時代を見通す感覚がない組織の末路は、いつの時代も悲惨である。そして、民衆の声を利用して国家を動かす全体主義者フィリップ 4 世は――本書では言及されていないが、ナポレオンやヒトラーは――恐ろしい存在だ。私たちは、もっと歴史を学ぶべきである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.13 12:51:31
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