4973352 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2011/02/25
XML
カテゴリ:カクテルブック
埋もれてしまった古い時代のカクテルブックの復刻作業に取り組んでいるうらんかんろですが、先日、あるBARのマスターから「**さん、そんなに古いカクテルブックに興味をお持ちなら、銀座のこのBARにはぜひ一度行ってみてください」と言われました。

 そのBARのマスターは、かつて業界のコンクールでも全国優勝したほど凄い実力の持ち主ということはもちろん知っていましたが、実は、「日本でも指折りの古いカクテルブックのコレクター」とのことです。そう聞いては、僕としてはぜひとも行かねばなりません。s-IMG_8336.jpg

 そういうことで先週、東京へ日帰り出張があった際、早速お邪魔してきました。その店の名は「Bar・Anthem(アンセム)」=写真左。マスターのAさんとは実は7、8年前に、彼が以前勤めていた霞が関の「ガスライト」というBarで一度お目にかかったことがあります。

 その際は店内がほぼ満員でとても忙しく、ほとんどお話をすることができませんでした。お勘定をする際、Aさんは「きょうは忙しくてまったくお構いできませんでしたので、チャージはいただきません」と言って、お酒の料金しか受け取りませんでした。その心憎い接客・サービスを僕は今でも鮮明に覚えています。だからAさんには好印象しか残っていませんでした。

 初めてお邪魔するAnthemは、銀座でも僕が以前よく訪れていた「ル・ヴェール」というBAR(現在はSマスターの故郷である秋田市へ移転)と同じビルの同じフロア(2F)にあったので、迷うことはありませんでした(ちなみにAnthemとは「聖歌、讃美歌」との意)。s-IMG_8330.jpg

 まずはAマスターに、大変長いご無沙汰を詫びるご挨拶。そして、まずはジン・リッキーを頂きつつ、早速、この夜の最大の目的であるカクテルブックのことに話題を移しました。

 「ブログで、秋山徳蔵さんという方の古い、おそらくは日本で最初のカクテルブックの復刻に取り組んだのですが、秋山さんの本のことは当然、Aさんもご存じですよね?というか、本も持っておられますよね?」と尋ねました。

 するとAさんは「えーっ、**さんだったのですか! 実は先日、うちのお客さんから『ブログでこんな連載(秋山さんの「カクテル・混合酒調合法」の復刻)をしている人がいるよ』と教えてもらったばかりなんです。そして、そのお客さんに『その連載、プリントアウトしておいてよ』と頼んだところだったんですよ!」と驚きの声を上げられました。s-IMG_8310.jpg

 自分で言うのもなんですが、「世の中狭い」と言うか、こんな絶妙のタイミング(の訪店)って、時々あるんですよね…。連載の話を聞いたAさんも、僕が(こんなにすぐに)突然訪れるとは思っていなかったでしょう。僕は、Aさんにブログのことを教えてくれたそのお客さんに感謝しなければなりません。

 それはともかく、僕は秋山さんの本の復刻版(小冊子)を一冊差し上げました。Aさんは「秋山さんの本は現物は知っているけれど、持っていないので嬉しいです」と言ってくださいました。僕はさらに「引き続いて前田米吉さんのカクテルブック(こちらはAさんは現物をお持ちでした)の復刻も始めているので、これも完成したらまたお届けします」と約束しました。s-IMG_8308.jpg

 Aさんの古いカクテルブックのコレクションは、Anthemのホームページ上でも少し垣間見ることができますが、実際店で見てみるとただ凄いの一言です。キャビネットの本棚一杯にコレクションが詰まっています。約200冊ほどが展示されていますが、これでもまだ蔵書の10分の1だとか。

 貴重なコレクションは(もちろん扱う作法と注意は必要ですが)実際に手に取って見ることもできます。Aさんはその中から、貴重本をいくつか見せてくれました。まずは、サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)の初版からまもなく出たという第二刷の本(おそらく1931、32年刊?)、ジェリー・トーマスのカクテルブックの次に出たという米国のカクテルブック「Apple Green's Bar Book」(確か1898年刊とか)=写真右上s-IMG_8329.jpg

 そして、なによりも驚いたのは、Aさんが「**さん、実は明治時代にも洋酒の本は出ているのですよ。一つにはカクテルのレシピも紹介されています。もう一つはお酒の造り方みたいな内容ですが…」と言って紹介してくれた2冊。

 1冊は「袋井五郎編・四季飲料混成方」(東京・有隣堂刊)という本=写真左上=で、明治40年(1907)の出版です。秋山さんの本の出版から遡ること17年前。内容はパンチ類の造り方が中心で、純粋な意味でのカクテルブックとは言えないかもしれませんが、カクテルもいくつか収録されています。s-IMG_8314.jpg

 もう一冊は明治20年出版の和書で、「新撰洋酒銘酒製造傳法簿」という本=写真右=で、明治23年(1890)の出版で、内容は純粋に(家庭で?)簡単にできるお酒の造り方の紹介という感じす。

 いやぁ…、古い酒類の本探しに注ぐAさんの情熱にはただただ頭が下がるばかりです。個人的には、こうした貴重な本や資料を公開・活用できる形できちんと管理してくれる機関・施設があってほしいと願います。メーカーさんが共同で設立してくないかなぁ…。

 Anthemでの楽しい時間は瞬く間に過ぎていきました。Aさんのコレクションの中にはまだまだ僕の興味をそそる本がいっぱいありました。近々また再訪したいという思いが、いま募っています。

 Aさん、温かいもてなしと美味しいお酒、そして素晴らしいコレクションの数々を拝見させていただき、本当に有難うございました。また近いうちに!

【Bar Anthem】東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル2F 03-5537-2545 午後6時~午前2時(土曜は午後5時~午前零時) 日祝休 (※ちなみに、現在放映中のテレビ朝日系のドラマ「バーテンダー」では、主演の相葉君らへの技術指導はAさんともう1人のバーテンダーの方が担当されていまーす。これも凄い!)。


こちらもクリックして見てねー!【人気ブログランキング】





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022/11/03 09:19:05 AM
コメント(0) | コメントを書く


PR

Profile

うらんかんろ

うらんかんろ

Comments

汪(ワン)@ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

Free Space

▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。

▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神戸の残り香 [ 成田一徹 ]
価格:1980円(税込、送料無料) (2021/5/29時点)


▼コロナ禍の家飲みには、Bar UKのハウス・ウイスキーでもあるDewar's White Labelはいかが?ハイボールに最も相性が良いウイスキーですよ。

▼ワンランク上の家飲みはいかが? Bar UKのおすすめは、”アイラの女王”ボウモア(Bowmore)です。バランスの良さに定評がある、スモーキーなモルト。ぜひストレートかロックでゆっくりと味わってみてください。クールダウンのチェイサー(水)もお忘れなく…。

Archives

Freepage List

Favorite Blog

「続^4・オムライス」 はなだんなさん

LADY BIRD の こんな… Lady Birdさん
きのこ徒然日誌  … aracashiさん
きんちゃんの部屋へ… きんちゃん1690さん
猫じゃらしの猫まんま 武則天さん
久里風のホームページ 久里風さん
閑話休題 ~今日を… 汪(ワン)さん
BARで描く絵日記 パブデ・ピカソさん
ブログ版 南堀江法… やまうち27さん
イタリアワインと音… yoda3さん

© Rakuten Group, Inc.