南の島物語

[釣りのエッセイ] カテゴリの記事

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  久しぶりの更新から、SNSの発言は、要注意？。

   いやいや、最近はブログでも書くことが少ない。その為か、暫く更新をしていない。何しろ、プライベートな事はラインで済ませる事が多く、自分やパパズインの近況は、フェイスブックで述べる事が多い。ただ、そのフェイスブックも友達の数が4000人を超えた2年程まえから、半数近くも削ったが、それでも承認数も多いので、すぐにそれ以上の数になってしまう。まあ、軽く友人としての付き合いのつもりだが、それでも、此方から一方的に削除するのも失礼な話なので、その判断だけでも難しい。商業的な部分も多いSNSなので（この場合、フェイスブックやツイッターなど）、行き過ぎにならない程度には宣伝のお手伝いもする。また、実際に良いものは良いという。でも、それがプレッシャーになる程まではしないので、その辺りは理解を頂いているだろうか。政治的な発言からも、遠ざかるようにしている。しかし、本当に稀にだが、書かずにいられない事もある。主義主張には、ついつい引き込まれてしまう。そこが、ソーシャルメディアたる所以なのかも知れない。 BS1の番組「キャッチ」で、SNSの発言からの失敗談をやっていた。主にアメリカニューヨークでのインタビュー。 中々面白い。まあ、これは日本でもありそうなことだ。例えば、酔った勢い、怒った勢いでSNS上の発言、この失敗談は圧倒的に多いようだ。そんな時に押して頂いた「いいね」ほど、後で振り返ると、心のこもらない希薄さを感じるという。「いいね」は自分の発言に対してなので、気にしないと言っても、友人たち、その心の深層も判るような気がする。気にせずに「いいね」やコメントの少ない方（交流の無い）は削除するのだが、その辺りも仕事上で付き合いがあったりすると躊躇する。ま、高々がSNSなので、あまり遠慮したくないのだが・・・。 ブログ更新の頻度が少なくなる分、SNSの発信が多くなる。それは、僕の場合、日常の発信で、例えば「おはようございます」から日常報告だ。それは、このSNSを商業的に限定している方と違い、同級生、親戚、更に、昔の音楽仲間、その辺りにまで、日々元気であることを伝える目的も無くはない。人づてにであっても、ショウソクが伝わっていくのも悪くないことだ（多少は、健康的な見栄を張る部分もあるが・笑）。ブログの場合は、この繋がりが薄く感じるのと、どうしても時間的なずれ、タイムラグを感じてしまうからだ。ただ、ブログの場合は、SNSに比べると文字数は多い。私の場合だけかも知れないが、発信したい中身、其処を十分に伝えるのは、SNSの短い文だけでは不十分に感じるのだ。確かに長文のSNSは、最後まで読むのが辛くなるが、ブログは腰を据えて読む、そんな気分なる。 1週間ほど前、お客様の佐野さん夫妻が釣りに来る。その時に、その奥方が23キロ越えのカンパチを釣った。それは大喜びのはなしだが、これを伝えるのであれば、SNSで十分だ。そして、昨日の話だが、今度はご主人がリベンジに。そのご主人が20キロ越えのカンパチを釣った。これも、釣果報告だけであればSNSで十分なのだ。しかし、ご夫婦の釣りだけからこそ、此処にご主人の心の中に大きな葛藤があったとしたら、それは思い過ごしだろうか。奥様がカンパチを釣った時の喜びの反面、自分が釣れなかった悔しさ。更に昨日、自分に魚をヒットした時の手応え、魚が浮き上がるまでの大型の期待。更に更に、釣ったときの嬉しさ半分、奥様のビッグワンには届かなかった、その「な～んだ！」みたいな悔しさ（笑）。私の思い過ごしかも知れないが、相当に悔しかったのでは？と思ってしまう。しかし、こんな話を、即時SNSで発信するのは、そりゃ失礼かも知れない。しかし、これが少々時間を置いからの、こんなブログであれば、それは笑って許されるだろう。佐野さん、許してね。 

  2017.06.10

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  取材の裏話。

  まあ、取材や撮影ではいろんなことが起きる。 しかし、それを誌面では語れないことも多く、そりゃ、まともには言えない話もある。  決してドラマチックではない失敗談ほど、それは最高に面白い話になる。 そんな裏話、まず目に触れることはないのだから・・、こりゃ黙っていられない。 先日、私のソルトワールド誌連載取材を、久々に八丈島で行った。 アングラーは、ネーチャーボーイズテスターとして復帰の親方（竹下恵介）、それに、私の相棒と言っても良い、船上カメラマンのサントス（大川）だ。 1月、ジギングのような沖釣りの冬季取材は、かなりのリスクがある。 高い山を2つ有し、離島の割には風裏のある八丈島なので、西高東低、多少の冬の嵐でもできる事が多いと踏んでの釣りだった。 釣りの内容は、誌面で語るので、ここで述べるのは控えたい。 ただ、釣行では何かが起こるか判らない、そんな触れる事の少ない、ドタバタの部分を切り取り、塞いだ口から漏らすことにする（オイラはおしゃべりだからね～）。 2日目、朝からの出船、大しけの中なので、沖のポイントは限られる。同じポイントの2～3か所をグルグル回る、そんなジギングだ。それでも、ポツポツと魚を拾い、冬季のジギングとしては上々。 昨日は少々、船酔い気味だった親方とサントス。 今日も大波だが、少しは馴れたか？動きはマズマズのようだ。 「うぉ～い、親方、気分はどうだ」 「パパ～、上々です。魚も釣れたし～」 「サントス、少し渋って来たけど、ここらで一緒に遊ぼ～」ジギングをする事を促す。  サントスは、釣りが上手い。 僕の取材では、時々食い渋りで竿を出し、何かの間違いで魚を釣ってしまう。 「な～んだ、魚いるじゃないっスか～。フンフン」 こんな嫌味なセリフで、他アングラーのヒンシュクを買うのが毎度だ。僕には、それが楽しい。 釣りはタイミングで、誰にヒットするかわからない部分もある。 強運なサントスは、そんな時にチョットだけ竿を出して釣ってしまう。 何時か青ヶ島の釣行で、食い渋りになって写真撮りも暇になったとき、ヒトの竿を借りて、25キロ越えのビッグなカンパチを釣り、「ひっひっひっ、疲れたわ～」、とのたまって大ヒンシュクだった。 他にも多くの取材で、アングラーを尻目に、そんなフザケタ真似をする。 ロッドを持つと、我を忘れてムキになる。それは、釣り好きの誰もが持つ本性だが、息子ぐらい離れた年齢だけに、そんなガキっぽい性分が僕には好ましい。 そして今回も、親方からの借り物のロッド振り、120メートルの水深、着底もままならない状況で、それが起こった。 私が、気が付いた時には、既にロッドは海面に突き刺さり、本人は必死の形相。 まあ、もともと釣りのキャリアもあり、手慣れたやり取り。 それでも、ギャ～ギャ～言いながら浮き上がってきたのは巨大なヒラマサだ。 「お～お、タモに入らないね～」 潤航丸船長の純ちゃんは、慣れた手つきでギャフに替えて手にする。 「22キロぐらいあるぞ～」ガシっとギャフを入れ、一気に引き上げた・・・。 ところが、ところが、上手の手から水が漏れた。 上まで持ち上げたつもりの魚が長すぎた。 その長い尾鰭が、船べりを叩き、巨大ヒラマサは海側にドボン。 ありゃありゃありゃ、みなの溜め息をよそにラインをちぎって海中へ沈んでいく。  あ～あ、涙、涙、涙。　奴には、これまでで最大魚のヒラマサか～～。 サントスは「ク～～、う、う、う」暫くは放心状態。 でも、こんな事があっても、船代を決してオマケする事の無い潤航丸船長（笑）。  まあ、誌面には書けない、こんな裏話でした。  でも、僕には相当に愉快な釣行だ。 読者みなさん、こんな裏話があった事を心の隅に置いて、ソルトワールド3月号、僕の連載を楽しみにして欲しい。   

  2017.01.15

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  寒い日が続く。コーヒーを飲みながら自問。

  寒い日が続く。でも、今年は暖かい方だ。エルニーニョ現象からくるものらしい。なんにでも原因があるのだ。家内の肩こりは尋常ではない。こんな寒い時は特にひどい頭痛も伴えば、吐き気も酷い。もう何十年も続いている。でも、どんな医者に聞いても原因が曖昧。結局のところ、最終的には「ストレス」が原因という事で落ち着く？。ところが、どうも、この「ストレス」という言葉が良く判らない。先日、口唇ヘルペスを発症した。先生曰く「まあ、原因は多くある。でも、疲れが多いね～。一番はストレスから来る」。よく判らない。タバコを止めた友人が、2年経ってまた吸いだしたせっかく止めたのだから、そのままやめる事が出来たろうに。本人曰く、止めた時から、そのストレスで胃炎がひどかったという。何年か前に、ピロリ菌の駆除をした。その前までは、良く胃が痛んだ。たばこの吸い過ぎの時は、特に痛んだ。必ず言われたのは「ストレス性の胃炎」。でもピロリ菌を除いてから、胃が傷んだ経験がない。同じストレス性胃炎でも、違うらしい。何処が違うか？何とも胃炎（ああ、親父ギャグですみません）そう言えば、若い頃、病気しても、ストレスなんて言われたことがない。いや、そんな言葉がなかったかもしれない。昔は、社会問題化しなかっただけだろうか？。イジメ、児童虐待、悲しい社会の事件だが、昔は少なかった？、いや社会問題化されなかっただけ？。セクハラ、モラハラ、マタハラ、昔は聴いたこともない。胃の痛さに解放された私は、酒量が増えた。でも、最近は血圧が高めである。女房殿には「酒を止めたら下がるわよ～、一日ぐらい休めば～」「朝、具合が悪くても、夜には調子が良くなって呑むのだから」こんな嫌味を言われる。ああ、そんな言葉、ストレスになる。

  2016.01.10

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• マグロの話をもう少し

  前回、マグロの話が圧倒的なヒット数だったので（でも、今回は退屈な話？）。まず、太平洋のマグロの主な繁殖地だが、日本近海にもやってくるキハダマグロやメバチマグロは、主に赤道近くの熱帯地域で繁殖するが、クロマグロは（太平洋クロマグロ）太平洋を横断し北米まで回遊し、その後、戻って日本近海（台湾と東シナ海の一部から、沖縄、対馬海峡を含む九州）で繁殖する。更にキハダマグロやメバチマグロは、日本海には回遊しないが、クロマグロは総体的に日本海を北上する方が多い。マグロ類が捕食するエサは、主に、イカ、イワシ、サバ、サンマ、カツオなどだ。そして、一歳で50センチ～60センチ（4キロ）、3歳で100センチ～120センチ20キロ～30キロ。10歳ではおよそ2メートル、120～200キロ。繁殖は、およそ4歳頃から（キハダやメバチで20～30キロ、クロマグロでは40キロから）。そして寿命は20年ほどと言われる。では、このことを踏まえたうえで、現状の遊漁やレジャーを含めた漁獲状況を考えてみよう。先日だが、私が委員を務める東京都の海面利用協議会で、伊豆七島の漁協組合長さんから、一般的な遊漁でのマグロ漁獲とサイズに対しての質問があった（遊漁のマグロ漁獲に対する懸念である）。これは水産庁にも遊漁のデータはないので、数字の把握は想像でしかない。ただ、100キロ以上マグロが釣れた場合は大騒ぎになるが、10キロ～50キロサイズの漁獲量は、写真として見ることは多いが、数を把握するのは難しい。ただ、八丈島あたりでも年間で500キロ未満。相模湾で釣れるといっても、何十トンという数字ではないだろう。全国規模で考えてもおおよその数字は想像できるが,数十トンであろう。ただ、少ないとはいっても、遊漁のデータの掌握は、今後は必要になって来るだろうか。遊漁は、主にマグロの場合は泳がせ釣り、それからルアーのキャスティングゲームだろうか。場所によってはコマセをまいて、オキアミなどを付けエサにする場合もある。これは、まあ2～5キロのマグロを狙う場合もあるが、通常では狙うサイズは10キロ～100キロであろうか。稀に、200キロサイズが釣れ上がることもあるが数年間で1～2本という数だろう。そう考えると、数多く釣りあげられているマグロは10キロ～30キロという事になるだろうか？そう考えると、遊漁の場合は、殆どは繁殖機能（能力）を持つ以前か、ようやく機能を備えた、人間でいうと少年から青年の、成長期という事になる（ただ、常識的に考えて、10キロ～30キロのマグロと言っても、十分に夢の大物だ。想像と夢をめぐらせ、思考、試行を繰り返し釣りあげた大物だろうか。ただ、それを稚魚呼ばわりし、リーリースを強制することなど、私にはとても出来ない）。ここで、我が国の漁業総水揚げ量だが、H23年では382万3千100トン（概算総数）と言われるが、その内、大中巻き網船の漁獲量が123万3千700トンで実のわが国の漁業漁獲量の34.2％、海面漁業の総漁獲金額でも16％と、まさに日本の漁業の基幹漁業になっているのだ。では、そのマグロ漁だが一般的な漁法を述べてみる。延縄漁法日本で開発された漁法で、ブイで浮かした幹縄に針のついた枝縄を40～50メートル間隔で付ける。針数は2000～3000なので、その長さは10キロから100キロメートル。大量のエサと網の重さが数百トンになる。一本釣り漁法古い歴史をもつ漁法で、長さ4～6メートルのアウトリガー式の竿を使って、漁船から釣り上げます。自動で糸を巻き上げる機械と、人間の手を使って、100キロ以上もあるマグロを引き上げる。大型のマグロになると、一匹釣り上げるのに、1～2時間もかかることがある。生き餌漁法生きたイワシ、アジ、カツオやイナダなど泳がせ、釣りあげます。巻き上げ機で巻き上げ、電気ショッカーを使い1時間ほどで釣りあげる漁法。巻き網漁法巻き網漁は、網を絞り込んだ後、船上に引き上げます。狭めてゆく網の中でマグロが暴れたり、網の中のマグロの重みでマグロ自体が押しつぶされたりするため、マグロが傷つきやすく、単価的には他の漁法に比べて安い。しかし、日本近海では小型のクロマグロをこの巻き網漁で漁獲し、メジという呼び名で、刺身用に販売されます。メジは、小型のため脂ののりが悪く、価格も比較的安いですが近年はマグロの高騰からマーケットなどで販売され、盛んに消費されるようになりました。また、巻き網漁は、蓄養用のマグロを獲る漁法としても使われる。巻き網で漁獲したマグロは船上に引き上げず、海中で曳航用の生け簀に移し、沿岸の生け簀まで曳航します。以上のことからも、巻網漁法は、漁獲の方法としては効率がよく、一度に大量のマグロを獲ることが出来る。しかし、これが乱獲どころか、獲る必要のない、他の魚や生物も一網打尽にしてしまうため、枯渇につながると云う意見が多くなるのも当然だろう。まず、僕が言いたいのは、先に書いたマグロの規制問題は、ＷＣＰＦＣ北小委員会でのマグロ枯渇の懸念。これを受けて、（1）未成魚漁獲の抑制・削減、（2）親魚資源量の資源変動が中長期的 （5～10年）に適切な範囲に維持され、かつ過去の最低水準以上を保つ、という２点を管理目標とすることになったのです。だんだん、小難しい話になってしまったが、言いたいのはやはり、どう考えても巻き網船が枯渇の因であることは疑う余地もないという事だろう（温暖化などの自然環境の変化は別次元と考えて）。この漁法が国の補助金の元に、数多くの大型船が建造され、長年行われて来たことは、明らかに漁業行政の失政なのだろうか。そして、この後の大きな問題は、先に記したように、この大型巻き網船だが、近年は、韓国、中国の、日本のレベルを遥かに超えた大型船で、クロマグロの産卵場所である東シナ海から対馬海峡などで操業される。さらには中国の大型船などはキハダマグロやカツオの産卵場所である赤道近くの海域から、広くミクロネシアまで大規模な操業をしていて、今や日本の漁獲量の数倍と言われているのだ。日本では、遅きに失するという意見もあるが、ようやく大中型まき網漁業の休漁検討もされるというが、いまだに具体的な話はない。まして。世界規模の話になると、もはや2009年の会議でも韓国は規制に反対であり、中国は出席していない。要するに、今や漁獲量の大半を占める、中国、台湾、韓国は規制に対しては全く非協力的であり、その全く足並みがそろっていないのだ。ああ、この先も混沌とした状況が続くわけだが、かといって我々アングラーは他人事として考えるわけにいかないのが、このマグロの枯渇問題だろうか。

