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加藤千幸氏著の 「国際情報の読み方 こうすれば世界の動きが見える」 講談社文庫 はお薦めの一冊である。 ![]() 1986年12月に初版が発行された。しかし、残念なことに同書は現在絶版になっている。丸沼書店のオンラインショップなどでは入手できるみたいだが、確かなことは分からない。 話しを同書に戻すと、「1 情報とは何か」 ヤコブ先生の受難の項目で興味深い逸話が紹介されている。 「ヒットラーが怒った原因は、どういうわけか、ヤコブというロンドン在住のドイツ人が書いた小さな本の中に、秘密のうちにフルスピードで増強中の、ドイツ軍の実態が正確に浮き彫りされていたからである。当然スパイを使って探った秘密情報をもとにしているに決まっている。・・・」 ヒットラーに命じられた情報顧問のニコライ大佐は、ヤコブ先生を言葉巧みに誘い出して薬で眠らせ、拉致して尋問したのである。目が覚めたヤコブ先生曰く 「大佐殿、この私の本に出ているものはみな、ドイツの新聞にのった報道記事に基づくものであります。・・・・・」 後日、ニコライ大佐は、ヒットラーにこのように調査報告をした。 「閣下、ヤコブの共犯者としては実はわが国の軍事出版物と日刊新聞以外にはありません。彼は新聞の死亡欄や結婚欄などからみつけた情報をスクラップして立派な戦闘序列を作っていたのです。」 同書では、新聞、刊行物などの一般の公開情報の重要性及びこの公開情報から秘密情報をあぶり出すことができることを説いている。 別に目新しいことではなく、昔からいわれていたことではあるが、意識して新聞記事を読めばいろんなことが浮かび上がってくるのだなと妙に感心してしまった。 でも新聞には気を付けなければならないことがある。そう指摘したのは、妹尾堅一郎氏である。 同氏著の 「知的情報の読み方」 出版 水曜社に、新聞記事を読むに当たり参考になる箇所があるので、紹介する。 ![]() 「我々は、「公正・中立な紙面づくり」など原理的にありえないことを、また、紙面に取り上げられない記事や出来事があることを知っておく必要があるのである。 いずれにせよ、新聞記事に「客観的真実」が書いてあると信じるのは、もっとも誤った読み方である。新聞の編集がいかに恣意的に行われうるものであるか。新聞がそうしたメディアであることを踏まえたうえで、我々は新聞を縦横に利用し、そこから自分なりの事象の意味づけを行うべきなのである。」 確かにこの意見には納得する。新聞記事を読むときには注意しよう。大事な事実を隠すため読者をミスリードすることだってあり得るかも知れないのだ。
Last updated
2009.12.18 19:42:15
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