ウルトラマンメビウス第8話「戦慄の捕食者」

2006/05/31

カテゴリ：クロ歴史！

脚本：小林　雄次／監督：梶　研吾

過去に出現した怪獣のデータを、メテオールによって実体化させた擬似生物、それがマケット怪獣である。そして、マケット怪獣は別の特殊能力を持つ怪獣のデータを掛け合わせることによりカスタマイズが可能である。
頻出する怪獣、そして高次元捕食体ボガールの脅威、さらに青い巨人ツルギも目下のところは仮想敵であり、GUYSにとっては戦力増強が急務であった。
そんな背景から実用化に成功（？）したミクラスに、ボガールの弱点と思しき電撃による攻撃が可能なエレキングの特殊能力を付加する計画が実行されることになった。

しかし、その実験の際、粒子加速器がトラブルに見舞われ、基地内に高分子ミストが漏れ出し、小さなぬいぐるみ大のエレキングが出没する事態となってしまう。どうやら過去に敵対したエレキングへのトラウマから、ミクラスがそのデータを放逐したらしい。右往左往する隊員たちをよそに「カワイイ」とその小さな怪獣を抱きかかえたのは、やはりコノミ隊員だった。
そんな中、またしてもボガールが出現し、GUYSにスクランブルがかかる。

セリザワは生きていた。
しかし、まるで別人のような態度に強いわだかまりを抱くリュウは、ガンウィンガーで出撃するが、ボガールの攻撃に不時着を余儀なくされる。
だが、地上にはまたも、セリザワの影が。
そして、リュウは彼が青い巨人に変身するのを目撃する。

強化されたエレキ・ミクラスはボガールに対抗できるのか？
青い巨人の目的は？　なぜ、セリザワの姿で地上に現れたのか？
それぞれの事情を背負いながら、リュウは、そしてミライがとった行動とは？

【登場怪獣】
高次元捕食体ボガール／マケット怪獣リムエレキング／マケット怪獣ミクラス

【活躍アイテム】

【新品】ウルトラ怪獣シリーズ2006/ウルトラマンメビウス　03　マケット怪獣ミクラス

ウルトラヒーローシリーズ200603ハンターナイト・ツルギ（ウルトラマンメビウス）

＊＊＊

いやあ、マケット怪獣にかけ合わせができるなんて、スゴイですね！
ミクラスにエレキングの電撃なら、ウィンダムにはキングザウルス3世のバリアを、アギラにはベロクロンのミサイルとか付けたらカッコいいなあ。（ってドキュメントTACは存在したんでしたっけ？）いや、いっそのこと、ウルトラマンのアーカイブを利用して、みんなスペシウム光線を吐けるようにすればかなりの戦力になりますね。

だけど、このマケット怪獣という設定は今ひとつ乗り切れないでいます。
快活に飛び跳ねるミクラスやユニークなエレキングを見ていると、確かに愉快な気分にはなります。しかし、アイデアとしては面白いと思うのですが、合成怪獣とはいかがなものでしょうか。育成ゲームとかの影響もあるのでしょうか、あくまでデータだから、コピーしたり貼り付けたりしても問題はないのでしょうが、何か足りない気がします。

振り返ってみるとウルトラセブンに登場したカプセル怪獣は、正直、時間稼ぎ程度の働きしかできませんでしたが、もっと愛着を持って見ていたような気がします。それこそ生き物を瓶詰めにして持ち運びしているのだから、それはドーなのよと言われそうですが、要は接し方の問題ではないでしょうか。

例えばモロボシ・ダンはカプセル怪獣を出現させる際には、「頼むぞ」、と放ります。これはマケットも同じですが、退場させる時は必ず「戻れ！」という言葉で完結させます。
今思うとこれが何気ないカタルシスを感じさせてくれていたように思います。

高エネルギー分子ミストのマケット怪獣は時間が過ぎれば、雲散霧消するだけの描写で終わってしまいます。うがった見方をすると“都合よく”なのかもしれません。
しかし、本来はデータとはいえ、彼らを命を持つ仲間と認識すべきではないでしょうか。カプセル怪獣のように、例え儀礼的なものでも、何らかの回収シークエンスを設けることが必要に感じました。勝手な思い込みかもしれませんが、今の時代にこそ、この過程が、重要に思うのです。

さて、其処彼処で、態度が悪い、何様のつもり、とあまり評判の芳しくない大将ですが、個人的には何とかしてあげたい気がします。どうもツルギ・セリザワとは、悲劇的な別離しかないような気がするのですが、何とか前向きに捉えていけるような展開を望んでいます。

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