  2015.02.25

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  チョイとした夏の出来事『デジャブー』

  何しろ忘れっぽい私である。それは子供の頃からで、学校帰りに夢中になって遊び呆けると、必ずカバンや運動靴や上着など、何か忘れて来たことに後で気がつく。それが常であった。あれは小学3年生頃だと思う。中学生の兄と近所の子供達数人で近くの川に潜り、魚を捕っていた（小さい手作り銛で小魚を突いていたと思う）。その中で一番小さかった私は、みんなの衣類を預かり、番をするのが役目である。しかし、自分でも遊びたかったからであろうか、いつか他の小学生と泳ぎに夢中なってしまい、預けられた洋服や靴を何処に置いたか判らなくなってしまう。川に流されてしまったのだろうか？皆で探したのだが、どこを探しても見つけることが出来なかった。何しろ戦後まもなくの貧乏な時代である。母がなけなしの金をはたいて洋服生地を買い、数人の子供達の洋服を縫って弁償した。それは、子供ながらに心が痛んだものである。それから大人になっても、この忘れっぽい性格は消えない。ジャズの演奏家だった頃の話だが、地方公演の際に肝心の楽器を忘れてしまった。そこで、そこの高校にある吹奏学部に頼み込んで、なんとか楽器を貸し出してもらい事なきを得た。しかし今度は、その楽器を返えすのを忘れしまい、東京に持ち帰ってしまった。我が家に帰ってからその事に気がつき、ただひたすら謝って礼状と、お礼の手に入り難い輸入物の楽譜を数冊添え、送り返した記憶がある。それが、更に数十年も経って見た目もジジイになる。気を使わない島暮らしではあるから、とうぜん脳神経全体も老化の一途である。ちょっと出掛ける際にも女房殿に「ウォーイ、眼鏡はどこだ～、カメラは～、フィルムは～、車のキーは～」その度に手を煩わす。「なんで、そんなに忘れっぽいのよ～、そのうち私まで忘れるんじゃないの～、アルツハイマーパパと呼んでやる～」嫌味まで言われる始末だ。先日だが、島の東側、神湊港の近くにある垂戸海岸に友人と遊びに行った。ここは岩場ではあるが潮通しが良く、島の素潜り漁師達がトコブシやテングサ漁をする場所である。暑い日差しの中、友人と私は、其処で泳ぐことにする。ところが、足元のゴツゴツした岩穴に「アナマモリ（アワビの一種）」が幾つも見え、これはチョイとした酒の肴に最高だ。そこで、私は洋服を脱ぎ捨て、この「アナマモリ」獲りに夢中になってしまったのである。気がつくと何時か潮は満ちてしまい、私達の洋服は波に浚われ潮目を漂っている。これには慌てた。洋服はなんとか取り返したが、それは一歩誤るとパンツ一丁で帰るハメになっていた。これでは、子供の頃と同じではないか。それは、遠い昔の淡い思い出だが、今の私には、セピア色にリピートし脳裏を翳める。そして、それは、まるでデジャブーのように蘇ってきた。（昔のコラムの焼き直しです）

  2014.11.13

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  久しぶりな、マグロのお話.

  先日、東京都の海面利用協議会があり、その会議に出席した。会議は名前の通り、漁業者と、遊漁、ダイビング、サーフィンなどマリンレジャーを含めた海のレクレーションとの円滑なルール作りである。会議内容を話す事は憚るが、その中で少しばかり、水産庁からのマグロの捕獲制限の話が出て、一部委員から「捕獲制限が言われる中で、遊漁でのマグロ捕獲のデータ、例えば年間でどのぐらい釣られているものか？」と云う意見（質問）があったので、その事から私なりに水産庁のデータを元に、私見を述べたい。勿論、マグロの捕獲制限が、直ぐに始まるというものではない。ただ、水産庁の発表は、中西部太平洋 まぐろ類委員会（ＷＣＰＦＣ）で、幼魚（重さ３０キロ未満） の漁獲枠を2015年から、過去実績の半分にすることで合意したことを踏まえたものだろうか。確かに、近年では大島近海から、相模湾周辺でのキハダマグロやクロマグロをターゲットにした遊漁が盛んである。他にも沖縄周辺や、四国や和歌山沖、北九州、山口県見島周辺、石川県輪島沖や山形県の飛島、そして青森県の九六島や小泊沖、竜飛沖などなど。マグロの遊漁が盛んな場所は日本中にあるだろう。先に述べた規制の話は、今のところ遊漁が対象になっていないこともあり、其処は職業漁師に言わせれば気になるところだろうか。個人的にも、やはり規制が成されるのであれば、遊漁の漁獲データを調査し、其処にも網をかけるのは一般的な考えだろう。ただ以前だが、水産庁に問い合わせたところでは、巻き網船などはその規制対象にはなってないという。やはり、魚の個体に関係なく網で巻いてしまう、巻き網漁が規制対象から外れている事には、大きな違和感もある。その事を水産課の方に聞いたところ、2015年からの漁獲枠の制限から、巻き網船も対象になると云う話なのだ。マグロの資源減少の話では、以前、北九州、山口県などの漁協からの話で、狭くて浅い対馬海峡から壱岐海域から山陰沖は時期では必ずマグロが通過する海域であり、そこに網目規制が無い巻き網船が入る事で、1～2年の幼魚である3～5キロのヨコワ（産卵能力を持たない）も構わず網ですくい取ってしまい、それが近年の漁獲減少に繋がっているのでは？という疑問。また、私の住む八丈島でも、春季のカツオ漁盛期が始まる前、魚の着き始めた6基あるパヤオに巻き網船が入り、パヤオに着く小魚からカツオ、マグロ類まで一網打尽で、その巻き網船が入った後は小魚一匹いない不毛の漁場と化してしまう現状。おそらく、日本全国で同じような話は数多い。勿論、これだけが資源減少の要因ではないが、これだけ問題視されていた漁法が規制から外れていた訳で、今回の規制も、それは遅きに失した感もあったろうか。ただ、ここでマグロの漁業規制が、2015年からの制限で合意したと言っても、これで資源の減少に歯止めがかかるかと云うと、まだまだ気の遠くなる先の話だ。まず考えなければいけないのは、マグロの資源は、マグロ漁そのものだけではなく、そのエサとなるイワシ、サバ、イカ、カツオの資源と大きくリンクする。まして太平洋のマグロは、赤道付近にある島嶼国の漁業と大きく関わりを持つ。そこで、此処で日本の大型巻き網船の規模と数を考えて見よう。水産庁は「漁業構造改革」「大中巻き網船の合理化」と称して、各地の漁民が乱獲を促進するとして反対しているにもかかわらず、現在135トンを上限としている大中型巻き網船を200トンとか300トンに大型化する事業に補助金を交付し、促進した経緯がある。しかし、その後は隻数を35隻にとどめ抑制しているのが現状のようだ。しかし世界の現状はまるで違う。その太平洋上の島嶼国、パプアニューギニアやバヌアツやマーシャルなどと漁業交渉し、そこを船籍とした台湾・華僑資本の大型巻網漁船は大幅に席数を増やしている。そして、アメリカが持っていた南太平洋で操業の隻数枠も買い取り、現在、この数十年で数倍増する勢いだ。更に、2000年まで巻網船を持っていなかった中国が、その後、台湾などの古い船を輸入して中国籍として巻網操業を開始し、その中国船団や韓国の巻き網船を加えると100隻近い船がこの海域を操業していることになる。これは、今まで貧しかった島嶼国の産業振興にはなるのだが、その国のEEZ（排他的経済水域）だけではなく、その海域の公海での操業が大規模に行われると云う事だ。そして、これらの大型船は日本の200トンや300トンの巻き網船に比べて1200トンから2000トンと云う驚くべき大型である。これは、一隻当たり年間で7000トン型10000トンの漁獲であるから、それは想像すると気が遠くなる数字の漁獲量だ。更に更に、この中西部太平洋 まぐろ類委員会（ＷＣＰＦＣ）では、韓国は規制対象にはなっておらず、他にも主要参加国委員の欠席があったり、虫食い状態で足並みはそろっていない。その上、アメリカや欧州がメバチマグロの規制に同意していないので、その規制効果は大いに疑問があるだろうか。もっとも、足並みの揃わない背景に、中国内陸や欧州のカツオ、ツナの缶詰の需要が大幅に伸びている事がある（欧米や中国は生魚より缶詰の需要が大きい）。それに、マグロ、カツオ以外の小魚までの乱獲は、ペットブームによる猫缶などの需要が大幅に増えたこと、更に大西洋や地中海のマグロ養殖に使う、大量のミンチ需要なのだ。要するに、これらの乱獲には世界的な食品流通の進化があり、其処には日本の商社、欧米の商社、中国華僑など世界各国の資本におけるワールドワイドな商業主義を垣間見る事が出来る。しかし、こう云った事を考えると、このマグロ問題は、遙か彼方の遠い世界のようにも思え、我々釣り人の「年に1～2本の近海マグロを釣りた～い」、そんな小市民的願望は、如何にササヤカなものだろうか。しかし、遊漁の釣りも、この大事な地球環境には、多かれ少なかれ負荷をかけている。その辺りはレジャーとは云え、大いに配慮が要ることで、その辺りはアングラーの間でも啓蒙していかなければならないだろう。マグロ釣りのステータスは高い。だからと言って、釣りの頂点が其処にある訳では無い。どんな釣りでも、其々に楽しさがあって、それは自然の中の遊びだ。高々の釣りではあるが、されど多くの思慮、配慮が欠かせないのも釣りだ。

  2014.11.01

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  私のマグロ釣り2

  今回はマグロ釣りでも、チョイ難しい資源と漁業規制の話。ただ、前回もちょこっと述べたが、もう少し、私のイズムみたいなことを述べたい。マグロが、その種類も多く、世界中に、そのフィールドがある。しかし、日本国内で見ると、大型マグロをターゲットにした場合は、フィールドに限りがあるだろうか。一般的に言われる、本マグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウ（ビンナガ）マグロ、など。それは種類によって、世界中に分布する（大よそ皆さんの知識にあるでしょうか）。先に水産庁は、太平洋クロマグロの取りすぎを防止する新たな規制案を発表した。日本沿岸での幼魚（30キロ未満）に来年から地域別の漁獲枠を設定。枠の上限に近づくと、注意報や警報を出して漁業者に注意を促すというものだ。それは、太平洋クロマグロの資源量は年々減り、2012年には過去最低に近い水準となったからだ。水産庁は今春、資源量が順調に増えていくために必要な水準として、幼魚（30キロ未満）の漁獲量を年4007トンと云う、良く判らない半端な数値を目標に決めた。それは、過去数年の年間平均漁獲量の約半分にあたる。それは、幼魚と産卵親魚を獲りまくれば、資源が崩壊するのは、誰にだって判ることだ。問題なのは、こうした問題の多い漁獲が、規制もされずに、野放しにされた事と、その不公平さにもある。例えば、マグロ漁としての定置網漁、遊漁も、国の規制対象ではないので、獲る事は出来るのだが、大型巻き網漁も対象項目が「その他」になっていて規制対象外なのだ。それは、マグロの漁獲量としては圧倒的な水揚げであるにかかわらず、この大型巻き網漁はマグロの規制対象になっていないと云う事だ。ローカルな狭い範囲での、零細な小型船のマグロ漁や、マグロ漁獲量の中では全く微々たる、釣り人の楽しみ、遊漁のマグロ漁獲。それ等も、何の規制がされない大型まき網漁と全く同列に扱われてている。これは、普通に考えてると、全く不公平で、あり得ない話だ。水産庁は常々、「日本では漁業者が自主的な取り組みで資源管理をしているので、国が規制をする必要がない」と言っているのだが、県をまたいで回遊する魚種については、漁業者がまとまって話し合う場すら無いのだから、自主管理など出来るはずが無いだろう。さらに、このマグロ規制は、企業側に立つ学者と環境学者との間に、大きな食い違いもある。例えばIOCATの科学委員会によれば「５歳以上で産卵が可能な親魚は８万トン（約100万尾）程度」絶滅危惧種指定には根拠が薄いと言っている。国の研究機関の学者、企業の支援を受けている学者、その立場で、まるで違う意見になるのだ。そして、将来的には、国は産卵からの蓄養に力を入れると言う。しかし、環境を杞憂するあまり、幼魚や抱卵魚の漁獲止め、技術革新し、卵や幼魚からの蓄養飼育をした場合でも、60キロのマグロを育てる為には1トン以上の魚粉が使われる。その飼料は大量の漁獲によって賄わなければならないので、結局は、資源破壊はさらに進むと言う論説もあるのだ。長々と、難しい問題を述べたが、私の言いたい事は、この抱卵マグロと30キロ未満のマグロの、漁獲規制は、まだまだ多くの問題点を残し、制度として不公平性さはいなめない。そして、漁業者、遊漁者に浸透するには、気が遠くなるほど時間が掛かると云う事だ。（このマグロ好きの国民ですぞ）。ただ、此処からは、全くの私見だが、マグロに限らず、海洋資源の減少は確かである。それは、食料として、美味しいと言って漁獲されれば限りある資源の中で、そう云った魚が減少していくのは常だろう。まして、野菜や果物のように栽培されたり、牛、豚、鳥のように蓄養技術が進んでいる訳ではない。だからこそ、自然環境の中に生きる人間としては、例え微々たるものであっても、その資源保護に目を向け、配慮する気持ちを持たなければならない。そして、マグロ釣り好きのアングラーは、マグロのキャッチ＆リリースだろう。ただ、そのキャッチ＆リリースするためには、その技術も要る。何十年と云う将来、その先を見据えた場合、マグロを求めるアングラーであれば、率先して、その技術を習得し、学ばなければならないと云う事になるのだ。ただ、こう云った海洋資源など環境関係の話をすると、私の場合は、建前と本音の線引き出来ず、誠に情けない。それは、尻に蒙古斑のある頃から魚を食べる事に馴染んだ訳で、節操がないほどは持ち帰らないが、魚中心の日本食文化に育った人間として、美味しい魚は少々でも頂きたいと思うのだ。ガイド商売をしているので、お客さんが釣った魚が、それは見るに忍びない小型魚でも、その人が喜び、食べたいと言えば、丁寧に処理をして持ち帰らせる。まして、初めて釣った20キロのマグロ、これを高飛車にリリースと諭すのは、それは心が無いような気がする。キャッチ＆リリースが心の中に大きくあったとしても、実際にそれをやり通すことは、相当に難しいのだ。同様に、著名な釣り人、著名な環境団体に所属するアングラーであっても、よほどの魚嫌いでない限りは、私同様に、魚のキャッチ＆リリースに関して、本音と建前を使い分けていると言ったらお叱りを受けるだろうか（全てではないが）。マグロやウナギのように、資源問題などメディアを騒がす魚以外にも、例えば、カワハギは、真鯛は、ヒラメは、マゴチは、ショウサイフグは、など、など。キャッチ＆リリースは勿論だが、尾数制限すら難しいのが実情だろう。大事なのは、確実に海洋資源は縮小しているという、事実を認識することであり、それに対しての気遣いする心を持つことであろうか。さらに、さらに、余談。わたしは、心優しい釣りをしたい。確かに、レジャーの中でも、相当に環境負荷の多いのが釣りである。其処で、私が心がけているのは。美味しい魚を頂くのであれば、大事に丁寧に持ち帰る。それ以外は、自慢げに魚を並べるのではなく、どんな雑魚でも丁寧に生かして帰す。持ち帰るのは、家族や仲間の胃袋分だけ。対価は、あくまでも釣りを楽しむことに。レジャーの釣りで魚の換金しない。リリースは手早く確実に生きるように、ベタベタ触ったり乱暴に扱ってはならない。以上である。魚の扱いを見れば、その人の心の優しさが判るような気がする。マグロの資源保護の問題から、話は飛んでしまったが、キャッチ＆リリースは重要なことだ。しかし、建前論よりも、海に対して、魚に対して、人に対して、優しい心を持ちたい。

