☆パリの農業見本市パリの農業見本市農業国である一面を色濃く持つフランスでも春浅い2月下旬から3月初めにかけてユニークな催し物があります。7年前には私も訪れた「パリ国際農業見本市(Salon international de l’agriculture à Paris)」です。 農業についての博覧会といっていいでしょう。畜産動物の展示から農産物を使った名物料理の試食、エコロジーへの提案まで、ありとあらゆる農業に関することが多岐にわたって展示されています。 農業従事者が来て家畜の買い付けなども行うと共に、広く一般の人々も展示そのものを楽しみにして全国から、あるいは世界中から訪れる盛大なお祭りのような見本市でもあります。 日本人である私が一番びっくりしたことは、畜産動物の展示の仕方でした。肥育されているので一般のイメージよりはるかに大きな牛や羊が囲いの中に展示され、「どこのだれだれ牧場のすぐれもの」などの解説文も展示してあります。その隣にはその動物の子供、つまり子牛や子羊が展示され、訪れた人間の子供達がその頭をなでたりしています。 それと共に、そう遠くないところで、食肉に飾りつけをしたものが展示されていて、見物客はこちらにも興味津々であれこれしゃべりながら楽しげです。 その隣のブースではこれらの食肉が名物料理となって皆の舌を楽しませています。私はシードル(りんごから作った発泡酒)を飲みながら、しみじみと「フランスだなぁ」と感慨深かったものです。 食文化というのは人間の生活の中でかなりの比重を占めるものです。フランスはモードの国、芸術の国でもあるけれど、同時に西洋の食文化の中心の国ともいえるような気がします。「食べることを大切にする」という意味では特にユニークな国であると私は思っています。 パリのポルト・ド・ヴェルサイユに近々行かれる機会がおありでしたら、一度は覗かれると楽しいかと思います。 (le 29 février 2004) 次のページへ ホームへ ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|