ぱなっちの窓

イギリス道路事情

ラウンドアバウト
イギリスには信号機があまりない。その代わりにRound aboutというもので交通整理をしている。道が交差するところは円になっていて、そこを時計回りにぐるぐる回るというものだ。ラウンドアバウトに入るときには、右だけを見て隙を見て進入する。常に右から来る車が優先だ。なので、小さなラウンドアバウトで右折したいときに、右の道から車が来てさえいなければ、直ぐに曲がって構わない。左の道にいる車はもちろん、対向車だって停車してくれる。非常に便利。ただし、これは皆がきちっとウィンカーを出してくれればの話。
以前に住んでいたブラックネルは、複雑且つ巨大なラウンドアバウトの数の多さで悪名高い街だった。しかも、そこの住人ときたら、89%ウィンカーを出さない。ラウンドアバウトの中を回っている車が、手前の道に出て行くのか、こっちに向って突進して来ているのか皆目検討がつかないのだ。なかなかラウンドアバウトに入ることができない。そうすると、後ろの車にぶっとか文句言われたりする。本当に毎日恐かった。
ラウンドアバウトの恐ろしさは、進入時に限らない。出る時だって命がけだ。二車線の出口だっていっぱいあるわけで、右にいる車がそのまま右車線で出て行ってくれればいいが、左車線に入って来ることだってある。その逆で、左側にいる車がその出口で出ずに、そのままラウンドアバウトを回っていることだってある。しかも隣にいると、仮にウィンカーを出していたとしても、見えやしない。この恐ろしいラウンドアバウトを平均時速30マイル(約50キロ)でぐるぐる回っているのだ。一時期マニュアル車を運転していたが、一旦停止してからラウンドアバウトに侵入した場合、一速で入って出る時には少なくとも三速に入れていなくてはいけない。その間にウィンカーも出さなくてはいけないのだから、もう必死。どうしてみんなウィンカーを出さないのか解った。そんな余裕はないのだ。だって、ヨーロッパ仕様車はウィンカーは左に付いているの。ギアと同時に操作はできない。


制限速度
日本にいたとき姉に、「あなたは渋滞を引き起こしている。制限速度は最低制限速度と思いなさい。それ以下で運転したらみんなに迷惑。」と言われたほどの安全運転野郎だった私。ところが今では日本で運転すると、制限速度以下で運転するのは不可能。それでもこの国では、まだまだ渋滞を引き起こしている。街中はいい。だいたいどこも40マイル。約64キロ。これなら私にも運転できる。ところが、これがちょっと田舎道になると、50(80キロ)になって、ちょっと恐い。もっと何もないところになると、制限速度表示がなくなる。そこは平均速度60(96キロ)で走らなければならない。恐すぎる。いつも後続車に追い越される。いや、追い越してもらう。どうぞどうぞお先に。そんなカントリー・ロードにあるラウンドアバウトには進入速度50と表示してある。信じられる?見通しはいいにしろ、信号のない交差点に80キロで進入するのよ。私にはできません。
ホリポートというちょっと綺麗な村があるのだが、そこを抜ける道路が30の後突然50になる。30のところはかなり狭くくねくねしている。妥当な制限速度だと思う。が、その先の50だって決して直線道路なわけではない。ここのスピード切り替えは非常に難しい。どっち方面から来たとしても、そうそう簡単にスピード変更できるものではない。
そうかと思うと、どうしてここがこのスピードやねん!っていう場所もある。非常によく整備された片側二車線。高速への入り口につながる。ここが何故か40。この街を抜ける主要幹線道A4、これが一部だけ30。こんないい道をこのスピードで走るのは不可能!というところに限ってスピードカメラが置いてある。A4の30は、ほぼ全員がやられている。知ってはいてもそのスピードでは走れないのだ。しかもこの罰金というのが£60も取られる。何マイル違反しても、一律£60。「まったく、制限速度60の道を70で走ったってわけでもなし。なんでこんな不可能な低速道を40で走ったってだけで、こんなに罰金取られるのよぉ。」と文句を言ったら、奴にこう切り返された。「60の道を70で走ったよりも君のほうが罪は重いよ。だって法定速度の1/3をオーバーしたんだから。」へぇ、そういうものですかねぇ。



横断歩道
イギリスの横断歩道には3種類ある。
<信号機がコントロールしてくれるもの>
これは、日本と同じ。問題なし。さくさく渡りましょう。

<押しボタン式横断歩道>
これも、日本と同じ。でも、問題あり。
いえ、渡るのは問題ありません。車から見てです。
日本と違うのは、これがラウンドアバウトと併設されているということ。前述の通り、ラウンドアバウトというのは、平均時速50キロでぐるぐる自動車が回っているところだ。これに入るのはもちろん、出るのだって命がけ。「あー、よかった、出られたぁ。」と安心するもつかの間、この横断歩道が使用中で渋滞していて、急ブレーキなんてことが、しょっちゅうだ。知っている道ならば、心構えもできているが、初めての道でこれが赤だったりしたら、ほんとうに危ない。

<何にもない横断歩道>
これが一番問題。
これは、何がなんでも歩行者優先なのです。横断歩道に人が立っていたら、車は絶対に止まらなくてはいけないのです。
立ち止まっている歩行者を見過ごすこと数ヶ月、最近やっと慣れて、歩行者が目に留まるようになりましたとさ。これ、本当に、見つけにくいんだから。
歩行者を認識できたとしても、歩行者が横断歩道を渡りたいんだかどうかの見極めが非常に難しい。立ち止まり横断歩道に向きを変えるかと思いきや、そのまま直進されることも多い。
逆に学生などは、もう車が横断歩道に差し掛かろうっていうのに、傍若無人に渡ったりするものだから、危ないったらありゃしない。

おまけ
<歩道橋>
ブルさん、ありますわよ。
Maidenhead -- Reading 間のA4に2箇所ありますよ。
そこでしか、見たことないです。


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