  2014.09.01

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  新しい連載が始まった。

  ソルトワールド誌に新連載が始まった。「パパ大津留のKeep On！！」少々、照れる。多くの釣り雑誌にお世話になっているが、特にこのソルトワールド誌は、創刊からの付き合いで1998年7月のVOL.2では、トラック島「チューク」でのジギングで、早速表紙を飾らせて頂いた。まだ40代後半だったろうか（何しろ20年以上昔の話だ）当時のオヤジアングラーとしては、珍しく2段のピアスをした写真が印象的とカメラマン氏に言われた。しかし、照れる、と言えば、その頃の取材は、殆どが私の自前カメラマンで、そして、例え編集部からの依頼であっても、自画自賛的な原稿も多かった。ただ、この数年は私の釣行と言うと、殆どが編集部からのカメラマン、ライター氏が同行する。最近は、大川直氏と同行することが多いだろうか。彼は、カメラマンの技術もさることながら、文章も上手い。物事をとらえる視点が的確なので安心だろう。そんな私も、最近は釣りのスタイルと言うより、自然に向き合うスタンスのようなものが、少々変わってきた。元々、釣り技的なものに対して、それ程のテクニックは持ち合わせていない。ただただ、不器用ながら、休みなくやり続けるのが私の釣りだ。40代から50代の、まだまだ若造だった頃は、けっこう見栄を張った釣りだったかも知れないが、さすがに今は、多少だが肩の力が抜けている。現在、テスターを務めさせて頂いている、グローブライド（ダイワ）、バリバス、パームス、ネーチャーボーイズ、スタジオオーシャンマーク。他にもたくさんのメーカーさんの好意を頂く。しかし、もう70歳になる。若く、生きの良いテスターさんのように、ビッグフィッシュを抱え、派手なアクションしたり、沢山の魚を並べ、技術論を語るのは、もう似合わない（そんなに釣れない）。そして、「釣れない釣りを嫌がらない」がモットーの私だから、「求める魚は、数年に1尾で良い」そんな自分の生き様を伝える誌面になるので、それだけに、応援を頂くメーカーさんに対しては、心苦しい内容になるだろうか。ただ、自然から頂く「感動」、釣りの喜びは、けっして、魚のサイズだけではない、数を釣ることではない。心を込める事で、釣れない釣りの中にも感動があり、大きな喜びがあることを、そして、老いたローカルアングラーであっても、見栄えの悪い釣りをしても、懸命にやり続ける事で、何かを感じて頂ければ良いと思っている。そんな気持ちからの、新連載のスタートなのだ。連載一回目の雑誌が届き、少々感傷的に、大昔の本を引っ張り出し、誌面を捲ってみた。10年ひと昔、20年は大昔だろうか。道具の進化、技術の進化、多くのものが変ったようにも見えるが、釣りから受ける、感動、喜びは、昔とは変わらない気がした。下の誌面はVOL.10だったろうか。この取材で活躍したのが、今は懐かしい、リョウビのスピニングリール『サファリ』。今だに健在なリールである。

  2014.07.18

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  ビンロウジュの幻影

  私の住む八丈島は、それは自然豊かな島である。島には、南の島らしい植物が数多く生えていて、それは熔岩質の岩が浸食されたた海岸と相まって、美しい景観を作り出している。何処の島でもそうだが、島嶼の振興事業などから、道路などの拡張工事や造成工事が多い。勿論、多くの島民が、土木工事、造成工事に支えられているのだから、それが都民の税金、国民の税金であることを考えると、大いに感謝しなければならない。造成工事の中には、道路脇にある余剰地を、小さな公園に整備し、観光客の為に綺麗な公衆トイレなどが作られる。其処にはコンクリートで囲いをし、ハイビスカスや椰子の木が植えられる。それは、潤いの場としての意味は大きいが、観光客のあまり来ない場所だったり、観光バスの停留所でもない所にまで作られると、違和感も持つ人もいる。ただ、そんな空き地が、雑草の生え放題になるよりは、余程に綺麗で見栄えが良いのだから、これも大いに感謝しなければならないだろう。難しい問題は別にして、島が整備され、綺麗なのは気分が良いのだ。島の玄関である八丈島空港から、我が家のある島の東側、底土港までの整備された道路は両側の歩道に切り揃えられたハイビスカスの花壇が続き、そこに10～20メートルごとに椰子の木が植えられている。チョッピリ幾何学的な美しさではあるが、その整然とした緑と灰色がかったアスファルトのコントラストは、造形的な都会の美しさにも似るだろうか？。そこは、島の人たちには絶好のウォーキングやランニングのコースにもなり、人気がある。私も時々はウォーキングを楽しむ。このビロウ椰子は、ソテツと並んで古くから島に移入された植物だ。文献博物学年表によると「寛政3年（1791年）４月、田村元長、鈴木素行が、幕命を奉じて伊豆諸島を巡航し、檳椰子を（ビンロウジュと呼ばれビロウ椰子と推定される）１株を八丈島に植し８月に江戸に帰す」と記述されている。ビンロウジュはミクロネシアやポリネシアなど南の島に多く自生して、その実を噛むと幻影や幻覚を見る。その実に石灰をまぶして木の葉（キンマ）などで巻き噛むと舌先から軽く痺れるのだが、若干習慣性もあり、舌癌になるという話もある。これを常習すると口の中が真っ赤に染め上がることからファイヤーナッツとかビードルナッツとも云われる。パプアニューギニアに行った時に現地の常用している人たちが口を真っ赤にしているのは判るが、通訳に表れた現地駐在の日本人ダイバーが（女性）、これをクチャクチャに噛みながら現れた。話しながら大口を開けて、屈託なく笑う彼女の口が、まるで火焔のように真っ赤なのには、まるで日本人とは気付かず驚いた。あれは、噛む習慣を続けると数ヶ月で口が赤く染まり、歯磨き程度では全く落ちないらしい。そして、彼らには（彼女にも？）果物や食べ物と同じように欠かせない木の実であるらしく、それはジャングルの中に生えていて、決して観賞用の植物ではないのだ。島では、街路樹として、整然と植えられるビンロウジュである。業者さんが年に数回、枝を切り揃え掃除をしてきれいにお化粧をする。パプアニューギニアで見た、あの火炎のファイヤーナッツと、同じ椰子の木とは思えない。ん～ん、これもビンロウジュの実の幻影なのかもしれない。追記どうも私の不勉強から、ビロウとビンロウジュと同種と勘違いしたようです。謝、謝。私が、パプアニューギニアやミクロネシアで、あの多くの人たちがぺッ！、ペッ！、ペッ！、やってるのはビンロウジュで、ビロウとは違う種。我が家に6本、背高く伸びてるケンチャ椰子がビンロウジュで、冒頭の写真はビロウで紛らわしいですね。島では、底土港から街に向かっての街路樹として植えられています。小さな実を着けますが、これを噛んでペッ、ペッ、やる気にはなれません(笑)。

  2014.07.10

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  ワールドカップ、選手たちの活躍を見て感じる事。

  サッカー、ワールドカップはいよいよ中盤、そして決勝トーナメントから終盤に入る。サッカー好きを自認する私だから、今回のワールドカップの、予選敗退は、正直悔しい。でも、怒られるかも知れないが、侍ジャパンを応援する以上に、サッカー観戦そのものが大好きであるから、今後の決勝トーナメントも、大いに気になる。観戦を続けるだろう。今回のワールドカップの敗退に、選手、サポーター、其々に違った思いはあると思う。敗戦の後の、選手たちのコメントに、その気持ちが込められていたように思う。選手の殆どは、その少年時代からからサッカーに親しみ、其処からサッカー選手を目指したろう。そして、努力を重ね日本の代表まで上り詰めたのだ。スポーツの種類や、才能などによって、多少の違いはあると思うが、選手を目指す場合の多くは、その努力の大きさ程に結果もでてくるだろうか。彼らの殆どは、その少年期、青年期に、その思いを燃焼させる。これは、スポーツ選手だけではない。芸術や文学、学問、社会における全ての分野にも、ある程度、少年期からの将来を見据えた努力が大きいだろう。それだけに、その研鑽努力が大きければ大きいほど、その結果を求め、また求められるのかも知れない。選手皆さんには、まずは「お疲れさま」と言いたいのだが、それだけに、面白いのはこれからと、個人的な見解を話すのは、あまりにも申し訳ない気もする。ただ、選手皆さんの思いは、私のような感覚ではないだろう。それは試合後の、選手たちの、あの茫然とした姿にも良く表れている。それは、このワールドカップの為に、辛酸努力したものを込めてきたからだ。出場し、力を出し切れなかったと感じる選手。召集されたが、出場できず力を発揮する場も与えられなかった選手。実力が拮抗する中での、召集されなかった、多くのJリーガーたち。思いはそれぞれだが、その中でも選手のコメントには、その悔しさが、大いに滲み出ていた。長谷部は、「キャプテンとして責任を感じている」。長友、「本当に申し訳ない気持ちです。すべての批判を受け止めます。僕はチームの勝利に貢献することができませんでした」。本田「これで終わってしまうとなると悔しいですし、それ以外言葉が浮かばないです」。内田などは、涙ながらで代表引退をほのめかした。スポーツ選手には選手生命がある。そして、それは決して長くはない。選手の中には「これで終わってしまった」という意識が強かったのではないだろうか。ただ、私が言いたいのは、彼らは、まだまだ青年である。人生の中で、確かに花のある選手生活だが、それは人生の中では３分の一、いや４分の一程度だろうか。確かに、夢中になり努力を続け、その燃焼した結果が、ワールドカップと云う節目に表れただろうか。しかし、それが人生の結果ではない。そこまでの間に、多くの人たちの思いや、思惑もあったろうし、そこからが始まりで、それが出発点となっている人もいる。私も、少年期にはスポーツに夢中になっていた。それから青年期には、音楽家として一線を目指した。世界水準で上り詰めている彼らとは、とても比べるべくもないが、今、70歳の声を聴いてなお、まだまだ先を考える自分に、彼らの未来が、とても羨ましく映っている。私は、彼らの20年後、30年後、40年後を見てみたい。

  2014.06.26

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  天変地異

  近年、日本海で色んな深海の生物が上がったとか、カツオが全く不漁だったとか、北海道のオホーツクでブリが釣れたとか、普段、その地域の自然環境に、珍しい出来事が、メディアに大きく取り上げられるようになった。確かに、少しずつだが温暖化傾向なのか？、気温も上昇傾向にあり、海水温も然りのようだ。ただ、私が会員であるCEIS「社団法人・環境情報科学センター」での、学者さんの話などは、メディア程の大げさなものではない。必要以上に騒ぎ立てる事への問題意識の方が強いだろうか。むしろ、もっと長期的な観点からの、それも個別の街作りとか、里山の保全とか、どっかの途上国の森林開発、漁場管理の在り方、そんな個別の事を取り上げデスカッションするので、その論文などを見ると例えばだが「埼玉県におけるクールスポットの効果と住民認知」こんなテーマになる。判り難い話になったが、地道に、細かい事から、長期的視野で、論議されることであって、ワイドショー的に騒がれることではない、と云う事だろうか。そんなことを考えると、確かに環境的に深刻なこと、危惧される問題は世界中にあるのだが、上記した問題は、その時々の気象条件、海流条件、によるところも大きいと云う事になる。確かにカツオの不漁などは、気象条件の他に、近隣国の急速な経済発展から、大型漁船の建造と相まってその大型巻き網船で、日本近海に遡上前のカツオを取られてしまう話など人為的なこともあるだろうか。北海道でのブリ豊漁は、海水温の上昇で見られる傾向だろう。しかし、それを、あまりにも天変地異として、大騒ぎするメディアの方が、社会に対しての影響力を考えると恐ろしいような気もする。今年のカツオの不漁に関しても、八丈島でも、漁師さんたちは、その年々の不漁は言われるが、そのぶん、キンメダイ漁に精を出す（一昨年あたりから、キンメダイが豊漁）。まあ、私のように、単に海に遊ぶ釣り好きから、多少で環境問題に興味を持ち、そこからの聞きかじりの知識で考えると、「美味しいブリが北海道で釣れる？、そりゃ釣りに行きたいワイ」不謹慎かも知れないが、これが本音だ。18世紀にイギリスで始まった「産業革命」そこから、経済発展と共に環境浸食が始まったとされている。しかし人間は、社会が進化すればするほど、その共存に力を尽くしてきた。それは日本の高度成長期も然り、そして今、途上国、特に大きな人口を抱える中国やインド、そしてブラジルや、今度はアフリカであろうか。人間が豊かになれば成るほど、環境負荷が多くなるのも当然だ。そんな大きな時流を、地球環境のサイクルで捉え、そのなかで、個々が何をできるか？だろう。オイラは、海が好きだ。釣りが好きだ。魚を食べる事も大好きだ。毎日のように海を眺め、釣りをする。その中で、自分のできる事をすれば良い。自然に、気使いする心があれば良い。

