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昨日、最高裁で難しい判決がなされました(平成18(受)1772)。
特許権に基づく製造販売差止めを求める特許権者が原告である事件です。 第1審から、争点は一貫して特許無効の抗弁の成否であったようです。つまり、この特許は本来は無効になるものだから権利行使はできない、ということが言えるか否かです。 1審、2審では、特許無効の抗弁が認められました。原告は、数次にわたって訂正審判を請求して、特許権の範囲を狭めることを試みたということです。そして、第2審の判決後に、一部の請求項について訂正を認める審決を受けました。 原告は、訂正審決確定により、判決の基礎となる行政処分が変更になったことを理由に上告(上告受理申立)しました。 最高裁は上告を受けて判決を出しました。判決では、原告である上告人の上告を棄却しました。原告の行為は裁判を不当に遅延させるものであって、特許法104条の3の趣旨からみて許されないとのことです。 この判決には一人の判事から、判決には同意するが理由が異なるという意見も付されました。 その意見も長くてやや複雑なところがありますが、次の部分に注目しました。 「被告において,~特許無効審判が請求されているまでの必要はなく,~特許が無効にされるべきものと認められることを主張立証すれば足りるのと同様に, 原告において,同抗弁の成立を妨げるためには,既に訂正審判を請求しているまで の必要はなく,~訂正審判の請求をした場合には無効部分を排除することができ,かつ,被告製品が減縮後の特許請求の範囲に係る発明の技術的範囲に属することを主張立証すれば足りる。」 特許法104条の3が制定されたことから、侵害訴訟の場において、被告は、特許無効の抗弁をすることができるわけですが、この抗弁への対抗として、原告は、「(1)訂正審判をすれば無効部分を排除できること、(2)無効部分排除後も被告製品が特許権の技術的範囲に属すること」を主張立証すればよい(実際に訂正審判を請求しなくてもよい)ことが最高裁判事の意見として明示されました。 この意見に沿うとすれば、侵害訴訟の場で、特許無効の抗弁も、その抗弁に対して、「訂正したとした場合の特許性」を含む反論も、特許庁における審判を経ずにできることになります。今後の議論も注視したいですね。 ただし、特許無効の抗弁や訂正したとすれば云々の議論はあくまで当事者同士のことなので、第三者的効力を考えれば、審判の必要性は依然としてあると思います。
最終更新日
2008年04月25日 18時02分35秒
[特許事務(法律改正、外国情報、参考書)]カテゴリの最新記事
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