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Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2012/07/14
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【おことわり】レシピやスタイルは標準的なもので、絶対的なものではありません。文献やバーテンダーによっては違う割合、材料、スタイルでつくっていることもあります/レシピの丸カッコ内の数字(単位)はmlです。


◆カクテル ―― その誕生にまつわる逸話(2012年版:ABC順)(12)

 35. チェリー・ブロッサム(Cherry Blossom)【2016~19年改訂新版】で記述内容を更新しました。そちらをご覧ください。


  *************************************

 36. シカゴ(Chicago)

【レシピ】ブランデー(45)、ホワイト(またはオレンジ・キュラソー、トリプルセック)(10)、アンゴスチュラ・ビターズ1dash、シュガー・シロップ1dash(無しでも可)、シャンパン(またはスパークリング・ワイン、白ワイン)(適量)=最後にフロート、氷(ロック・スタイルの場合)、飾り=レモン・スライス  
 ※砂糖でスノー・スタイルにするのが一般的だが、しないこともある。
【スタイル】シャンパン以外をシェイクまたはステア 
【グラス】ロック・グラス(氷も)、シャンパン・グラス

 米国イリノイ州最大の都市、シカゴにちなむカクテルだが、誕生の詳しい経緯はまったく不明。シカゴ・トリビューン紙は「禁酒法(1920~33年)施行前の、19世紀にすでに誕生していたことは、当時の数多くのカクテルブックで裏付けられている」との記事を掲載している(出典:Wikipedia英語版 → 原資料はRaise your glass to toast the cocktail:Museums salute 200 years of the mixed drinks/Chicago Tribune、July 12. 2006)が、これには異論も出ている。

 シカゴのレストラン評論家、ジョン・ドゥルリーは、彼が1931年に著したガイドブックのなかでシカゴ・カクテルを紹介し、「もともと(フランスの)ニースやロンドンにあったアメリカン・バーで飲まれていたものが、その後シカゴに伝わった」と記している(出典:同 → 原資料はDining in Chicago/John Drury著)。

 また、リー・ゼルデスという作家はその著書で「シカゴで誕生したカクテルかどうかは分からない」と記している(出典:同 → 原資料はDining Chicago:Chicago’s Restaurant & Entertainment Guide/Leah Zeldes著、2009年刊)。

 サヴォイ・カクテルブック(1930年刊)にも登場しており、欧州でも1920年代には普及していたことは間違いない。禁酒法廃止後まもなくに出版されたミスターボストン・バーテンダーズ・ガイド(1935年刊)でも紹介されており、禁酒法期間中も“もぐり酒場”などでは、おそらく隠れて飲まれていたと思われる。ただ、近年のカクテルブックでは取り上げられることが少ない「忘れられたクラシック・カクテル」の一つとも言える。

 ちなみにシカゴ市の人口は約300万人で、ニューヨーク、ロサンゼルスに次いで全米3位。「シカゴ」とは元々先住民のアンゴンキン語族のインディアンの言葉で、「ニンニク畑」の意味で、この辺りにニンニク畑が多かったことに由来するという(出典:Wikipedia日本語版)。

 【確認できる日本初出資料】カクテルの本(間庭辰蔵著、1959年刊)

  *************************************

 37.チチ(Chi-Chi)

【レシピ】ウオッカ(45)、パイナップル・ジュース(100)、ココナツミルク(30)、クラッシュド・アイス、飾り=マラスキーノ・チェリー、カット・パイナップル
【スタイル】ブレンダー  【グラス】サワー・グラス

 代表的なトロピカル・カクテルの一つ。ハワイ生まれの比較的新しいカクテルで、1960年代の誕生とも伝わるが、明確な裏付け資料は現時点では見当たらない。

 「チチ」の語源はフランス語の「シシ」で、本来は女性用ブラウスの胸元にあるフリルのことを意味したが、米国に渡って「格好いい」「粋な」「スタイリッシュ」という意味の俗語となったという(出典:サントリーHP等多数)。

 誕生当初はラム・ベースだったが、その後生まれた「ピーニャ・コラーダ」というカクテルと差別化を図るために、ウオッカ・ベースに変わったという説もある。

 知名度は結構高いが、欧米のカクテルブックで紹介している例は意外と少なく、現時点確認できているのは「ニューヨーク・バーテンダーズ・ガイド」(Sally Ann Berk著、1995年)と「クラフト・オブ・ザ・カクテル」(Dale DeGroff著、2002年刊)くらい(Webの専門サイトでは幾つも紹介例はあるが)。

 日本のBarで認知されるようになったのは、70年代に入ってから。サントリーのトロピカルカクテル・キャンペーン(1979年~80年代前半)を通じて、一般にもさらに名前が知られるようになった。

 【確認できる日本初出資料】バーテンダー教本(銀座サントリー・カクテルスクール編、1970年刊)


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Last updated  2021/07/03 11:03:22 AM
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うらんかんろ

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汪(ワン)@ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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