036803 ランダム
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知恵への愛(うそですww)

mission10

Mission10「クロック人襲来!!」

  とある日           レグルス艦内ブリーフィングルーム

「・・・・Jだ!!」
フォンが机の上にJのトランプが出す。
「ふん,K。」
ミツユキがKを出す。
「・・・」
レンが無言でAを出す。
「それじゃぁ,2です!!」
ミルが元気よく2を出す。
そう。
聞いての通り,彼らはトランプの「大富豪」をしていた。
「じゃあ。3!!」
ミルが3を出す。
「よぉし。八切りだ!!」
フォンが8を出す。
「あっ。ずるいですよぉ。」
ミルが反抗する。
「ルールだから!!」
フォンは笑う。
「そんなことより速く出せ。」
ミツユキの催促。
「よぉし!!革命!!」
4,4,4,4。
「そうか・・・じゃあ。これ。」
でました。
3,3,3,JOKERの革命返し。
「あ・・・。」
フォンが唖然とする。
「そしてあがり。」
ミツユキがAを出す。
「・・・」
レンがミツユキのAを横に流し,6を出そうとしたそのとき。
『ミツユキさん。メインコンピュータが何者かにハックされています。』
ヨウからの通信が入る。
「そうか。すぐに向かう。」
あくまで冷静なミツユキだった。
「総員,第一種警戒態勢だ。」
ミツユキはフォンに向かって言う。
「り,了解!!」
それを聞くなりミツユキとミルは部屋から出ていってしまった。
「・・・。」
「・・・。」
沈黙。
この部屋にはレンとフォンしかいない。
「あ,あのぉ・・・」
フォンが気まずい雰囲気を壊そうとしたそのときだった。
ウィーン
ドアが開き,そこには身長60cmほどの人影が浮いていた。
「だれだ!!」
フォンが聞く,がその人影は手に持ったロケットランチャーをこちらに向ける。
「マジか!?」
そうフォンが言う間もなくランチャーのトリガーが引かれ,ブリーフィングルー
ムがこなごなになる。
「ミッション完了。」
人影は腕の通信機に向かってそう言った。
が,この程度で死ぬジ・アース人ではなかった。
「てめぇ!!」
フォンは紅鶴,レンはエクツォーンを装備して反撃を開始する。
「いや,ミッション継続だ。」
再び通信機に言い,空高く跳び上がる。
それを追いかけてフォン達もプラズマGエンジンで追いかける。
「お前。目的は何だ!!」
フォンが怒鳴って切りかかり,レンが援護のビームを連射する。
が,その全てを軽々と避けてどこから出したのか人影の身長より長いスナイパー
ライフルを構える。
「ASCPそのものだ!!」
トリガーが引かれ,レンに直撃する。
レンの回避能力が悪いわけではない。
その人影の命中力とスナイパーの性能が圧倒的に強かったのだ。
「レン!!」
レンはそのままレグルスの方に落ちていく。
気を失ったようだ。
「後はお前だ。」
そう言ってスナイパーライフルを消してフォトンブレイドを持つ。
「(こいつ。強い。)」
フォンは紅鶴を構え直した。

                 レグルス艦内メインコンピュータルーム

「ミル。そっちはどうだ?」
ミツユキがすさまじいスピードでキーボードを打ちながらミルに聞く。
「ダメです。ファイヤウォールに続き,アクアウォールも突破されました!!現
在,システムの68%が乗っ取られています!!」
同じくミルもキーボードを打ち込みながら状況を報告する。
「ウインドウォールとグランドウォールだけは死守しろ!!グランドウォールの
先には星間裁判所の中枢サーバーがあるからな!!」
「了解!!」
しばらく二人が話していると部屋に振動が走る。
「あっ!!ブリーフィングルームが破壊されました!!」
「二人がなんとかしてくれるだろう。こちらに集中しろ!!」
「あ,はい!!・・・あぁぁぁ!!」
「こんどはなんだ・・・なに!?」
二人のコンピュータには撃墜されるレンの姿が移っていた。
「くっシステムの復旧を急がなければ!!こうなったら。」
ミツユキが自分のコンピュータに赤いメモリースティックを差し込む。
「ま,まさか。」
ミルが驚く。
「君は復旧とプロテクターの強化を急げ。私は・・・」
ミツユキは一呼吸入れる。
「カウンターハッキングをする。」
「そ,それって逆に仕掛けてきた方をハッキングするって奴ですか?」
「話している時間はない!!急げ!!」
ミルは自分のコンピュータに向き直る。
ミツユキはテクノバイザーを使って手で打ち込む入力と脳波による入力と言う神
技を始める。
これにより,入力速度は2倍になるがミツユキには極限の集中力が必要とされる。
そのとき。
「ふはははははははは!!天下のASCPも地に落ちたな!!」
入口の扉が開いて身長60cm位の人影がふわふわと浮かんで入ってくる。
「お,おばけ!?」
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ※←キーボードの音」
ミルは思いっきり動揺する。
「お,おばけではなぁい!!計時星雲第4惑星クロックのE・D自称大尉だぁ!!」
「け,計時星雲?そんな星雲あったかな?」
「ば,ばかにしてんのかぁ!!」
そんなばかばかしい会話には間もくれずにキーボードを撃ちまくるミツユキ。
そんなミツユキにE・Dの目がいく。
「おやおやぁ?ピンチの時にも入力かな?」
E・Dがビーム砲を構える。
同時にミツユキもENTERキーを押す。
「残念だったな。あと私がENTERを押すだけでハッキングは完了し,この船のセキ
ュリティシステムが復帰してお前は蜂の巣になるよ。」
「ふ,ふ,フンだ。そ,そんな脅しには引っかかんないからな。」
思いっきりおびえた声でE・Dが言う。
するとミツユキは笑って言う。
「いいのかなぁ?押しちゃうよ?ココ。」
「そ,それは・・・」
E・Dの頬を一筋の汗が垂れる。
「じゃぁまずは武器を捨ててもらおうかな?」
あいかわらずミツユキは笑っている。
「ぐ,ぐぐぐ。」
E・Dはたじろく。がすぐにその顔が笑顔に変わる。
ピーン
「なっ!!」
「えっ!!」
ミツユキとミルは同時に振り向く。
そこには完全に占拠されたことを示す文字が出ていた。
「勝った。フフフ。死ねぇ!!ASCP!!」
E・Dが銃を向ける。
ガシィ
「んあ?」
E・Dの頭がわしづかみされる。
「いででででででで!!!」
そこには、レン・カスパルがいた。
左腕のテクノスーツのアーマーが砕け散って中の地肌はやけどをおっている。
ジ・アース人だからこそ、こんな軽傷ですんだのだ。
「レンさん!!」
とミル。
「お、お前は・・・O・Dは仕留めそこなったか。」

