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テーマ:将棋について(1292)
カテゴリ:詰将棋・フェアリー・作図
森長宏明氏の「桃源郷」。昭和59年に「近代将棋」に発表された作品ですが着想から完成まで実に10年もかかったそうで・・・塚田賞受賞作です。 ▲8七飛 △7六玉 ▲7七歩 △同 と ▲同 飛 △8六玉 ▲8七飛 △7六玉 ▲7七歩 △6七玉 ▲7六角 △同銀右 ▲同 歩 △同 玉 ▲7七歩 △6七玉 ▲7六銀 △同 銀 ▲同 歩 △同 玉 ▲7七歩 △6七玉 ▲7六銀 △同 角 ▲同 歩 △同 玉 ▲2一角 序奏はと金を剥がして銀2枚を剥がし、角を剥がしてそして2一角・・・ この遠角の意味は・・・。6五角と角合が本手順ですが6五香と移動合をすれば、7七歩~8五飛~6五飛という手順で詰みます。このための2一からの遠角だった訳です。 △6五角 ▲7七歩 △6七玉 ▲1二角成 △5七玉 ▲1三馬 △6七玉 ▲2三馬 △5七玉 ▲2四馬 △6七玉 ▲3四馬 △5七玉 ▲3五馬 △6七玉 ▲4五馬 △5七玉 ▲4六馬 △6七玉 ▲7六歩 △同 玉 ▲7七飛 △8六玉 ▲6四馬 そして7七歩、6七玉に1二角成。ここから馬ノコが始まります。2一に打った角が1二に成って、1三・2三・2四・3四・3五・4五・4六と来て、そして玉を8六まで追って6四馬・・・ 6四馬、同香、8七香、同角成。このために角合が必要だった訳です。そして角を入手して再び2一角・・・これがこの作品の狙いだったのです。 △同 香 ▲8七香 △同角成 ▲同 飛 △7六玉 ▲2一角 △6五角 ▲7七歩 △6七玉 ▲1二角成 △5七玉 ▲1三馬 △6七玉 ▲2三馬 △5七玉 ▲2四馬 △6七玉 ▲3四馬 △5七玉 ▲3五馬 △6七玉 ▲4五馬 △5七玉 ▲4六馬 △6七玉 ▲7六歩 △同 玉 ▲7七飛 △8六玉 ▲6四馬 △同 香 ▲8七香 △同角成 ▲同 飛 △7六玉 ▲2一角 △6五角 ▲7七歩 △6七玉 ▲1二角成 △5七玉 ▲1三馬 △6七玉 ▲2三馬 △5七玉 ▲2四馬 △6七玉 ▲3四馬 △5七玉 ▲3五馬 △6七玉 ▲4五馬 △5七玉 ▲4六馬 △6七玉 ▲7六歩 △同 玉 ▲7七飛 △8六玉 ▲6四馬 △同 香 ▲8七香 △同角成 ▲同 飛 △7六玉 ▲2一角 △6五角 ▲7七歩 △6七玉 ▲1二角成 △5七玉 ▲1三馬 △6七玉 ▲2三馬 △5七玉 ▲2四馬 △6七玉 ▲3四馬 △5七玉 ▲3五馬 △6七玉 ▲4五馬 △5七玉 ▲5八歩 △同 と ▲4六馬 △6七玉 ▲6九龍 △同 と ▲7六歩 △同 玉 ▲7七飛 △8六玉 ▲6四馬 △9五玉 ▲8七桂 △同角成 ▲8五金 △同 玉 ▲8七飛 △8六香 ▲9七桂 △9五玉 ▲7三角 △8四香 ▲同角成 △同 玉 ▲8五香 △9三玉 ▲8三香成 △同 玉 ▲8六飛 △同 桂 ▲8五香 △8四香 ▲同 香 △9三玉 ▲9五香 △9四香 ▲同 香 △同 玉 ▲9五歩 △同 玉 ▲8七桂 △8四玉 ▲8五香 △9三玉 ▲9五香 △9四桂 ▲7五馬 △8四香 ▲同 馬 △8二玉 ▲6二馬 △8三銀 ▲8一金 △同 金 ▲9三銀 △同 玉 ▲9四香 △同 銀 ▲8四馬 △9二玉 ▲9三香 △8二玉 ▲7四桂 △7二玉 ▲6二馬 まで199手詰 香の柱を崩す『香はがし』。それを遠角から馬ノコで実現するという構想でした。収束に入る前に5八歩から1歩入手しておく所も芸が細かい。 「妖精達の踊りのような軽快なはがし趣向で幕が開く」「虚空に生じた角が馬となり」「空中の階梯を舞い降りてきたかと思うと、6四でフッと消える」「盤面から一旦消えた香が次々と出現してくる光景は、まるで仙人の幻術でも見ているかのようである」 まさに桃源郷と呼ぶのに相応しい作品ではないでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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