  2014.05.06

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  顔

  クリスマス島で、ボロボロになった顔。焼けただれた唇に薬を塗りながら、鏡に映った自分の顔を眺める。そりゃ酷いものだ。しかし、僕の好きな南の島。たとえば、パプアニューギニアなどに行った時でも、何時でもこうなる。まあ、北国出身の上、人一倍にメラニン色素が薄い体質だろうか。昔の雑誌だが、ヘミングウェイが、やはり南の島、キューバあたりで、釣りをしている写真があった。此処まで酷くないだろうが、やはり白人である彼の、赤く焼けている肌が想像できた。しかし、それは、あの白髪頭、白いひげ、デップリとせり出した腹。どれを取ったって、格好の良いものには見えないが、その年輪が刻み込まれた生活感が、顔に出ているような気がする。易学は、相は顔にある。生きた軌跡は顔に出て、未来は手に出ると言う。そう考えると、人の相は顔に現れ、その人の顔を見ると、その人の生き様が判ると云う事だろうか。そういや、昔はピチピチ肌の胸がボインとか、目が切れ長で、ウェストがキュッと締まった娘とかに目が行った。美人にヤニさがるのは若造だろうか。しかし、数年目から、美人に感じる思いが変わってきた。この年だから、世の女子を、色、恋の目線で見なくなったからだろう。例えばジャズピアニストの秋吉敏子さんとか、クラシックピアノ奏者のフジコ・ヘミングなんてのが、妙に美しく見えてしまう。これも、彼女たちの生き様なのだろうか、人生の刻み込まれた皴の魅力だろう。最近、釣りガールなんて女子の釣りが盛んだ。皆さん、それぞれに釣りが上手いし、魅力的だ。しかし、ケバイ格好で釣りしたりするのは・・・？、クイスチョンマークを付けてしまう私だ。釣りすりゃ日焼けする。伸びて飾った爪は割れるし、化粧だって剥がれる。美しく着飾る女子は嫌いじゃないが、釣りの時までフェロモン満載は、何をやろうとしてるのか判らない。その点、児島玲子ちゃんなんてのは立派だ。彼女の日焼けした肌、顔のシミ、皴、とっても魅力的に感じると言ったら彼女のファン、いや彼女には失礼だろか。ミュージシャンだった私だ、その頃は不健康で夜に徘徊するような生活である。そんな中で、自由気ままな生活ながら、唯一、健康的な遊びと云えば釣りだった訳である。そんな日に当たらない、ハウス物のウドやモヤシのような生活が、偶の釣りなのだから、その頃から皮膚には過酷だった。ただ、好きなモノにはトコトン打ち込む性格である。我を忘れるほど懸命に打ち込むのだから、そんな性格が、顔や体の皮膚を傷めつけ、それが皴と一緒に刻み込まれたろうか。そんな事ばかり繰り返してきた。先日、この酷い顔で、誕生日のジャズライブをやる。皆さんに、69歳の誕生日のお祝いをして頂く。記念写真でも、そりゃ酷い顔だった。いま、鏡を見ながら唇の治療をする。ああ、こうやって私の生き様も、顔に刻み込まれていくのだろうか。

  2014.03.07

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  似合う、溶け込む、自然な形

  我が家のエントランスに、アンブレラツリー（ガジュマルの一種）と言われる木がある。この木は、私が島に住んで2年目、無我夢中でペンションなるものを始め、バタバタ状態から、ようやく落ち着いた頃に植えたものだ。それから22年、最初は2メートルほどだった木が、今は5メートル以上あるだろうか？、我が家でも一番に風格のある木に育った。この木は、何でもバリ島にではBeringin（風の樹？）と呼ばれ、聖なる木であること。また琉球に住むキムジナー（沖縄地方伝説の精霊とも妖怪とも）もこの樹に住んでいると、生物学や自然科学に造詣の深い、島の美人議員さんでもある、岩崎さんに教えて頂いた。確かに、成長が早いせいもあるだろうが、根を四方八方に這わせ、ガジュマル独特の幾重にも幹を絡ませた、その重厚な姿は、不思議な魅力にあふれている。24年前、私がパパズインを始めた頃は、エントランス入口をハイビスカスの垣根で作り、背の高いケンチャ椰子を6本、建物の壁沿いにはフェニックスを配した。入り口には幹の太いデイゴ植え、南国風の庭にし。多くの種類の木や花を植えた。しかし、木や花は自然に即した育ち方をする。それは、島での位置、その場所の日差しや風、建物による日差しの受け方。場所、地形、建物、それらによって出来る風の通り道。これらが複雑にかみ合って、その生息条件を作り出す。そして、それが二十数年の歴史の中から、ようやく場所に応じた生きざまを見せ、その景色に溶け込んだ姿を映し出す。まさに、アンブレラツリーは、その中心にいて重厚な輝きをみせているのだ。最初、パパズインを立ち上げ時は、その客室とレストランはピンク。レストラン上の住居は淡いブルー。それは、当時では目立つ色だったので、この島の自然には、そぐわないと言われたこともあった。更に、島の自然の中で、そのあでやかな色を保つためには、毎年のメンテナンス、色の塗り替えなど、やるべきことが多い。しかし、24年間の年数は、確実にそれら一つ一つが、そんな建物のカラーと相まって、パパズインの景色を作り出し欠かすことのできない存在になっている。あでやかな建物のカラー、エントランス入口の太い幹をくねらせたデイゴ。その下に枝を広げるローズマリー。20種を超えるハイビスカス。6本のケンチャ椰子。百日紅や月下美人、プルメイリア、そして幹を太くし、枝を広げた、このアンブレラツリー。どれをとっても、その年月から、この場所には欠かすことのできない、そんな存在感を見せているのだ。やはり、勢いよく伸びる若木は魅力がある。しかし、何年もの歴史が作り出す、その木々の造形は、人工の建造物を超越し、その場所には無くてはならない景色。24年経った今、建造物を含め我が家の木々や花は、どれ一つとっても、パパズインには欠かせないのかも知れない。歴史的な建造物には、もちろん程遠い高々の我が家だ。それでも、年数が経つごとに落ち着いた感じがしてくる。やはり、長い時間が、その場所に、溶け込ませ、似合い、自然な形に成っていく。話は変わるが、女房殿とは40年の付き合いだ。その結婚生活は、風が吹き、ひどい雨嵐もあったろう。もっとも、他人同士から始まった夫婦なのだから、ああだ、こうだと、紆余曲折の40年、時間がかかるのは当たり前だろう。しかし、その年月を経て、何かようやく、他人から見られる、体裁が出来て来たろうか。もしかして我が家の夫婦関係も、我が家の建物や、木々、花々と同じように多くの風雪に揉まれる程、そのうちバランスがとれ、見栄えが良くなるだろう（笑）。

  2014.02.15

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  台風26号を振り返って。

  台風26号は、東海、関東に大きな爪痕を残した。広範囲に被害をもたらした台風ですが、特に進路にあたる大島や千葉の被害は深刻だったようです。私は、フェイスブック上などで、こう云った台風情報をできるだけ発信するようにしています。海外の気象情報サイト、気象予報を発信する多くのウェブサイトやHP、気象予報士のブログまで、私の知る限りの得るように努力をします。私は、拙いキャリアですが、長年海に関わり、その中で、釣りだけではない多くの知識を得てきたつもりです。それは自然に対しての向き方であり、その楽しさ、優しさ、美しさ、そして怖さ。それに対する畏怖だろうか。私は臆病です。自分の釣りに関しても、すこぶる臆病であり、用心深い。それでも、過去に波に浚われたり、危ない目にあったことも数回ある。反省も。限りなく多い。成人になってから本格的に釣りを始めて48年、この島に住んで21年になるのだが、その間にたガイド業として実績を積み、その自覚も、十分しているつもりだが・・・。そんな仕事柄での台風情報なのだが、勿論、外れることもあるので、それは無責任かもしれない。だから、外れた場合は、FB上で素直に謝ります。米海軍からの情報（海軍のウェブサイトの台風情報）も早いです。気象庁の台風情報より遙かに早いですが、やはり外れることも多く、余中で修正を繰りします（事務的ですが）。しかし、それで良いのではないかと思っている。私の予報はそんな不確かな情報の中でも、早くに備え、災害に出遭う確立を下げるようにするための、そんな私の考えを伝えることと考えているからです。ワイドショー的に怖さを煽り、騒ぎ立てることは絶対に良しとはしないですが、あらゆる注意喚起はあって良いはずです。今回の、特に大島の災害は想像を超えた深刻さでした。考えるに、神戸の地震災害、3/11東北の大震災。みな想像を超えた災害でした。被災され、親族を失ったご家族、親族のお気持ちは察するに余りあります。今回の台風26号では、早くから、その大きさやコース、雨量、時間帯、停電の恐れ、などを気にしていた私なので、誰よりも早く（島の人には笑われる時もある）家の養生をし、飛ぶようなものは片付け、窓には板を打ち、ロープを張って備えた。それでも自分の中では風速50メートル以上吹いたら、これでも持たないだろうか、などと考えを巡らしていました。気象庁の予報が、米海軍の予報より遅めに出るのは、他に多くを危惧した事からであろうか。それは、日本の（気象庁）の気象情報分析が、米軍に劣ってるとは思えないので、それは国のそう云った機関として、マスメディアなどの反響の出方とか、捉え方によっては集団的にパニックを起こす一般社会とか、政治的な反対勢力からの追求など、気がかりな部分も多いからでないかと思っている（個人的見解？）。ただ、災害に対する考えは、個人差はあっても、大人であれば予測し危機管理はするだろうか。しかし、その予防と対策は個人では難しい事も多い。災害が起きると云う事は、確かに、そんな想像をはるかに超えたものだろう。そんな時は、国、地方自治体などの行政が、その警戒情報と災害対策を、オオカミ少年ではないが、大いに騒ぎ立てて良いのではないだろうか。ああ、こんなことを言うと「そんなことは、判ってやってんだヨ～」って、言われそうだね～。写真は、台風が去った後の底土港と屋根が飛んだ知人の家

  2013.10.17

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  私の主義、釣りの主義。

  物事をやるには、誰もがそれぞれの主義があり、主張があるだろう。それは自分流であり、それぞれに違いがあって良いのだろうか。ただ、その主義主張も、明らかに一般からかけ離れるとそれは主張というよりは、勝手になる。落合監督ではないが「オレ流」というのは、あくまでも、ルールに沿った中での考え方であり、それが個性だろう。釣りの場合も、主義主張は良いが、それが自分勝手となればマナー違反にもつながり、それを主義とか個性とは言わないだろう。（判り難い、くどい話で申し訳ない）そして、私にも、大いに釣りの主義主張はあるつもりだ。それは多少、釣りの種類などで違ってくるが、いずれにしても、ジギングなどのルアーフィッシングでは、コダワリになってくる。（一応、プロ意識みたいなものだろう）私が遠征に行く場合。大概は取材が絡むが、まず考えるのは、この釣行で「何キロの魚を釣りたいか？」それが第一になる。例えば、青森にマグロジギングに行く場合、まずは望むのは、潮流の速い竜飛での浅場ジギング。そこでの100キロサイズであるから、その考えでのロッドからルアー、フック、ラインシステム、それに対応できるタックルバランスである。また、今度の6月後半に行く、小笠原母島の釣行では、それは100～200メートル、ディープレンジのジギングで、狙うのは50キロオーバーのカンパチなので、当然、その為のタックルバランスになる。なんで魚のサイズを絞るのか？、というとそれが私の主義だからとしか言いようがない。とにかく「望むサイズの魚以外は欲しがらない」なのだ。確かに、釣りには多くの楽しみがある。大型を釣るのも楽しいし数を釣るのも楽しい。しかし、私の場合は、とにかく不器用なのだ。私の釣りを見られた方は判ると思うが、それは、休まず、ひたすらに投げまくり、動かしまくり、曳きまくる。とにかく、やり続けるというもので、それは、10時間でも、できれば1日中でもだ（笑）。その理由は、誰よりも不器用との自覚から、それをカバーできるのは、長時間やり続けること以外ないと思っているからだ。そんなテクニック不足で下手な私の釣りでも、それなりに結果を出してきたのは、「休まない」「あきらめない」「集中する」それを、持続することに心がけているからで、他にあるとすれば、釣行の回数だけだろう。そして、自分自身を鼓舞する為ではないが、とにかく道具を絞り込む。「えっ！、パパ～、こんだけしか荷物がないの～」そう言われるぐらい、シンプルで少ない。雑念を払い、集中する為に、道具を絞り込むので、ジギングでカンパチを、キャスティングでマグロ、いや深海のオナガダイやクロムツ、GTもあるね～、イソンボも、イカも、メッキも、こんな考えは絶対に持たない。そんなに節操なく色んなものが釣れるほどテクもないし、ダイイチ集中力が途切れる。そりゃ、望む魚の１尾が釣れれば良いのだから、当然、沢山の道具なんかいらない。とにかく、私に近いアングラー達にも言うのだが、大型のチャンスは、そうあるものではない。「あれも釣りたい、これも釣りたい」「大型が釣れなければ、中型でも、いや小型でも」「カンパチが釣れないから、マグロだカツオだ、いやアカハタも」でも、魚はコッチの都合で食ってこない。挙句に、そんな時に限って大型が食ってきて、せっかくの大きなチャンスをラインブレークで潰す。（もしかしたら、驚くほどの魚かも知れない）だから、「切られるくらいなら、食わない方が良い」なのだ。「オイラは太い仕掛けだ～。それでも下手だから切られる時も～、アンタはもっと下手だろうが～！」と言いたくなることもある。勿論、そんな大型魚は簡単には釣れないのだから、10年に一度とか20年に一度、そんな気の長いサイクルで考えている。そして、この考えを他人に押し付ける事は、ぜったいしない。それは、やはりオイラの主義であり、押し付けるものではないからだ。確かにオイラだって、他人が大型を先に釣り、自分が食わなかったら悔しい（下を向きたくなる事も）。さらに、圧倒的に他人より釣らない事もあるのだから・・・、でも、それを変える気持ちもなければ、そこにブレもない。もちろん、お世話になっているメーカーさんの縛りもあるが、でも、それも程よいプレッシャーにもなって、集中力を切らさない因にもなるだろう。今回の小笠原母島もスタジオ・オーシャンマークのブルーヘブンL－120を3台。HIにPE5号、リーダー130ポンド、LOW にPE6号リーダー170ポンドと200ポンド。メタルジグは鉄ジグ・スィムライダーの300～420グラム13本ぐらい。それ以外は、何にも持ち込まない。ああ、撃沈も潔い。でも、この年だし・・・、楽しい釣りを、建前のルールで縛るような事はしたくないし、普段は、色んな魚も、美味しい魚も、少しなら釣りたいよね～。

