ヨーロッパ(EU)では、EPCという特許制度があります。この制度では、特許を付与するという審査結果を得るまでは、英語、独語、仏語のいずれかの言語で統一的に手続きがなされます。正確には、特許付与の判断直前に、クレームだけについては英独仏全ての翻訳が必要です。特許付与の査定を得た後、権利取得を希望するヨーロッパ各国へと移行され、その際に、各国の公用語に翻訳されます。
各国移行の際の現地語への翻訳は、クレームおよび明細書全文が対象になります。明細書が分厚い場合や、多数の国での権利取得を求める場合には、非常に多額の費用がかかります。
こんど発効するロンドンアグリーメントでは、明細書本文の現地語への翻訳が不要になります。
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ロンドンアグリーメントはEPC全加盟国で発効するわけではなく、
批准・加盟国のみで有効です。
主な非加盟、非批准国としてイタリア、スペイン、ベルギー、オーストリアなどがあり、これらの国では、今後も、明細書全文の翻訳が必要です。**
したがって、日本人が英語でEP出願を行うときは;
1.英語で審査手続きが行われ、
2.特許査定直前にクレームの仏独訳を提出し、
3.各国移行の際に、クレームの現地語訳を提出することになります。
(現在は、3.のときに明細書本文の現地語訳も必要。)
これは、各国現地の人の立場で見れば、「クレームだけ母国語で明細書本文が英独仏のいずれかである特許が存在する」ということになります。
例えば、日本に「クレームだけ日本語で、明細書本文がハングルや中国語で書かれた特許」がある、という状況です(勿論、アジアではこのような制度は今はありません)。結構ツラくないですか?
最終更新日
2008年02月04日 10時22分30秒