映画「世界最速のインディアン」を見て
先日、久し振りに試写会に行きました。映画はアンソニー・ホプキンス主演の「世界最速のインディアン」。1967年にバイクで世界最速を記録したバート・マンローの物語。ニュージーランドの片田舎で年金生活を送る63歳の彼が、バイクで世界最速を記録するという夢を捨てきれず、一大奮起してライダーの聖地アメリカ・ヴォンヌヴィルへ。バイクは、当時でも40年以上前のモデル「インディアン」で、資金不足のため手作りのパーツで型破りな改造を施したモノ。アメリカへは貨物船に乗り込んで渡るが、聖地に着くまでにも色々な苦難が・・・。到着してからも、レースの出場さえ中々認められず、相手にもされません。ところが、彼の情熱と人徳が周囲の人を変えていきます。そして記録を作ります。驚くべきことに1000cc以下のクラスのバイクでは、彼の記録はいまだに破られていないとのこと。40年前に80年前のバイクを使って出した記録が、未だに世界最速なんてスゴイ!!バイクの世界のことは全く知らない私でも、この映画を通してバート・マンローという人物を知って、ひどく感動しました。金もなく若くもない男がバイクで世界最速を記録・・・。彼こそは真の「ロック野郎」です!実は、この映画にはもう一人の「ロック野郎」がいます。バート・マンローの生き様に魅了されたこの映画の監督です。ニュージーランド出身のロジャー・ドナルドソン。バート・マンローの偉業を1971年にドキュメンタリーにしたけど、それに満足することなく映画化を目指すわけですが、納得のいく脚本ができるまでチャンスを何度となく断り、今回の映画化に至るまで実に34年!ここにも熱い「ロック野郎」がいたのでした。バート・マンロー演じるアンソニー・ホプキンスも、円熟味溢れる演技で、ある意味「ロック野郎」な一面も。「熱い心」を忘れていない人も、「熱い心」をどこかに置き忘れてしまった人も、この映画を見て熱くなりましょう!