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本書は、2004 年 12 月に発刊された『今日から使えるフーリエ変換』の普及版である。ディジタル信号処理工学と教育工学がご専門の三谷政昭の著作で、冒頭で、「AI がどんなに進化しようとも、フーリエ変換の重要性は 14 年前からまったく下がっていない」「ますます増大している」(4 ページ)と述べているとおり、ディープラーニングの流行で、フーリエ変換のニーズが増えていることは実感する。 技術者ならご存じの通り、フーリエ変換とは「あるひとつの複雑な波を、わかりやすいいくつかの単純な波に分解すること」(6 ページ)だ。もう少し数学的に言えば、ある信号 x(t)を cos 波と sin 波の重ね合わせとして考えるものである。変換式自体は単純で美しく、その応用範囲はとても広い――。 本書では、まず、ブレンドしたワインを例に、フーリエ変換の概念を説明する。続いて、フーリエ変換および逆変換の積分関数を、整数に置き換えて、四則演算だけで説明する。これは目から鱗であった。デジタル信号も扱えるのだから、整数だけで式の説明ができてしまう。 ここから、複素平面(ガウス平面)を使ったフーリエ変換の解説に入っていくわけだが、まずは、フーリエ変換の積分値が四則演算だけで求められることを紹介する。このことから、簡単な電子回路を使って積分計算の肩代わりをさせるデジタル・フーリエ変換が実装できることが分かる。 非線形とは、アナログ信号を扱う中で音などの信号波形がもとの信号波形と等しくない状態をいい、オーディオでは波形の形状がくずれて再現されるため、音質が変わってしまうなどの劣化要因となる。 線形システムの周波数特性すなわちシステム関数を調べたいときは大きく 3 つの方法が考えられる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.03.24 12:10:06
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