カテゴリ:旅行記 ウィーン '03.12月
そこは誰もいない、2F大ギャラリー【'04.01.01】 盛り上がった大晦日の夜も明け、NEW YEARはひっそりと、そして"ピンッ"と張り詰めた空気に包まれて朝を迎えます。 積もった雪を踏みしめながら、私はまだ薄暗い中 ホテルを出ました。 8:30、シェーンブルン宮殿は開きます。 遅くまで騒いではしゃいだウィーンっ子達も、観光客もまだ眠っているのでしょうか。。 私の他に一人の日本人女性しか見当たりませんでした。 関東出身の彼女は、その前日「ウィーンの森」を散策したと話してくれました。 知っていましたか? 1月1日早朝にシェーンブルンを訪れると、 マリー・アントワネットが幼少時代を過ごした部屋も、 「会議は踊る」で知られる大ギャラリーも、 最期まで宮廷生活に馴染めなかった美貌の皇妃エリザベートの面影も、 全て独り占めできるのです。 1時間もすれば、団体客が訪れはじめます。 それまでの特別な時間、ハプスブルク家が大好きな私にとって なんとも贅沢な時間でした。 私達はそんな静かな宮殿をゆっくり見学し、庭園を散歩した後マリア・テレジアのお気に入りだった高台にある「グロリエッテ」のカフェで朝食を。 NEW YEARの朝は特別にシャンペンを注いでくれます。 大きな窓からは優しい光が降り注ぎ、神聖な空気が漂います。 気高く美しいウィーンを最も感じられる瞬間です。 もし年越しをウィーンで迎えられる機会がありましたら、誰よりも朝一番にシェーンブルン宮殿を訪れてみてはいかがでしょうか...。 こうやってウィーンを思い出したのは、sakuranomiさんから戴いたミュージカル『エリザベート』のサウンドトラックのおかげです。 今年4月に梅田芸術劇場で上演されたウィーン版『エリザベート』。 私はウィーンから帰国した後、エリザベート皇后の本を取り寄せました。 それはミヒャエル・クンツェ原作の『エリザベート~愛と死の輪舞』。 その大掛かりな舞台と、本場ウィーンでもなかなか揃わない見事な役者の顔ぶれが日本にやって来る!! これを無視することができるでしょうか、、。 予備知識のほとんどない私ですら虜になったのですから、 以前から観劇に詳しいsakuranomiさんにとって、この機会は夢のようなものだったに違いありません。 だから、同じ舞台に夢中になった私の気持ちを誰よりも解ってくれたのだと思います。 だからこそ、そのCDを私にプレゼントしてくれたのでしょう。 生で観て聴いた舞台はさる事ながら、時間が経った今でもこれらの音楽に耳を傾けていると心が踊るようです♪ ミュージカル『エリザベート』をご覧になった方なら お分かりになると思いますが、 主役のエリザベートはもちろん、マテ・カラスさん演じる死神『トート』の怪しい存在感は観る者を今まで味わったことのない世界へと導いてくれることでしょう。 「死」とはこれほどに甘美なものなのか、 このように魅惑的に魂を抜かれていくものだろうかと吐息がもれてしまいます。 そして、美しさ故に悲しくも哀れな、しかし自分の意志をしっかり持って生きたエリザベートの人生がドラマティックに描かれた不思議な世界です。 ドイツ語の響きがこの舞台をより一層引き立ててくれます。 エリザベート役のマヤ・ハクフォートさん。 私をオーストリアへといざなう そんな彼女の歌声を、今は何度も何度も聴いています。 次はぜひウィーンで観たい作品です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.12.09 06:27:53
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