  2013.06.13

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• パパのショートエッセイ・大言壮語 『釣りと文学』

  釣りと文学1私は子供の頃から釣りには心がときめいた。子供の頃から海や山に出かけ、色んな釣りをした。しかし、私の故郷は北国である。それは吹雪の吹き荒む、長い冬もあるので、四六時中釣りが出来る訳ではない。そんな時は、本を読むのも好きだった。両親が教師だった私の家には、本だけは沢山あった。子供の読む本も『ファーブルの昆虫記』や『シートン動物記』他にも、『トム・ソーヤの冒険』『15少年漂流記』『ロビンソンクルーソー物語』など、本棚にいっぱいの本が並んでいた。そんな冒険小説も、年齢に合わせて読むようになる。高校生あたりになってからは、メルヴェルの『白鯨』やアーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』に夢中になっていた。特に『老人と海』は、本が擦り切れるほどで、それは数え切れないぐらい読み返した。そして、老人が巨大カジキマグロと格闘するシーン。そのカジキを守るために、群がるサメと戦うシーン、それを想像し、夢にまで見るぐらい、心を躍らせた。それが、私の釣りの原点であろうか。釣りと文学2文学者が釣り好きになるのか、釣りが好きだから文学者になれるのか。いずれにしても、釣りの名著が多い。そして、その著者は間違いなく釣り好きであり、イワユル釣り師だけの知る喜びを、類希なる感性を持って文学的に表現しているのだろう。欧米では、アイザック・ウォルトンの『釣魚大全』やヘミングウェイの『老人と海』などがその代表的なものだろうか。和文学では、幸田露伴の『幻談』『太公望』、開高健の『オーパー』『フィッシュオン』、井伏鱒二の『川釣り』『釣師・釣場』であろう。私は、そんな本を旅に持って行く。それは、その作家たちの作品には、常に釣があり旅があるからだ。それは孤独な放浪であり、未知なる土地への憧れや夢である。特に私の好きな開高健は、朝日新聞の臨時特派員として、また平和運動家としてベトナムに従軍を体験した。また、リルケやサルトルを語り、フランスワインとシャンソン愛し、ボーボワールなどの思想家・文学者との精神的な親近感や憧れを持ってパリに住む。そこから育まれた精神が、後に、アラスカ、アマゾン、南北アメリカ大陸縦断、モンゴルといった釣りの旅の原点だったようである。釣りとは本来、孤独なものだろうか。そして一人旅も孤独だ。そんな時に、釣りの本を読む。それが数十回も読んだ本であっても、その土地土地で違ったストーリーに感じる。釣りと文学3釣りの本は沢山ある。現在出版されているものだけで5000冊以上と言われる。古くは江戸元禄時代、津軽採女の『何羨録』から始まると言われるが、10世紀初頭の『続浦島子伝記』から始まって、11世紀後半の『本朝神仙伝』。11世紀末の『扶桑略記』 13世紀初期「『古事談』 の浦島子伝など、浦島太郎伝説に関わるものを釣り関連の著書とすれば、それは気が遠くなるほど昔からあった事になる。しかし、何たって中国三千年の歴史である。その三千年前に太公望（姜呂尚(りょうしょう)）がいた。太公望は、イコール釣り人を指すほど、その言葉は誰もが知っているだろう。そして、その同時代には数々の釣りに関係した詩が残されている。例えば、柳宋元の詠った『江雪』では、＜千山鳥飛ぶこと絶え　万径人蹝滅す孤舟蓑笠翁　独り釣る　寒江の雪＞　なにか、小船にのった老人が、独り釣り糸を垂れているさまが見えるようだ。太公望のことは、幸田露伴に「太公望」の一編にもあるので、そのことからも日本と中国の釣りと文学の関わりが繋がって見える釣りと文学4釣り人は、誰もが道具にこだわる。釣り竿、糸、針、リール、それは、誰よりも大きな魚を釣りたいと云う、飽くなき欲求から来るものだろう。文人で思想家、そして哲学者と、何やら判り難い肩書の岡倉天心だが、明治元年、横浜に生まれている。幼少のころから英語を学び、ヨーロッパ・中国・米国・インドなどへ出かけ、日本文化の紹介につとめた。むしろ、「東洋の理想」「茶の本」を英語で出版し、日本文化を広く紹介したと云った方が判り易いだろうか。彼は、魚釣りが趣味だったらしく、後に外房の五百浦に住み釣り三昧の生活を過ごした。更に、竜王丸という釣り船を設計し、造らせたほど、その釣りに対しての意欲は相当だったらしい。更に、欧州や米国で、いろいろ釣具を買い込んだ形跡もあり、日本国内でも、各地から釣り針などを取り寄せている。竜王丸は櫓で漕ぐような小さい船だが、その安定性能を高めるため、出し入れ自在のキールを研究し、取り付けしまうほど、その入れ込み方は半端ではない。その釣りに対す探求心も旺盛で、船頭を雇い自慢の仕掛けで鯛釣りに出かける。その辺りの漁師よりも、鯛を沢山釣っては喜んでいたと云うから、なんか歴史人も普通の釣りオヤジのような気がする。釣りと文学5岡本天心と同時代の作家に幸田露伴がいる。幸田露伴は、自分の弟子である石井研堂の「釣り師気質」と云う本に序文を書いている。それが、釣り養生訓と言われる「遊漁の説」だ。「魚を釣る人のおのずからニ種あり。その一は利益のためにするの人にして、その一は娯楽のためにするの人なり。利益のためにする人は即ち真の漁夫にして、その魚を釣るやこれを獲りこれを商き以って衣食に代え以って妻子を養わんと欲するなり。娯楽のためにする人は、別に各自の職業を有するの人にして、その魚を釣るや興を感じて以って心神を恰越せしめ、労に服して以って身肢を強固にせんと欲するなり、遊漁者にして漁夫の所為を学ばば、これ品格ある遊漁者とは云うべからざるなりまた、遊戯娯楽はその人の身肢を鍛錬し心神をを恰越せしめて、しかして後、おのずからその人の本来の職業に対する気力を鼓舞振策し意楽を熾盛増進し、その職業上における腐気を排去し精彩を付与するに至って、はじめて遊戯娯楽の真旨に適し妙用を果たせりと言うべし。。まさに、マナーの悪い釣りオヤジに読んで聞かせたい。 露伴にはおびただしい数の釣りエッセイや小説があり、その中で代表されるのが「幻談」であろう。手にしたキセルを竿に見立てて、身振り手振りで語ったものを速記者が書き写した。それが、釣り文学の最高傑作とされている。

  2013.06.09

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  浅い交流、深い絆？。

  北風が強い1月の半ば、玄関の前に一匹の猫が迷い込んで来た。ところが、我が家には、飼い猫のヨモギがいる。そして、野良猫がそのまま我が家の裏に住み着いてしまい、エサをあげているチビとチョビもいる。その他に、餌だけもらいに通ってくるモドキという野良（以前、飼ってたサクラに似ているので、サクラモドキと言ってたのがモドキになった）。そんな中で、この迷い猫は、辺りを見回しビクビクしながら、彼らが残した餌を貪り食っていたのだ。それは薄汚れ、まるでボロ雑巾のような姿なので、女房殿が少しだけ餌を分けてやる。子猫だろうか、ミルクを与えると喉を鳴らし一気飲みした。普段は、どこか草むらに潜んでいるようだが、そのうち、私や女房殿が呼ぶと直ぐに飛んでくるようになる。「パパ～、これは飼われていた猫ヨ～、抱くとこんなにゴロゴロ言うから～」確かに、飼われていたのかも知れないので、とり合図、マーケットや動物病院の掲示板に、「迷い猫を預かっています。茶味がかったグレー、目がブルーで、シャムの血が入っているような子猫です」と書いて貼り付け、申し出を待っていた。しかし、それから1ヶ月経っても、誰も現れない。そして、この子猫は私や女房殿に懐いでいて、飼い犬のコーギー達や飼い猫のヨモギと、特別に問題を起こすふうでもない。そこで、この子猫を「シジミ」と命名し、飼うことにした。更に、ヨモギと仲良く快適に暮らせるよう、巨大な猫タワーをインターネットで購入、その組立に汗を流していた時に、電話があった。「モシモシ、〇〇と申しますが、私んとこの猫がいますか～、そうグレーの混じった茶色の猫です。今から取りに行くので」せっかく、買うことを決心し、更に1月近くも居たわけだから情も移っていたのだが・・・。そして、その飼い主が美人奥様と２人の子供を連れてやってきた。旦那様「すみません、去年の12月に居なくなって。家内や子供が寂しがって、間違いなく私どもの猫、アズキです」（どうも名前はアズキらしい）美人奥様「・・・、ウッウッウッ」子供達「アズキ～、アズキ～」う～む、何とか断るつもりだったが、奥様や子供まで連れてこられると・・・、女房殿「一ヶ月も連絡がなかったので、私が飼うことにしたのに、こんな猫タワーまで買って～。シジミだって身もココロも我が家の・・・、涙涙」私「しょうがない、子供さんがいる事だし・・、美人の奥さんも悲しむだろうから。だけど、御宅とは3キロぐらい離れているのでだから、3ヶ月近く前に居なくなったってことは、野山を怖い思いをしながら、どんだけ苦労してココにたどり着いたのか～、そんなシジミのことも考えてよ～、また我が家に戻るようなことあったら絶対に返さないからね～」涙ながらに、その子猫を返すことにしたのである。それからは、ぽっかりと穴が空いたような日が数日続く。家内などは心配で、その飼い主の家の近くまで見に行き、遠目で覗きながら涙したらしい。やがて、暖かい春になる。島の春は、マラソンの大会、フりージア祭りなど観光イベントが盛り沢山。それは、年度末やカツオ漁の盛期と重なって、我が家は大忙し。さらに、私の「23年の覚睡」、23年ぶりのライブもある。今までの管楽器演奏とは違うジャズボーカルとしての復活だ。それは、このチョットした出来事を忘れるかのように、懸命に打ち込む、そんな忙しさでもあった。そして、忙しい年度末が過ぎて翌4月。そんな2ヶ月も経ってからの出来事である。早起きして、暗いうちにPCの前に座る日課なのだが、我が家のエントランスの前を横切る小さな影を見た。イタチにしては少し白っぽい。裏の野良猫にしては小さい上に、ガラス越しに映った私の影に驚いて逃げたので、別の猫だろうか？。。そして、ふと思い浮かんだのがシジミである。もしかしたら、あのシジミかも知れない。そう思い、エントランスから外に出て、「シジミ～、シジミじゃないか～い」そう言うと、紛れもない、あのシジミが、「ニヤ～、ニャッ、ニャッ、にゃあああぁぁ～～」と草むらの中から出てきたのである。手前勝手な解釈だが、たった10日ぐらいの我が家での生活。それが忘れられず、再び戻ってきたのか。たった10日の交流が、それほどの絆を生んだのだろうか。「パパ～、やはりこの子はここが良いのよ～。嬉しくて涙が出るワ～～。戻ってきたら、返さないと言ってあるのだから～。このまま、ここに置いて良いでしょう」それにしても凄い話かもしれない。3キロも離れたところから、2ヶ月もかかって、ここにたどり着く。そして、連れ戻されたが、また何日もかけて、ここに戻ってきた。私は、心に固く思った。まず先方に話をし、それから、今度は絶対に我が家で飼うことを。。今、シジミは、ミルクを飲み、煮たムロアジを腹いっぱい貪って、猫タワーの天辺で、まるで安堵したように眠っている。何か、ドラマですね～。

  2013.04.08

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  暇になるほど、やる事も多くなる？貧乏性。

  我が家はペンション家業（一応、パパズインは釣り客相手のペンション）だが、この商売は、1月後半から３月間でが暇な時期だ。何しろ、冬の海は荒れることも多い。その上に寒いので、よほどコアな連中じゃないと、家の中で縮こまっているのだろう。てな訳で、週末以外はほとんど暇になるのだ。まあ、この時期、納税申告などで忙しい、経理担当の女房殿は、「貴方は、能天気で良いわね～」と遊んでくれないので、一人で磯釣りに精を出す。しかし今年は、何時もと少々違うだろうか。このブログで述べた、お正月の初夢ではないが、68歳になった今、70歳の復活に向けて準備が忙しい。体力系の釣りの仕事が、あと数年でスローダウンしていくかも知れない、その中で、萎えない気力を再び音楽の方に向けたいと云う野心だ。連日の曲作り。アレンジ。打ち込み作業。島に来て22年。途絶えていた、音楽活動に向けての始動だ。もともと、バンドマン、ミュージシャン、音楽家と言われ、一線で25年も飯を食ってきた訳だ。それを、22年ぶりに復活させようと云う、誰が考えても無謀な試みだろう。想い返すに、40代半ばまで、好き勝手に好きな音楽の仕事をしてきた。女房殿に言わせるろ「他人も羨む、好き勝手な生き様」となる。もちろん、苦労もあったが、ヒトの一生分は十分にやってきたろうか。そして島に来て、このペンション家業。釣りの方も、アングラーも羨むほど、存分に楽しんだかも知れない。これも、全くの紆余曲折が無かった訳ではないが、それでも、ジギングという釣りに関しては諸先輩もおられる中で、活躍の場を頂いていると思う。そして、このプロフィッショナルアングラーの人生を20年も送ることになる。振り返ると、音楽家としての25年。プロアングラーとしての20年（これは、あくまでも現在進行形だ）。まるで2度の人生を送って来てるような、そんな気分だろうか。そして今、再び70歳から始まる第３の人生に向けて準備中ということになるのだ。メンバーも決まり、来月からはリハーサルも始まる。そして、昨日もアレンジした譜面書きに没頭。これも、ペンションにお客さんのいない平日だから出来ること。そして、今朝は（というより真夜中だが）、雷雨が激しいので目が覚め、そのまま起きて釣り雑誌の原稿を書き、このブログを更新。そして、まあ、またまた曲作り（アレンジ）の作業だろうか。そして、早朝、明るくなってからは、日課の朝トレもある。コーギーたちの散歩もあれば、その後、週末に来るお客様の準備もある。自分の釣りにも行きたい。わ～、暇になるほどにアレコレ考えることも多くなる。そして、何時までたっても、両手に余る程の仕事を作っている。こういうのを、ヒトは貧乏性と言うのだろう。今回は、チョイ古い写真ばかりで。

