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Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2009/09/08
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テーマ:中国&台湾(3299)
カテゴリ:
 夏休みをもらって、連れ合いと二人で中国・上海に3泊4日の旅に出かけてきた。中国語圏へ旅するのは、香港、台湾に続き、3度目。香港に行ったのは中国返還1年前だったので、中国領の本土に足を踏み入れるのは、今回が初めてである。上海17

 世界が同時不況に苦しむ中でも、中国は(ひと頃よりはペースダウンしたとはいえ)なお経済成長を続けている。その中国でも、流動人口も含めると1800万人の人口を抱える最大の経済都市、上海の急成長ぶりは目を見張るものがある(写真右=上海・浦東国際空港のターミナルビル)。

 そんな上海の「今」を、租界時代の雰囲気が残っているうちに体感してみたいと思ったのが、今回の旅の大きな理由。いつものように団体ツアーではなく、往復の航空便とホテルがセットになっただけの、完全なフリー・プランの旅である。上海16

 「フリー・プラン」だと、自分たち行きたいところへ行けて、食べたいところで食べれて、お仕着せの観光ツアーでは味わえない時間が過ごせる。ガイドがいない分、それなりにハプニングや苦労も多いが、それも含めてが旅の面白さ(写真左=空港からは最高時速430kmのリニア・モーターカーが市内とを結んでいる)。

 中国語は昔、独学で少し勉強したことがあるのと、香港、台湾での旅の経験でクソ度胸だけは少しはあるので、食事や買い物、ホテル周りくらいなら、まぁなんとかなるが、込み入った内容になるともうお手上げ。でも、可能な限り現地の言葉を喋り、地元の人と直接、生の言葉でコミュニケーションができる楽しさは何ものにも代えられない。上海15

 さて、前置きが少々長くなったが、関西空港発のCA(中国国際航空)922便は、わずか2時間で上海・浦東(プートン)国際空港に無事到着。わずか2時間。飛び上がったと思ったら、もう着陸のために高度を下げ始めるようなフライトだ(写真右=市内のあちこちに上海万博PRの立て看板が)。上海14

 改めて、日本と中国は近くて遠い国だけど、これだけ時間的距離が近いのだから、もっと人が行き来すればきっと、さらに理解は深まり、仲の良い隣人になれるはずだと思う。なにより世界中さがしても、漢字を使い、お箸でご飯を食べるのは、中国人と日本人だけだ(写真左=上海万博の中国館もすでに姿を現していた)。

 なお、これだけ資本主義経済に組み込まれているのに、CAのアテンダントはまったく無愛想だ。ひと頃言われたように、おしぼりを投げてよこすということはなかったが、笑顔はほぼゼロ。乗客に笑顔を見せたら損をするとでも思っているのだろうか…。上海13

 さて、滞在中の宿は南京東路駅近くの「南京飯店」写真右=で、日本で言えば、新宿か道頓堀の混沌と喧噪のすぐそばというロケーション。でも幸い、ホテルのある中山南路には警察の出張所があり、深夜でも警官が出入りしているので安心だ。

 南京飯店は1931年創業の古い建物で、租界時代からある怪しげなホテルという雰囲気。最大の魅力は、立地の良さである。上海最大の観光スポット「外灘(ワイタン)」=写真左=にも、市中心部の地下鉄のメイン・ターミナル「人民広場」にも徒歩10分圏内だから、使い勝手は最高だ。上海2

 ただ、5年前にリニューアルしたと言うが、設備はそう立派なものではない。部屋は暗いし、ドアの建て付けもいまいち。セイフティ・ボックスも部屋のカード・キーを使うので、開け閉めしている間は部屋の電気は消えてしまうのが困る。

 しかし部屋のシャワーのお湯はちゃんと出たし、トイレもちゃんと流れたし、エアコンも効いたし、泊まるだけなら、何の問題もない(冷蔵庫がないのは唯一不満だったが…)。おまけにホテルのすぐ前には24時間営業のコンビニもあり、とても便利だ。

 さて、チェックインを済ませた我々は、早速街へ。とりあえず、もちろん外灘に向かった。ホテルからまっすぐ西へ歩くと、あの絵葉書で見た黄浦江沿いの近代建築群(19世紀後半~20世紀前半)があった!=写真左上海7

 神戸や横浜でもこれほど多くのビル群は今では残っていない。ただ、ただ素晴らしいの一言。ひと頃は、租界時代の古い建物をどんどん壊して、再開発のために建て直していた上海市だが、最近は、保存すべき地区や建物は壊さず残していこうという方向へ転換したとのことだ(写真右=晩ご飯を食べた杭州料理店「南麓碧郷」)。

