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カテゴリ:日本SF・ファンタジー
天涯の砦
軌道ステーション〈望天〉で破滅的な大事故が起き、宇宙の虚空へと吹き飛ばされた構造体は漂流を開始する。 真空に晒された構造体内に残されたわずかな気密区画には、医師や技術者、子供など数人の生存者が生存し、空気ダクトによる声だけの接触を通して生存への道を探る。 ◆ 短い紹介文を読んで、トム・ゴドウィンの「冷たい方程式」のようなシチュエーションを想像して読み始めたのですが、逼迫した危機を乗り越えるというよりは、生存者同士の人間関係や、生存者の背景がストーリーに絡み合ったクライシスノベル。◆ さすがに俊英・小川 一水だけのことはあって、文章も悪くないし、登場人物もよく書けている。ただし、ラリイ・ニーブンのノウン・スペースシリーズみたいなシリーズものの一編を読んだような読後感。 この一編で、物語が閉じたのは惜しい気がしました。 ◆ “天涯の砦”という題名だけど、この作品世界では、ある程度月開発が進んでいて、月=地球間のストーリーに「天涯」という題名は、そぐわない気がしました。「砦」は、過酷な宇宙空間に対しての意味なのだろうけど、それほどハードな状況でもない。 (だからといって、物語が面白くないという訳ではありませんから誤解の無いように。) ◆ ハヤカワSFシリーズJコレクションは、こうじゃなくちゃ・・・という本格SFでした。小川 一水は、何作も続けて読みたい作家です。 野尻抱介(著)「沈黙のフライバイ」 ◆筒井 康隆 (著)「銀齢の果て」 ◆小松左京 /谷甲州(著)「日本沈没(第2部)」 ◆山田 正紀 (著)「神狩り 2 リッパー」 ◆谷 甲州 (著)「パンドラ (上) (下)」 ◆小川 一水 (著)「老ヴォールの惑星」 ◆谷口 裕貴 (著)「ドッグファイト」 ◆町井 登志夫 (著)「血液魚雷」 ◆藤崎慎吾 (著)「ハイドゥナン〈上〉〈下〉」 ◆林 譲治 (著)「ストリンガーの沈黙」 ◆石黒 耀 (著)「死都日本」 ◆池上 永一 (著)「シャングリ・ラ」 ◆恩田 陸 (著)「ねじの回転」 ◆機本 伸司 (著)「メシアの処方箋」 ◆機本 伸司 (著)「僕たちの終末」 ◆荒俣 宏 (著)「妖怪大戦争」 ◆菅 浩江 (著)「おまかせハウスの人々」 ◆菅 浩江 (著)「五人姉妹」 ◆有村 とおる (著)「暗黒の城 」 ◆三崎亜記(著)「となり町戦争」 ◆高野 史緒 (著)「ラー」 ◆田中 啓文 (著)「蹴りたい田中」 ◆粕谷 知世 (著)「アマゾニア」 ◆平谷 美樹 (著)「エリ・エリ」 ◆石田 衣良 (著)「ブルータワー」 ◆渡辺 球 (著)「象の棲む街」 ◆森見 登美彦(著)「太陽の塔」 ◆古川 日出男 (著)「ベルカ、吠えないのか?」 田中宥久子の体整形マッサージ(応用スペシャル編) 【♪送料・代引き無料♪】大豆抽出物(イソフラボン含有)【ナノコエンザイムQ10】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.02 16:33:36
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