  2013.01.24

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  ディープへの想い。

  私が島に来て22年。ジギングと云う釣りを本格的に始めたのもその頃からだ。この釣りは、まだハッキリとした形が出来ていなかった訳で、PEラインでのジギングが確立されるのは、その数年後である。100ｍレンジでのジギング、200ｇのメタルジグ、それすら異常な世界と言われたこともあった。当時、PEラインを使うようになり120ｍレンジを、自作の280ｇのメタルジグで探るようになり、初めて30キロ超のカンパチを釣った。当時は、奄美大島などでも遣られていたディープジギングであり、私は決して先駆者ではないが、それでも八丈島での試行錯誤が、当時のジギングを変える一端になったと自負している。その後のジギング変遷も激しいものがある。対象魚によって、多くのテクニックが開発され、その指導的なアングラーによって、フック、メタルジグ、タックル、ライン、ノット、其々が様々に進化して行ったろうか。いつの間にか、このジギングではロートルになってしまった感もありあまりの進化に、戸惑いを感じることもあった。しかし、最近は、そう云った時流を否定するでもなく、自分なりには消化しているだろうか。私の中では、ディープジギングにはこだわりがある。それは、重いメタルジグを使ったヘビーなジギングを誰よりもやってきた自負もあるからだ。それは、特に八丈島という黒潮本流に近い島で、自分にだけが感じるのかも知れない。例えば、数年前にサイパンで300ｍ～500ｍのジギングをやってみた。PE2号をマーフィックスのワイドスプールに800ｍ巻いたタックル。600ｇのメタルジグを使った。ボトムをしっかり取ることが出来て、大型ではないが10キロサイズのカンパチや、ハマダイ、見たこともない深海魚などを釣った。しかし、サイパンでの釣りを、そのままで八丈島に置き換え、ディープジギングに挑んだところが、それはあまりにも違うことに気づいた。まず、600ｇでは200ｍでさえ底立ちが取れず、300ｍ以深でのボトムコンタクトは希だ。そして、PE2号ではラインのマーカーなどにイタズラする魚が多いのと、そんなラインが傷ついたところに大型魚が食いついて来るので、あまりにもラインブレークが多いということだ。そんな苦難から、300ｍ以深のジギングではPE4号、メタルジグは600ｇ～1200グラムが必要という結論になった。ただ、この釣りをマニアックな釣りで終わらせたくない気持ちから、様々なことを試してみるが、やはり一般的な見方では、尋常ではない釣りなのだろう。そしてこの釣りは、簡単に体幹を鍛えることだけで出来る訳でもない。私は、体育会系を自認し、若い頃からスポーツマンとして体を鍛えてきた。アングラーとしては、誰よりもスポーツ学的観点からトレーニングを重ねてきたつもりだ。そして、60代後半になり自己管理の甘さから多少のメタボになってはいるが、それでも多少の体力の衰えを隠し、それは年の功として、22年のキャリアも加えディープジギングに挑戦しているのだ。こんなディープジギングを、私の、今後の命題として挑む場合、やはり、メーカーさんの協力なしには出来ないだろう。しかし、私がやりたい釣りだからといって、売れもしない1キロのメタルジグを作ることは難しい。PE4号を1000メートルを巻くリールは、もちろん簡単には作れない。回収時は電動を、と言ってジギング用の電動リールなどは気の遠くなる話だろう。この釣りの可能性は大きい。元々は、北海道などのタラやメヌケ、関東のキンメやアコウダイ、身近なところにも対象魚は多い。そして、近年は沖縄や遠州灘でも取り組んでいるアングラーもいる。もともと魚は多いのだから、八丈島のような潮流の早いフィールドでも可能性は大きいはずだ。まあ、あまり能書きになる話はこの辺にして、いずれにしでも、ディープジギングはマニアの釣りとしてではなく、もっともっと遣り込んで、一般的や取り組みやすい釣りにしたい。何れも、300～400ｍで釣った魚。八丈島は、このレンジでも小型魚ではない。あくまでも対象はこのサイズだ。パパズインへのお問い合わせ。04996-2-3888　　　　　メールはコチラ。

  2012.11.08

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  東北のブリジギングと船上カメラマン

  今回は、先日に釣行した東北ジギングの話。10/20（土）は青森六カ所村観光協会主催のジギング大会、その翌日は、宮城県塩竈（シオガマ）市でショップ・フィッシャーマン主催のジギング大会「ジガーファイト」。そして翌日、10/21（日）は牡鹿半島沖のブリジギング。かなり強行軍の行程になる。近年、東北や北海道のブリが活況のようである。私の知る限り、青森、岩手、宮城の太平洋側は、十数年前までは、イナダの数釣りはあっても、どうもブリが少なかったような気がする。しかし、この数年は大型が回るようになり、10キロオーバーも夢ではなくなった。まあ、潮流のせいとか、地球温暖化のせいとか、難しい話はべつにして、フィールドの可能性が広がるのは、アングラーにとっては嬉しいことだ。まずは、初日は青森の太平洋側、泊港からの出船。ここでは、数釣りは出来たが、ワラサやイナダクラスがほとんど。それでも楽しい釣りができた。そして、翌日は仙台まで車を走らせ、その夜は宿泊、翌朝からの大会だ。この地の釣りは、友人アングラーも多く（若者が多い）、割合気楽な釣りができる。ゲストであるから、プレッシャーもある訳ではない。やはり、仲間内みたいな和気藹々の楽しい釣りだった。しかしこの地も、私はワラサクラスばかり。最大でも4キロはない。20尾ほど、飽きることなく数釣りはしたが、５キロのブリクラスを釣っている地元アングラーもいるので大型狙いのつもりだから、何かが足らなかった事になる。終わってからの総評だが、しっかりした釣りをしている地元アングラーたちに、先輩ヅラでテクニック等の能書きを言うのもこそばゆい。技術論ではなく、釣りの楽しさ、環境の話で終る。年寄りの話は短いほうが良い。そして、翌日は雑誌取材。これは多少、プレッシャーのある釣りだ。塩竈から2時間ほど車を走らせて石巻市鮎川港からの出船である。ただ、そんな釣りだが、地元フィッシャーマン勤務でネーチャーボーイズのテスターをしている柳さん。さらにネーチャーボーイズの和田社長、そして,友人カメラマンのサントス。共に気心の知れている仲間達である。話は逸れるが、戦場カメラマンと呼ばれる人がいる。話し方に、独特の間延感のあるカメラマンで、「そんな悠長な話し方で、緊迫の戦場じゃ、銃撃の餌食だろう」そんな注文をつけたくなる。しかし、そんなギャップが面白いのか、子供たちには大人気だとか？、TV番組には引っ張りダコのようだ。その渡辺某とは、全く関係のない話だが、友人カメラマンのサントスも船上カメラマンと呼ばれるので紛らわしい。しかし、書いて字のごとし、同じセンジョウでも大違いなのだ。命のやり取りではなく、魚のやり取りであるからあまり緊迫感は無い、いたって気楽な仕事だ（本人は緊張感を持ってると言うが）。そして、友人といっても私の子供と同い年であるから、まあ親子のようなはずが、至ってそんな付き合いではない。本来は、大先輩である私を気兼ねしながら写真を撮り、誌面ではその文章力も発揮しなければならないのだからそりゃ気苦労も多い筈だが、これが何とも、殆どはタメ口だ。「おまえ、俺は老人なのだから、も少し大事にし、そんなコキ使うな」と云うと、「パパは体を動かさないと老化していく、その為の叱咤激励なんだ～」全く口が減らない。でも、2人ともに、酒好き、音楽好きというところが共通で、なんとなくウマが合う。何かと、一緒に旅をするのは楽しい（私が思ってるだけかも知れないが）。そして、この船上カメラマンは釣りも好きだ。さすがに最近は見ないが、昔は撮影機材と同じぐらいロッドやルアーを抱えて来ていたような。そして、スキコソモノノ上手ナレで、中々上手い釣りをする。何しろ、メディアに登場する凄腕の達人たちの釣りを毎回のように垣間見ているのだから、何時の間にか身につくのだろう。私と一緒の時は、それは楽しく魚を釣るが、他の取材時にも魚を釣る話は、よく聞いている。さらに、そのことがアングラー達にプレッシャーをかけているらしいが、本人はいたって無神経。いや、むしろその事を楽しんでいるようだ。青ヶ島釣行の時だが、アングラーたちはそれなりの大型の青物を釣った後で、奴が「どれどれ～」とばかりに竿を出す。そして最終的に、最大の大型カンパチを釣ったのは奴だった。終わったあとの酒宴で、「サントス～、お前のせいで、傷ついたり、ダメージを受けるアングラーはイッパイいるはずだ」冗談話でいうのだが、「いやいや～」と、いつも笑ってごまかす。そして今回の取材。中身は、誌面が出てからの話になるが。ただ、渋い中だったが、サスガに地元アングラー、柳さんが７～８キロクラスの立派なブリを釣り、私もようやくブリと言える丸々サイズやマズマズの魚を4尾ほど釣って、取材としては上出来な釣行となった。やがて、魚探の反応も薄くなり、渋くなったので、「取材はできた、そろそろ終わりにしましょう」そんな話で、あとヒト流しで終了である。そこで、サントスが「それではっ」といって竿を出す。私はタックルの片付けなどをしていると、「ヒットおう～～、食った！。なんだ～、まだ魚がいるじゃない～」この一言で、おそらく同乗のアングラー達の心は、深く抉られたはずである。船上カメラマンの「サントス」、奴との釣りは楽しいが、他人（ヒト）の神経を、無性に逆なでする（笑）。

  2012.10.25

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  父の背中、老人の背中、私の背中

  私の父は75歳で他界した。厳格だった父は、元公立小学校の校長である。私が小学校1年生の時から、当時30代で、その小学校の校長を努め、以後30年近くも幾つかの小学校の校長から、最後は生徒数が1500人を超える大きな小学校の校長を経て退職した。父が退職した後は悠々自適な生活だったろう。私は既に社会人。親元から離れ、花の東京でミュージシャンという派手な生活をしていた。たまに田舎に帰るごとに、昔は大きく感じた父の背中だが、何か小さくなっていくような気がしていた。父はその頃から、頑固で意固地な感じの老人だったようだ。いつも、隣人と掃除あとのゴミ、土地の境界線、他の多くのことで揉めていた。その頃、父が、私や母にこぼす言葉に「人間の尊厳」「社会的な貢献度」そレに対しての周囲の評価である。父が、教育者として、今まで残してきたことへの自負、そしてそれに対しての尊敬。そんなリスペクトを何時までも求めていたのかも知れない。それが、学校、教育者という環境から解き放たれ、更に定年からの年数が経つに連れ、その生活環境が狭まり、社会との繋がりが薄くなる。それは、老人を自覚する程に、周囲からのリスペクトが感じられなくなる。後に母から聞いた話だが、70歳あたりを境に、父は、眠れない日々が続いたという。先日だが、元警視庁警視の徳永という81歳を超える老人が、隣人の家に立てこもり、60代の女性を日本刀で刺殺するという、衝撃的な事件が起きた。特殊班が突入すると、玄関脇の部屋で首から血を流して倒れていて、意識不明で病院へ搬送されたが、間もなく死亡した。 近くには血が付着した日本刀のような刃物が落ちていて、自殺したとみられる。 元警視と、被害者（久保さん）の間では、今年５月ごろからトラブルが絶えなかったという。捜査１課によると６月、足が悪く杖をついていた徳永容疑者が、自宅前で殺虫剤をまいていた際、 久保さんに体当たりされたとして世田谷署へ相談。10月には代理人の弁護士が同署を訪れており、事件につながったとみられる。 殺人は、もちろん許されるべき行為ではない。被害者ご家族の心情は、如何ばかりかと思う。推測だけで、こういったことを述べるのは、はばかることだと思うが、この事件の、その後の捜査から浮かんできたことから推測するにこの80歳を超える元警視の心情に、何か、わが父の晩年に聞く吐露と重複するものを感じ、心に疼くものがあった。道を挟んだ隣人の、ゴミ屋敷的な生活ぶり。10匹ほどの飼い猫の迷惑。道にはみ出した花の鉢。女性から投げつけられるゴミ。些細であっても、他人の迷惑を顧みない行為。そして、喧嘩であるから、元警視に対しての雑言。老いて杖をつく体への体当たり。もちろん、被害者側の行為にも、正当な言い分はあったと思うが。加害者は、警察官であるから、その在職中は、当然のように社会を守るという、大きな自負もあったろう。尊敬も得ていたと思う。まして、一般的な社会から見ると、紛れもない法の権力を持ち、人によっては畏怖すら感じる職業と言ったら、言い過ぎだろうか。そして、そういった立場を永く勤め、定年退職をする。それから20余年たち老人になった時に、今まで自分が背負ってきた警察官という社会的な評価と、一般人になり、しかも老いていく自分を感じた時に、誰もが感じる以上の虚しさみたいなものが、心の隅に埋め込まれたのかも知れない。その背景に見えるものは、隣人から「人として尊厳を傷つけられた」という言葉の裏側にあるように、社会から、一身に感じていたリスペクト。そして、その崩壊だろうか。それは、わが父の背中に見た、老いから感じる先の見えない不安であり、社会からの阻害、人間関係の形骸だろう。私も67歳になる。音楽家だった頃は、多くの弟子や教え子たちを抱え、多少は、彼らの尊敬を得ただろうか。僅かだが、社会的な評価もあったかもしれない。釣りという業界に入っても、メーカーさんの後押しもあるが、露出などが増えるほどに評価された気もする。島での釣りも、その資源保護の観点から、IGFAの精神に基づいた釣りを提言し、地道ながら海底清掃など環境保全にも力を入れている。島の将来を見据えた、バックリミットや小型魚のリリースなどの啓蒙活動もする。しかし、島での生活の中で、島外のお客様、特にルアーフィッシングに特化した方々には認知されても、島の方々のほとんどは知らないだろう。もちろん、島の方々に認知されることを、目的としてないのだから当然の話だ。ところが最近は女房殿に、「貴方はどうも怒りっぽくなった。頑固で意固地だわ～」こう言われる。たしかに、知らず知らずの内に、そう言ったプライドを胸に仕舞いこみ、悶々となっているのかも知れない。最近は、眠れない日が続く。そして、間違いなく、父の血を受け継いでいる私だ。パパズインの情報ページ。お問い合わせは04996-2-3888　　　info@papasinn.com

  2012.10.14

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  パパのショートエッセイ「大言壮魚」故里の釣りpart3

  少年時代の釣り4弘前の小学校にいた頃、林間学校と言うのがあった。汽車に（懐かしいね～）乗って浅虫温泉まで行き、そこから徒歩で白根崎と言う岬で野外活動する。まあ、泊らないけどキャンプみたいなものだ。焚き木を取るグループや、炉を作って火をおこしハンゴウでご飯を炊くグループ。女子は恒例のカレー作り。私は当然に食料調達で釣りグループだ。このグループは人気がある。なんたって、釣りは楽しいからだ。先生と私を含め10人ほどが磯場で釣り糸を垂らす。しかし、こんな釣りはオイラ専門家だ。左手に湯ノ島を望む、低い磯場をまるで牛若丸のように飛び回る（猿と言った方が良い）。他は青ベラやゴンズイのような、気色の悪い魚しか釣れない中で、しっかりとアイナメを3尾ほどゲッチュした。「わ～、これ工藤君（おいらの本名）釣ったの～、すっごい～、オッキイ～」女子軍から賛美の言葉を背に受けて、意気揚々、威風堂々。鼻高々である。「まあ、みそ汁さだば、もったいね～けんど、腹ワダ出して、ウロコ剥いで、ブツ切り～、こうやるだ～！」パッ、パッ、パッ。かくして小麦粉がダンゴ状のカレーライスに、玉葱の入ったアイナメの極上味噌汁。豪華絢爛な食事会だ。一躍、おいらは先生にも一目置かれるヒーローとなったのである。少年時代の釣り5ハヤ釣りと言うのがある。小川で簡単に出来る釣りだ。エサは食い物だったら何でも良い。ご飯粒、ソーセージ、ハンペン、魚のハラワタ、皮、何でも食うのは食欲旺盛だからだろう。そこで、色んなエサで試す事にした。ミミズは糸ミミズよりも大きなミミズを、小さく切った方が良いようだ。魚はカツオの肝臓が良い。野菜類はさすがに食いが落ちる。しかし、茹でたトウモロコシにも食い付くし、ウリの種にまで食い付いた。しかし、何といっても驚いたのは、脱脂綿である。針に撒き付け、オモリを付けない針を流れに落とすと、その浮力で浮いたままス～っと流れる。木陰などの死角に入るといきなりパクリなのだ。良く考えてみると、フライフィッシングだろうか。でも、感覚的には海釣りのウィリーにも似ている。まあ、淡水も海水も魚の習性は、さほど変わらないと云う事になるだろう。このハヤは大きいのより小振りな方が美味しい気がする。5センチぐらいの奴を3～4匹まとめてテンプラに上げる。ワカサギとは違った風味がする。最近は目にする魚ではない。果たして今でも釣れるだろうか。パパズインへのお問い合わせは、04996-2-3888　　　　　メールはコチラ。