 中国の人にとっては、租界(欧米列強や日本の植民地)時代の思い出は「負の遺産」かもしれないが、負は負として後世に伝えていくことも、僕は必要なことだと僕は思う(それが結果的に、古き良き上海の雰囲気が守られていくことになれば、それも良いことだと)。上海5

 それにしても、上海の街の第一印象は「ほこりっぽい」。急成長に加えて、来年2010年5月に開幕する上海万博のために、市内は今、あちこちで建設、道路工事だらけ。夜も工事をしているところもある。粉塵対策なんてあまりない、いい加減なお国ぶりだから、街全体が埃っぽくて、煙っているのである。

 さて上海初日の晩ご飯は、上海料理という案もあったのだが、せっかくなので、日本ではあまり味わえない中国の地方料理の店にしてみようということになった。上海4 僕らが選んだのは、外灘からすぐ近く、福州路と四川中路の交差点そばにある「南麓碧郷」という杭州料理の店(「地球の歩き方」の地図が間違っていたので、苦労したぞー!)。

 有名店・超人気店なら事前に電話か、昼間に近くまで行った際、ついでに夜の予約をしておくのだが、今回はまぁ2人だからなんとかなるだろうということで、とくに予約はせず。玄関にいた従業員に、「予約はしていないけれど、席はありますか?」と聞けば、「大丈夫です」とのお返事で、すぐ案内してくれた。上海6

 さて、杭州料理の代表格と言えば、「東坡肉(トンポウロウ)」(=豚の角煮)=写真左上。これは外せない。そして、おすすめメニューだと聞いてきた「西湖醋魚」(淡水魚の甘酢あんかけ煮)=写真右。これが黒酢を使っためちゃめちゃ旨い一品だった!

 さらに2品(野菜とキノコの炒め物、杭州風汁麺=写真左)を頼んで、計4品&ビールを2本飲んで、これでお勘定は164元(約2300円! 1元=14円で換算)。!! 店は結構おしゃれな、高級レストラン風だったのに…、こんなに安くて、本当にいいの?!上海10

 上海も物価は高くなったと言っても、食い物の値段はまだまだ安い!(観光客が集中するエリアは、たまに外国人料金高いこともあったが…)。ほんとに嬉しい! チップをあげたくなったが、地元の人に「(日本同様)チップの習慣はないので、不要です」と言われたので、やっぱりやめた。上海9

 さて、腹ごしらえも終わった後は、やはり「100万ドルの夜景」と言われる外灘の夜を楽しむしかない=写真左。で、大阪のバーテンダーさんから事前に教えてもらった「外灘5号」という古いビルの6階にある「The Glamour Bar」へ=写真右上海12
 
 この「外灘5号」=写真右=はもともとは日本資本で建てられたビルだという。外灘エリアではここ数年、こうした古い石造りの建物をおしゃれな複合ビルに改造する試みが盛んだ。

 「The Glamour Bar」は想像していたより広いBarだった。ゆったりとした空間に、カウンターやソファ席などが配置されている。ただ、1杯の単価は60~100元くらいと日本とほとんど変わらない。2人で2杯飲めば、この日の晩ご飯の店より高いお値段なので、当たり前だが普通の上海「庶民」の姿はまず見られない。客の8~9割は上海在住の外国人、旅行者で、中国語はほとんど聞こえてこない。上海8
 
 上海の街角では、ゴミ箱をあさっているような人たち(男も女も!)や、道路工事のために地方から出稼ぎに来て、そのまま路上にテントを張って寝ている労働者も結構目にした。経済発展とともに、貧富の格差も広がっているのが上海の現実のようだ。窓から見える素晴らしい夜景を眺めながら、少々複雑な気分になった。

 そんなことを考えながら、窓の外の川向こう、浦東地区を眺めたら、上海のランドマークとも言える、アジアNo1高さのテレビ塔「東方明珠塔」が、夜も更けてカラフルにライトアップされていた=写真左。黄浦江を見下ろすと、行き交う遊覧船まで電飾で飾られている。そういう意味でも、上海はまさに「光と影の都市」なのかもしれない。


 【南京飯店】上海市山西南路200号 【南麓碧郷】同市四川中路220号 【The Glamour Bar】同市外灘広東路20号6F

【その(2)へ続く】





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Last updated  2009/09/29 05:51:23 PM
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うらんかんろ

うらんかんろ

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汪(ワン)@ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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