テーマ:BAR大好き!!(731)
カテゴリ:BAR
「サンボア」BARについては、これまでにも何度か取り上げた(例えば、05年3月12日の日記)が、大阪・京都・銀座に計11軒を店を持つ老舗BARチェーンである。その特徴は、時空を超えたようなレトロな空間と、氷を入れないハイボール(これは、今では「サンボア・スタイル」と言われるまでになった)。
そんなサンボア・グループの中にあって、異色の存在が「祇園サンボア」(写真左)。他の店は濃いマホガニーの英国パブ調の扉が多いが、この「祇園サンボア」はお茶屋のような雰囲気の扉。そして、その扉の前に「サンボア」と記した暖簾(のれん)が。 右から左へ読ませる「サンボア」の文字は、この酒場を愛した作家の故・山口瞳さんの筆になるもの。山口さんは京都を訪れるたび、足繁くこの「祇園サンボア」に通ったという。 その山口さんが、初代マスターが80年代前半に亡くなった際、二代目を急遽継いだ奥さんに贈ったのがこの暖簾だ。暖簾は常連をつなぎ止め、奥さんを助けた。そんな山口さんに感謝を込めて、暖簾はきょうも店を守る。 「祇園サンボア」は祇園の中心部から少し離れたエリアにある。初めての人はまず迷うし、場所柄、客の常連度は7割を超える。おまけに一見、小料理屋のような風情だから、扉を開けるのに勇気が要るが、祇園にありがちな「一見さんお断り」の店ではない。 初めての方は、常連の中で、自分だけ浮いてしまわないかと不安になる。でもいったん「祇園サンボア」の世界に足を踏み入れると、そんな思いは杞憂だと知る。 三代目マスターのNさんは、貴方をとびっきりの笑顔で迎えてくれる。うなぎの寝床のような細い店内は「十三トリス」にも雰囲気が似ている(老舗に共通する何かがあるのかも…)。でもここは京都。店の奥に坪庭を見つけると、ちょっと嬉しい気持ちになる。 僕はここではいつも美味しい「ハイボール」。他のものはほとんど飲まない。お邪魔するのはBAR巡りの最初か、最後と決まっている。付き出し代わりに供される「ハムサンド」(写真右)がまた旨い(ほかのサンボアでは「ローストした南京豆」が多いかな…)。 「ハムサンド」は、BAR巡りのスターターとしてはアルコールから胃を守るのに最高の脇役。そして、その夜の「締め」には、小腹がすいている頃なのでちょうどいい。 帰り際、マスターはいつも店の表まで出てきてくれる。「また、ぜひお越しを」と深々としたお辞儀で見送ってくれる。そんな酒場は、京都だって少ない。心憎いくらい優しく、丁寧な接客。だから、僕はまた来たくなる。 【祇園サンボア】京都市中京区祇園南側有楽町570 電話075-541-7509 午後6時~午前1時(日祝は午前零時まで) 月休 こちらもクリックして見てねー!→【人気ブログランキング】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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