  2012.10.07

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  パパのショートエッセイ・大言壮魚「故里の釣り・part2」

  故里、青森の釣り・少年時代3北国、津軽の海にはアイナメが多い。幾種類かあるが、その中で一般的なのは「アブラッコ」とか「シンジョ」と言われるものだろう。ある日、父が「シンジョ」の大型を釣って来た。母が台所で調理をするが、ヒバの木の大きなマナイタから、その尻尾がはみ出している。１メートルぐらいあったような気がする。しかし、よく考えてみると、１メートルなんてアイナメがあったらコリャ事件だ。やはり子供心の記憶である。余計に大きく感じたのだろう。子供の頃、この「シンジョ」を釣るのが得意だった。オモリの下10センチの所に釣り針を着けるだけ。餌は、ヤドカリを貝殻から取り出したもの。竹竿の先にタコ糸を1ヒロ、その先に20センチほどのナイロンハリス。当時ナイロンハリスはとても貴重なものだ。磯場を歩きながら、魚の居そうな穴に静かに落とし込む。20～30センチほどのアイナメが餌に食いつくと、ガクガクっ竿先を引き込む。稀には40センチを超えるようなビール瓶サイズだと、それは息が止まるほどの興奮である。釣ったアイナメは醤油漬けにしてから焼き、晩ご飯の食卓に登る。串刺しにしたアイナメの香ばしい醤油の香りは、懐かしいおふくろの味だ。故里、青森の釣り・少年時代4北国津軽の夏は短い。9月の声を聴くと霜が降り、10月には山に雪が降る。岩木山の山頂が白くなる頃、父と一緒にフクラゲ釣りに出た。櫓で漕ぐ小舟から胴付き針の3本仕掛け。上の2本にはハゲ皮のバケ、下バリには生きたドジョウを付ける。下バリにはヒラメが来る事もある。仕掛けを落としてから、ゆっくりと櫓を漕ぎバケが泳ぐようにする。しかし、この時期から日本海は荒れてくる。父が数尾釣っだけで風が出てきた。「かつあき～（私の名前だ）、帰るから、道具を片付けるべ～」かじかむ手で、仕掛けを手繰る。手繰った途中で手ごたえがあった。フクラゲはイナダである。バケが動いたので食ったのだろう。ちょうど群れに当たったようで3本ともに食った。子供の私には大騒ぎである。父に手伝って貰い何とか引き上げる事が出来た。いつの間にか、周りにはフクラゲのナブラが出来ている。もう一度仕掛けを落とそうとすると、父が、「だめだ～、風が出るぞ～、帰る～」そして、道具を畳んで船が走り出した途端に、横で大きな水柱が上がりグラッと大きな揺れが起こった。シャチである。それは船の3倍ほどの大きさであろうか。物凄いスピードでフクラゲを追いまわす。良かった。あの場にいたら、こんな小船など簡単に引っくり返っていたろう。パパズインへのお問い合わせは04996-2-3888　　　　　メールはコチラ。

  2012.10.04

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  パパのショートエッセイ・大言壮魚、「故里の釣り」

  故里　青森のつり1私のふるさと青森は本州の最北端にあって、北は海峡を挟んで北海道を望むことが出来る。日本海側に突き出たのが津軽半島、太平洋側に突き出したマサカリ状の半島を下北半島と云う。その真ん中には陸奥湾がある。私は、その津軽半島の根元で、霊峰岩木山と白神山地を有する津軽地方に育った。親は教師であったために、その津軽地方の過疎村を転々とする。小学校だけで6回も転校を繰り返した。その為に、決して友達は多くなかったが、それでも数人の子供たちと一緒に野山を遊び歩く。それは笹竹を切っただけの釣り竿に、昆虫採集に使う虫ピンに焼きを入れた釣針、葦を切ったウキ、そんな粗末な道具だが、それは学校から帰るとカバンを放り出し、暗くなるまで遊んでいた。父親の実家（本家）は日本海側にある、深浦町広戸の網元だった。夏休みの殆どは、その本家で過ごす。そして、海は勿論だが、毎日のように近くの「追良瀬川」「赤石川」で、アユ釣りや、上流のヤマメや岩魚釣りに夢中だった。ヤマメ釣りのテグス代わりに、馬小屋に忍び込んでは馬の尻尾の毛を抜く。それは、蹴られる事故が多かったので危険だったろう、良く爺ちゃんに見つかっては怒られた。子供の頃の、懐かしい思い出だ。故里　青森のつり2秋田県の県境近くに大間越と云う村がある。ここの村外れを流れる狭い川がある。父と一緒にその川で鮎のドブ釣りをした。それは、面白いように鮎が釣れて、滅多に笑わない父だったが、その夜は鮎を肴に熱燗を数本飲んで上機嫌だった。鮎のドブ釣りは、毛ばりで釣る。父の自慢は、石川県加賀の伝統工芸である「加賀毛バリ」だった。その丹念に巻かれた美しい毛バリを、大事そうに油紙に包んで釣り場に持って行く。釣り終わっても、まるで宝石を扱うように湿り気を拭きとり、再び油紙に包んでしまい込む。ある日、父と叔父たちは海に船釣りに出かけた。まだ船酔いのする私だから留守番だが、それは退屈だった。そこで、父親の「加賀毛バリ」を2本持ち出し鮎釣りに出掛けることにする。その日は良く釣れたが、さらに欲を出して上流に向かう。以前、この上流の狭い川筋の溜まりで、20センチを超える大型の鮎を釣ったことがある。しかし、その頃よりも明らかに水量が増えていた。足首あたりまで水に浸かると奥に行けそうだったが、そこで大きなゴロタから足を踏み外してしまう。魚籠（ビク）の魚だけは離さなかったが、父の大事にしていた毛バリの付いた竿を流されてしまった。物凄く怒られると思いショゲ帰ったが、その日の父は無言だった。数日後に9尺の鮎竿を買ってくれた。写真は、今も続く伝統の加賀毛鉤,江戸時代の目細八郎兵衛商店。絵をクリックして下さい。目細八郎兵衛のHPへ。（日本の素晴らしい釣り文化が解りますね～）パパズインへのお問い合わせは04996-2-3888　　　メールはコチラ。http://www.meboso.co.jp/index.shtml

  2012.10.03

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  パパのショートエッセイ・大言壮魚10～11 「釣り、酒、音楽」

  釣りと酒10、ヒレ酒カサゴ類のヒレは硬く、毒をもつものが多いので、うっかり刺すと猛烈に痛む。その為に調理する場合は、最初からハサミでジョキジョキ切ってしまうのが良いだろう。しかし、そのジョキジョキ切り取ったヒレを捨ててしまっては、コリャもったいない。まず、そのヒレを塩水に小一時間も浸したら、そのままガラス窓にでもピタッと貼り付けておこう。そして、夕飯時に、このヒレを剥がし火にあぶる（割合しっかりとだ）。鍋に日本酒を1～2合いれ、熱燗ぐらいに温めたら、このヒレを入れて1～2分置いてからお猪口に注ぐ。これで香り高いヒレ酒が出来上がる。やはり、日本酒はなんたって演歌だね～。北島三郎、鳥羽一郎、なんてのも良いが、なんたって日本酒は、情感あふれる五木ひろしだろう。NHKの歌番組を見ながらヒレ酒を飲んだ。前川清に瀬川瑛子、途中からジェロの『海雪』に変わる。それも、ヒップホップダンスをバックに歌っている。「あなた　追って　出雲崎　悲しみの日本海　愛を見失い　岸壁の上～」この歌手は、歌を聴くだけだと日本酒も悪くないが、映像を見てしまうと・・・・、「ん～ん、ラム酒かバーボンをくれ～！」。11、北欧の酒とシュールストレミングスカンジナビアの作曲家は、ニールセン、シベリウス、グリークなど、あまりにも有名な作曲家が多い。しかし、その中でスウェーデンの作曲家というと日本には意外と知られていない。ヒルディング・ルーベンセリと言う、多くの交響曲を残した作曲家はいるが、日本ではCDすら発売されていない。ポップスでは「ABBA」という、世界的なスターを輩出した国だけに不思議だ。更に、お酒も有名な酒がない。お酒を飲まない国民なのかと思ったが、ビールの消費量などは高く、アルコール度数の高い酒も好むと言う。さらに、「ABSOLUT（アブソルート）」と云う、スウェーデン産小麦のウォッカはあるという。酒名は“究極の”“純粋の”という意味だからキツイ酒だろう。しかもロシアのウォッカも多く消費されているので、ウォッカ好きの国民かもしれない。ただ、自国で作られる酒は少ないのだろう。この国の音楽と酒は、イマイチ個性に乏しいかもしれない。しかし、この国の食べ物は、世界に誇る強烈なのがある。それは、シュールストレミングという、ニシンの酢漬けを缶詰めにしたものだ。その臭気は、まるで腐った魚を直射日光の下で数日間放置したような、クサヤの6倍以上と言われる恐ろしいしろものだ。いくら、シベリウスのシンフォニーに酔いしれ、極上のウォッカに酔いしれたとしても、このシュールストレミングだけはあまり食べたくない。でも、食べると病みつきになるかなぁ～。（写真はシュールストレミングを輸入している、川口貿易さんのHPから引用しています。ゴメン。）パパズインへのお問い合わせは04996-2-3888　　　　　　メールはコチラ。

  2012.09.21

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  料理人？。

  私は26年間も音楽家をやってきた。もちろん、最初は先輩達に小僧扱いだったろう。しかし、イッパシになってくると、演奏家、作曲家としてだけではなく学校などで、音楽理論なども教えるようになる。それなりにキャリアを積むと、生徒には先生などと呼ばれ、ライブハウスにくる若い子達には、いつの間にかパパと呼ばれるようになっていた。しかし、音楽のプロとして26年間のキャリアは、島に来てペンション業を続けると、いつの間にか忘れられてしまう。まあ、たまに東京に戻ってのライブや、仲間の出演した店に顔を出すことはあったが、それも年々少なっていく。そのぶん、釣りの回数が増え、釣り雑誌などの執筆や取材の方が多くなったせいかも知れないが、ミュージシャンのパパから釣りのパパに変わったのだから、まあ段々と音楽の現場から遠ざかって行き、忘れられるのも致し方ない。島では客商売なのだから、お客さんのいる時は、ほぼ毎日料理を作る。そう考えると21年間料理を作り続けたことになり、気付くと音楽には負けないぐらいのキャリアになったではないか。しかも、料理人？としては現役だ。ところが私は、自分の料理を素人料理と自認する。何しろ、音楽家時代に、有名ホテルのシェフや、中華街の料理人、赤坂で割烹をやっている板前、ファンの中にはそんな友人も多かったので、彼らに一応の手ほどきは受けた。しかし、料理は1年ぐらいの修行で作れるほど簡単ではないし、それは奥の深いものだ。当然、私の料理はいい加減な素人料理ということになり、お客さんには「モドキ料理」と言っている。品数は多く、前菜の3品は和食か中華。そしてメインになる料理はイタリアンの和洋折衷。さらに、刺身、汁物と付くが、それらしい料理もあるが、どれも本物ではない。まして、島であるから、食材も代用品が多く、当然にモドキなのだ。しかし幸いには、お客さんの評判は悪くない。まあ常連客が多いので、そんな気安いお客さんに、「オイラと一緒に釣りすると（ガイドも本業だ）、食事は作れない、一緒にワリカンで外食しよう」と言うと「え～！！、外で食べるの～、嫌だ～」と言われる。何でも、私と楽しく釣りをするよりも、私の作る夕食の方が魅力がタップリらしい。先日も、チョイと上等な霜降り牛の角ステーキを、小鉢に2切れほど乗せ、ワサビで食べるような前菜を出したところ「ワオ～、ステーキの出る釣り宿だ～」と言われ、さらには「日本一、飯の旨い釣り宿じゃワイ」と冗談話になる。確かに、インチキ料理、モドキ料理も21年のキャリアを持つと、立派に料理人になるのだろうか、こそばゆい。まあ、こんな料理でも手間ひまをかけているからね～。恥ずかしながら、あと数年は料理人のパパとして、精進しなければならないようだ。前菜は、きのこの炒め物、じゃがいもと豚角煮、メダイの甘辛煮。メインディッシュはカンパチのバジルソース。ほかに、メカジキとオナガダイお刺身。アカハタの汁。（今回は特に田舎料理っぽく、本格料理人は笑われそうだが）。パパズインへの問合せ。04996-2-3888　　　　メールはコチラ。

  2012.09.19

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  パパのショートエッセイ「大言壮魚」・釣りと酒8~9

  8、キャットフィッシュ料理にバーボンウィスキーアメリカ南部は淡水魚の宝庫だ。特にテネシー州チャタヌーガのニッカジャックレイクや、ジョージア州とノースカロライナ州の州境にあるチャトゥーレイクは、キャットフィッシュやバスの宝庫らしい。チャタヌーガにはアメリカ最大の淡水魚水族館があり、アメリカ全土の淡水魚が見られるという。チャタヌーガと言うと、チャタヌーガチューチューという蒸気機関車が有名だが、これは1940年代のスウィングジャズの名曲のタイトルにもなっていて、アメリカ開拓時代の雰囲気を残している。このテネシー川の下流がメンフィスの北部ミシシッピ河に合流し、ニューオリンズからメキシコ湾に注ぐ。ジャズの町ニューオリンズだが、ジャズの帝王と言われるルイアームストロング（サッチモ）もこの街に生まれた。そして、その上流には、子供のころにワクワクして読んだ『トムソーヤの冒険』『ハックルベリーの冒険』の舞台だ。昔見たビデオだが（昔のモノクロファイルム）、サッチモが水辺に突き出た古びた家のベランダで、ウィスキーを飲みながら"What A Wonderful World"を歌う。その横で、子供たちが釣り糸を垂れて遊んでいる印象的なシーンだ。この川のキャットフィッシュは当然フライやチップだろう。そして、酒はジャックダニエルやワイルドターキーなど、バーボンウィスキーということになる。しかし、行ったことがないのだから、すべて想像である（笑）。ベトナムからの帰還兵を前に歌うルイアームストロング。9、モンゴル料理とウォッカ北海道には旨いものがたくさんある。その中で肉料理といえば「ジンギスカン」だろうか。ところが本来、この「ジンギスカン」は人物名であり、正確には「ジンギスハン」だ。しかし、北海道の「ジンギスカン」は、あの兜状の鉄板の上に羊肉を乗せ、垂れた熱々の油がモヤシをジュウジュウ。そして定番、ベルのタレを浸けてハフハフ食べる。あくまでも、この「ジンギスカン料理」をジンギスカンと呼ぶ。しかし、これをジンギスカン料理と言うのも、大いに語弊がある。日本には、あまた多くのモンゴル料理店があって、それと混同してしまうからだ。ましてモンゴル料理店に「ジンギスハン」という名前が多い。こうなると、「ジンギスカン」が先か「モンゴル料理」が先か、鳥が先か卵が先かみたいな話になってしまう。しかし、北海道の「ジンギスカン」は、一般的に羊肉を焼く料理だが、モンゴル料理は幅が広い。やはり北にはロシア、南西には中央アジア、南東には中国に接しているのだから、ロシア料理と中華料理とシシカバブーがミックスしていると言ったら「無責任なこと言うな！」と言われるだろうか。名古屋のモンゴル料理店に行ったことがある。何よりも印象的だったのは、骨付きの羊肉を煮込んだ、如何にも中東風な香辛料の強い料理だ。そして小龍包のような肉と野菜を饅頭で包んだ、中国風蒸し料理。そして酒好きのオイラとしては、何といっても何といっても、モンゴルウォッカの美味しさだ。昔から「モンゴルの酒といえば馬乳酒で、ウォッカはロシアの酒」となるのだが、この時ばかりは「モンゴル料理にはウォッカだ～」と叫びたくなった。パパズインの情報ページは　コチラ。

