テーマ:食べ物あれこれ(49503)
カテゴリ:きみょうなもの(peculiar)
我が家では、いつもクマの形をした容器に入ったハチミツを使っている。
クマがかわいいからというよりは、それが一番使いやすいからだ。 ずいぶん昔の話になるが、買ってきたクマのハチミツの キャップ(クマの帽子の部分)の部分の嵌め込み具合があまく、 どうしても漏れてくるものがあった。 必ずおでこの部分から漏れてきて、鼻の脇を伝わり 目の下のほっぺたの上の部分に溜まって涙のように見えるので 「涙を流す奇跡のクマ」と呼ばれ、食料品の戸棚に鎮座していた。 その頃は、北カリフォルニアに住んでいたのだが その年は長雨で、菜っ葉類やイチゴなどの不作が続いていた。 もともと雨の少ない土地。日本のように歩道の端々に排水溝の入り口があるわけでもなく 大雨が降ると大洪水となるため、出かけるのが非常に苦痛だった。 そんな毎日の雨にうんざりしていた、ある日の朝…。 まだ半分寝ている目をこすりこすり、ベッドルームから出てくるといつもと様子が違う。 ふと見ると、長い、長い、黒い一本の線が リビングルームの端からキッチンの端まで続いている…。 長雨に悩まされていたのは、どうやら私だけではなかったようだ。 奇跡のご利益に預かろうとする巡礼のアリにぎっしりと囲まれ 「奇跡のクマ」は「奇跡の黒クマ」へと変身を遂げていたのであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[きみょうなもの(peculiar)] カテゴリの最新記事
|
|