                    レグルスの外

「奥義。気抱殺!!」
フォンが身にまとった殺気を放つ。
「ばかめ!!」
またもや突然出てきたシールドに防がれる。
「くらえ!!」
人影はスナイパーライフルを構える。
「そう何度も同じ武器が・・・・」
トリガーが引かれ、ビームの光条が今にもフォンを貫くかに見えた。
「通じると思うなぁ!!」
フォンは紅鶴でビームを弾く。
「なにっ!!」
人影は相当驚いたようで、急接近するフォンに気づかなかった。
「『大富豪大会』をむちゃくちゃにした恨み!!」
今にも切りかかろうとしたその瞬間。
『やめろ。』
ミツユキの声がして剣先がピタリと止まる。
『敵の大将、E・Dを捕獲した。そこの・・・O・Dも降伏したまえ。』
O・Dはフォンのテクノバイザーに移された縄でぐるぐる巻きにされて捕獲されているみじめなE・Dを見ると
「に、兄さん!!」
と叫ぶ。
「へ?兄さん?」
フォンが驚く。
『安心しろ。E・Dの安全は保障する。それよりも話が聞きたい。』
「・・・わかった。」

                   レグルス艦内ブリッジ

レグルスのブリッジにはASCPのメンバーの他に3人の人影があった。
「で?君達の目的は?」
ミツユキが聞く。
「ずばり世界制服!!」
とE・D。
「「「「・・・・・・・」」」」
レンはもちろんの事、誰もが言葉を失う。
「で?まず君、R・Dがメインコンピューターにハッキングしてきたの?」
ミツユキは一番小さな女の子とおぼしき人影、R・Dに聞く。
「は、はい。私がハッキングしました。」
しょんぼりした顔をしている。
「きみの敗因は4重セキュリティ構造の後にもう一層のセキュリティがあったことを見抜けなかったことと、グランドウォールの解析に思いのほか時間をかけてしまったことだ。それ以外は完璧だった。久々に手に汗にぎったよ。」
もはや説教を通り越してアドバイスである。
「あ、ありがとうございます!!」
R・Dは一気に明るくなる。
「それからO・D。君の時限転送装置を利用した攻撃と命中力はすばらしい。家のレンでさえもよけきることが出来なかったそうだな。たいした物だ。」
おなじく説教を通り越してホメコトバ。
「ふ、フン!!」
O・Dはそっぽを向く。
「そして、君達の一番の敗因・・・。それはE・D。お前だ!!」
その言葉を聴いてE・Dはギクリとする。
「お、俺!?」
「そうだ、貴様だ!!おそらく貴様が指揮官だろう?」
再び聞く。
「あ、当たり前だ!!俺以外に誰が指揮官をやるんだ!?」
逆に聞き返すが、
「いや、この2人だったら指揮官がいなくても星間連合ぐらいは落とせるかもしれないな?」
そのとき、E・Dにある考えが走った。
「(もしかして・・・・俺・・・足引っ張っちゃった?)」

    次の日          レグルス艦内司令室

「はい。そうです。」
ミツユキが通信機に話しかける。
「しばらく彼らはこの艦の独房に入れておきます。はい。それじゃあ。」
通信機を切る。
「(まったく。最近は面倒なことばかり起きるな。)」


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