  2012.09.12

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• 嗜好は変わる。

  私が音楽家を目指したのは50年前だろうか。そこから音大に進み、挫折したわけではないが、在学中にジャズミュージシャンを目指すようになる。思えば、修正の繰り返しだったような気もする。ジャズの演奏家時代は、それなりに、日本の一流と言われるジャズバンドに所属していた。ただ、不健康で不規則な生活だった事もあるが、体内のヘルペス菌が通常より多くなるという体質に悩まされる。それは腰や背中に湿疹と痛みが来ることも多いが、なんといっても唇周辺がタラコのように腫れ上がる。これは管楽器奏者としては致命的だった。そのために演奏家から、作曲家、アレンジャーという仕事に鞍替えする。しかし、それも生来のステージ好きから、ライブハウスでのバンドリーダー、ボーカル、様々に姿を変え、その修正を繰り返した。まあ、履歴書みたいな話になったので、そんな話はともかくだ。演奏家として見切りを付け、作曲家としての見切りを付け、その都度の紆余曲折だったが、それに合わせ好みや嗜好も変わってきた。中途半端なミュージシャンの生活から食えないと言う事で、島でペンション家業なぞを始める。しかし、こちらも金勘定は不得手であるから女房殿任せ。結局は、好きな釣りと音楽からは足を洗えない。今回は、そんな我侭な生活での嗜好の話なのである。もっとも、クラシックからジャズと変わった音楽的嗜好は、ライブハウス時代から、ラテン音楽、黒人音楽、めまぐるしく、挙句は「自分の作った音楽以外はやらないっ！」とまで言い切るが、さらに今でも変わりつつある。やはり、環境で変わり、年齢で変わり、生活で変わるのだろうか？。例えば、あれほどまで好きだったラテン音楽では、昔のジャズ的なジョージシアリングの「ラテンフェアー」や、一流ミュージシャンを揃えたニューヨークサルサに夢中だった。それは、完成された、技術的にもリズム的にも最高の水準だが、今は古臭いキューバの街中で演奏される、アマチュアっぽいものが良い。先日も、YOU TUBEで見た「Musique Cubaine Géniale !」というキューバの田舎町のバンドが、そのギターチューニングの悪さや、トランペットの下手さ加減は相当だが、そこが小気味良い。これは、一生懸命に音楽を目指していた頃では考えられないことだ。それは、島でゆるい生活に浸かってきたことで、何かが変わってきたのだろう。今になってみると、演奏家の力量、音楽的な内容（レベル）、技術なんてのは、良い音楽の多少の調味料にはなるが、本質は「音を楽しむ」と書いて「音楽」だ。そのことを、今になって気がついたことになる。ただ、嗜好はこの年になっても変わるだろうか。まだまだ、変わっていくのかも知れない。最近、気に入っているキューバのローカルグループ。（技術的には、相当ひどいが、何なんだろうかこのノリは。好きですね～）パパズインへのお問い合わせは04996-2-3888　　　メールはコチラ。

  2012.09.10

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  パパのショートエッセイ『大言壮魚』・釣りと酒 6～7

  6、ワインとオペラ文化は混とんとしている。先年、ワールドカップの応援風景を見たが、日本の応援団が顔に日の丸のペンテングをし、チョンマゲ姿でベルディーの凱旋行進曲を歌っていた。「国旗掲揚は軍国主義だ！」なんて心配する方もいるが、こんな和洋折衷の光景を見たら、今の若者に帝国主義の復活は有り得ないと、誰もが思うだろう。サッカー先進国のイタリアは、ローマ帝国からの高い文化を持つ国だ。第二次世界大戦では、日本やドイツと共に3国同盟の関係を持つ。その為に日本同様、敗戦からの立ち直りに時間を要した。しかし、元々は文化意識が高い国民性であるから、音楽などの芸術やスポーツ、さらに演劇、映画、ファッションなど、高いレベルの伝統を持っている。特にクラシック音楽では、オペラ（歌劇）と言えばイタリアであろうか。イタリア歌劇の代表的な作曲家と言えば、ロッシーニ、プッチーニ、ベルディだ。ロッシーニの代表作は『ウェリアムテル』『セビリアの理髪師』だが、プッチーニは『トスカ』『蝶々夫人』が有名だ。女子フィギュア金メダルの、荒川静香選手がフリー演技で名を馳せた『トゥーランドット』は彼の未完成曲だ。ベルディは、何といっても『椿姫』や『アイーダ』だが、美しい旋律を持つプッチーニと対照的に荘厳でスケールの大きな作品が多い。私はワインを飲みながら、リゴレットの『女心の歌』を聞く。この場合ワインには地中海料理だが、我が家なので、手軽に女房殿の作った明太子スパゲッティー。イタリアに行った気分より、博多でワインを飲んでる気分だ。オペラの殿堂「ミラノ座」。7、サンバの国ブラジルのカンパチブラジル音楽と言えばサンバやボサノバだが、これはブラジルを発見したポルトガルが、この国の開発のために、アンゴラやモザンビークなどの異なる種族を奴隷として送り込み、そんな彼らが持ち込んだ打楽器で演奏する歌や踊りが、ヨーロッパのポルカやマズルカと融合した。そんな音楽がベースになっているのがブラジルのサンバだろうか。これはラテン音楽の中でも、同じアフロミュージックとスペイン音楽が融合した、サルサなどのプエルトリコやキューバの音楽とは明らかに違う。情熱的な踊りで知られるサンバに比べ、ジョアンジルベルトやナラレオン、アストラッドジルベルト、などの歌で知られるボサノバは、ソフトな中にコケテッシュな躍動感もある。この音楽に合うのは『ピンガ』と言うサトウキビが原料の酒だが、ライムを垂らして飲むと味わい深いだ。この国の、特に海岸部に点在する島々には、大西洋カンパチやヒラマサがいるらしく、昨年フィッシングショーで会ったブラジルアングラーはジギングで釣れると話していた。他にも大型のムナグロアジ（スペイン語でカバレイ）や、マグロ類もいるらしく、一度は行ってみたいが何しろ遠方でお金も時間もかかる。想像の範囲を脱し得ないが、果たしてその味は日本のカンパチやヒラマサと同じ味だろうか。アルコール度数の高いブラジルの酒『ピンガ』に、カンパチの刺身や照り焼が合うかもしれない。http://www.youtube.com/watch?v=82Nh7dtp67w&feature=related私のお気に入り、ブラジルのシンガー「カエターノ・ヴェローゾ」パパズインの情報ページは コチラ。パパズインへのお問い合わせは04996-2-3888　　　　　メールはコチラ。

  2012.09.08

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  釣りと酒

  1、タバコを止めるのは・・・・。私は酒好きだ。なんたって酒好きだ。それも、酒だけが好きなのだから、ネーチャン居るようなところは行かない。我が家で気に入った酒を飲み、それに合う若干のつまみがあれば最高なのだ。そして、35年も一緒のトウがたった女房殿、そんな無愛想なお酌でも十分だ。多少トゲのある、嫌みの含んだ彼女の言葉は、それは酔いが回るほどに気の利いたスパイスになり、当然に此方の舌も滑らかになるのだから、それは中々の丁々発止だろう。数年前だが、タバコを止めると同時に酒も止めた。しかし、タバコは止めることが出来たが、酒の方は持続しない。そして1年経ち、再び飲みだすと、それは至上の雫のように腸（ハラワタ）に沁みわたり、更に量が進む。以前は酒のツマミは少々だったが、今では何でも口に放り込み、それぞれが美味しく感じるので、それは飲むほどにメタボだ。さらに、その後が悪い。肥満で動きが悪くなり、息切れも多少、そして持病のメニュエールが再発し、コリャ大変なことになった。それでも現金なもので、釣りをしている時はさほどでもなく、ジギングなどで適度に体を動かすと、さらに腹がすく。うまい魚でも釣れようものなら、それを肴にさらに酒量をふやし、15キロも太ってしまった。タバコを止めるのは、逆に体に良くないのかも知れない（笑）。2、たまに休むとアル中にならない。八丈島では、釣り客相手のペンションなるものをやっている。当然ガイドも仕事だ。酒好きの私だが、ガイドのときは酒を飲まない。昔から、酒は『百薬の長』と言われ、体に良いのだから、別に飲んだって良いのでは？と云う思いもあるが、当然に責任の重さもあるのだから飲まない。ただ、釣りにも多くのシーンがある。夏場のトローリングなどで大きなカジキマグロを釣り上げ時に、クルーや仲間と乾杯なんてのは悪くないし、それが冷やしたシャンパンだと、ちょっぴりリッチな気分になる。南の島のリゾート地。家族で遊びに行き、その桟橋からちょこっと投げてメッキなぞと遊ぶ。小さなクーラーの中にサンドイッチとバドワイザーが入っていて、プシュっと栓を抜き（この場合は絶対にビンビールだ）ゴクゴクッ。万歳したいような気分だろう。さらに、パリのセーヌ川のほとり。紙袋の中のフランスパンを昼食に小ブナ釣り。ぜったいに赤ワインの小瓶を持っていきたい。セッシボ～ン。こんなバカ話を、友人で医者の吉水先生と話していた。「せんせい、僕はこれだけ酒好きなのに、アル中にならないのはガイドをするときは飲まないからだろうね。ほら、酒は間をあけないとアル中になるって言うじゃない」横から女房殿が「なに言ってんのよ、その何時間だけでしょうよ。毎日たらふく飲むくせに！」。スミマセ～ン。3、寒い時の釣りには日本酒？和服姿のイラストが艶めかしい『燗番娘』と云う日本酒がある。これは、缶入りの日本酒で、栓（ピン？）を抜くと熱燗になると云うものだ。真冬の手が悴（かじか）むような寒さ、その中での釣りには重宝だった。そう考えると、やはり冬の釣りは日本酒に限るのか？。いや、酒好きの私にすれば、これは酒造メーカーの怠慢だろう。なぜなら、釣りは日本人だけのものではない。確かに、日本は釣りの先進国かもしれないが、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、そして世界の人口の4分の一を占める中国だって釣りをしながら酒を飲む。その昔、カナダ人と一緒にサーモン釣りをした。ニシン餌のムーチングでボートの釣りだがすこぶる寒い。そして、彼らはカナディアンウィスキーを、アルマイト（今は死語だろうか？）のコップに入れ、ランプで温めて飲んでいた。これはイケル。そう考えると、ヨーロッパはホットワインだってあるだろうし、ロシアはホットウォッカだろうか。アラスカでハリバットを釣りながら、ホットウィスキーなんてアリだ。紹興酒はお湯で飲み、揚子江のほとりで、肉まんをパクつきながらキュ～だ。別に、金髪やチャイナドレスの『燗番娘』があっても良いじゃないか。パパズインの情報ページはこちら。パパズインへのお問い合わせは04996-2-3888　　　　メールはコチラ。

  2012.09.03

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  パパのショートエッセイ「大言壮魚」

  カツオ漁が終わって八丈島では通常、カツオ漁期には遊漁船が少なくなる。それでも、我が家（パパズイン）では、この時期の遊魚は差し障り無くできるのは、彼ら（潤航丸、亜由丸、山下丸）の熱意だ。この場合、彼らが1日で数十万円もの水揚になる事を考えると、些かだが頼み難いのだが、この２～３年は不良であり、年間でトータルして考えると遊漁の選択もある。。特に、潤航丸や勢寿丸は、遊漁に関しては熱心で、得にジギングでは熱心に私と一緒にポイント開拓等んぽ協力を惜しまない。昨年の話だが、カツオが不漁と云うことで、勢寿丸でルアーテストも兼ねジギングに行った。んだ。船長は「潮が良くないからね～、水温が落ち着かないじゃん、とりあいず小岩戸の方にいこう。このあたりからやって見ろんてぃ～」確かに、水温は落ち着かないのだが、どうも漁師達はカツオが不漁であれば、他の魚も不漁と考えている。しかし、この日は1投目から好調で、私はブギウォーク・アライブの200ｇで4～8キロクラスのカンパチを10数尾釣り上げた。結局その日は、20尾以上釣り上げ、驚いている船長に「ホッホッホ！カツオは駄目でもカンパチは良いようだね～」と能書きをこいてしまった。能あるタカは爪を隠す。カツオが不漁であるから、キンメダイなどの底釣りや、キハダマグロの漁に切り替える漁師達も少なくない。なんの釣りでも上手い勢寿丸船長だが、彼は寡黙で、ただ黙々と釣り続けるタイプだ。とくにカッタクリ漁という、光った鉛玉にイカバケを撞着し、ビシオモリ（数珠状に小型のオモリを仕込んだビシ仕掛けで、50グラムぐらいの鉛玉でも100メートルぐらいまでは落とし込める）で「ワッショワッショ」と高速で手繰る漁は、誰もが彼の技を認める。先日のジギングで、「勢ちゃん、カツオが駄目でもカンパチが食うじゃん！、やっぱ大型もいるよ～、まあ私の腕もあるが～、自慢、自慢、ペチャクチャペチャクチャ」と調子こいて喋り捲る。「それはパパが上手いんだろよ～！、でも他の漁師がやっかむから～、港ではクーラーを開けちゃ駄目だよ～」まあ、自慢げに話し、豚のおだてりゃ気に登るだ。その翌日に港から電話が入る。その勢寿丸がなんと40尾ほどのカンパチを水揚し、中には20キロ近いヒラマサも混じっていると云う。笑いながら指で口を押さえ「ホッホッホ、パパのおかげで釣れたよ～」。奴は凄いね～。パパズインの情報ページ　コチラ。

  2012.03.09

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