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メソポタミア文明以前、BC1万8000年頃からBC7000年頃まで、 パレスティナを中心に、 一つの「文明」が「継続的」に発展してきたことが解かっています。 BC7000年に何があったか分かりませんがパレスチナは衰退し文明はアナトリアに移行し ここで自然銅の発見により、さらに銅の採集のために人類は世界へ散っていったと考えられます。 私が気になるのは、アナトリアでの黒曜石採掘の民族の分布です。 アナトリアは黒曜石の原産地ですが、大きく分けて二つあり 一つはキズル・イルマク川の南岸のカッパドキア周辺 またもう一つは、アナトリア東部のヴァン湖の北岸地帯です。 さらに詳しく見ると、カッパドキア系の黒曜石にも二系統あり チフトリックとアシゴルに分かれます。 両者は数十キロメートルしか離れていませんが チフトリック産の黒曜石は、キプロス島の南部、死海の南、アナトリアのチャタルフュイック、 メルシンなどの地域で発見されていますが、これらの地域では、別の産地の黒曜石と混在しています。 チフトリック産の黒曜石は、アナトリアでは余り発見されず、もっぱらイェリコを初めヨルダン川流域で 発見されていることから、チフトリックは、イェリコを中心としたパレスティナ系の人々によって 開発された可能性が高い。 アシゴル産のオブシディアンの分布はチャタルフュイック、およびその西方、ハシラーに至る 地域でのみ発見されています。 興味深い点は、チャタルフュイックからチフトリック産と アシゴル産の両方の黒曜石が半々発見されていることです。 一方、ヴァン湖系の黒曜石の産地は多数あります。しかし、とくに重要なのは ヴァン湖の西岸のネムルト・ダグとスファン・ダグです。 これらの黒曜石はチグリス川およびその支流地域を中心に、ユーフラテス川沿岸 そしてイラン南西部のスーサ辺りから出土しています。 カッパドキア系とヴァン湖系の分布は比較的はっきりと分かれており 前者はアナトリア南部からパレスティナにかけての地域 後者はチグリス川とユーフラテス川流域が中心です。 しかしヴァン湖系の分布は、一部がカッパドキア系の範囲に混在しています。 それは、パレスティナとチャタルフュイックを中心としたアナトリアの一部です。 この場合、どんな推理ができるのでしょう。 初めて農業に着手したエリコを中心としたパレスティナ人の社会に、次第にライバルが 現れるようになったのでしょうか。そこで彼らは、カッパドキアまで出掛けて行き、黒曜石を 採取し武装することを余儀なくされた。この段階で、アナトリアへ農業技術が伝わったのでしょうか。 パレスティナ文明圏はアナトリアまで範囲を広げ、その中からチャタルフュイックが発展してくる。 しかし、やがて、ヴァン湖の黒曜石が開発されるようになる。 どうやら、それは、パレスティナ系とは別系統の人種によって行なわれた? 彼らは、だんだんとパレスティナ系を圧倒していった。 チャタルフュイックは最初チフトリック産の黒曜石を開発したパレスティナ系の人々が 住み着いたが、後になってアシゴル産の黒曜石の利用者が取って代った。 分布の地域性からして、ヴァン湖地域の黒曜石が、ハスナ期以降の北メソポタミアの興隆に 密接に関係していたと考えられます。ここで重要なのは、ヴァン湖周辺といえば、我々のルーツ ウラルトゥ=フツリ人の故地だということです。 チャタルフュイックは、BC6850年頃からBC6300年頃まで人間が住み着いていたといいます。 自然銅を拾い始めるとすると、川の少ないアナトリア高原よりも、支流の多いチグリス川流域の 魅力が増します。この流れで考えると、北メソポタミアに現れたもっとも古い土器文明、ハスナが 現在の北イラクのモスル周辺に位置している点が興味深い。 原ハスナから発展したと考えられるサマラ期の文明がBC6300年頃からBC6100年頃ですから ハスナ期はもう少し古く、チャタルフュイックがまだ存在していた時代に起源を持っていると考え られます。あるいは、ハスナ期には、チャタルフュイックの出店的存在だった北メソポタミアが その後サマラ期になると、なんらかの理由で、本部のチャタルフュイックの勢力が全体として 移動してきて、アナトリアを空洞化するとともに、メソポタミア文明の原動力になったのではないか。 ェリコからチャタルフュイックへ、そしてメソポタミアへと、文明の継続性は保たれていたのです。 そこで農耕をする人々と農耕をしないで採鉱をし運搬をする人々に分かれるのです。 採鉱をする人々は遊牧民族となり農耕する人々との交易が始まり海に陸へと商人になって 大きく貿易が発展して彼らは移動していったのです。 その出発点がアナトリアだったことは間違いないように思います。
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最終更新日
2014/02/27 10:32:32 PM
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