ミラベルとは゛美しい眺め"の意味。 1606年、ザルツブルクの大司教ヴォルフ・ディートリッヒが彼の愛人サロメ・アルト夫人の為に建てたもの。 彫刻家ラファエル・ドナーの手による大理石の豪華な階段とそれに続く大理石の広間は当時の宮殿の豪華さを物語り、ここでは既にその当時、父レオポルド・モーツァルトがその子供達ヴォルフガングやナンケルと共にコンサートを行っていました。 現在は市長公邸として、また市役所、市立図書館として使用されています。 バロック様式の大理石の間では毎晩コンサートが開かれており、また結婚式場としても人気が高いのだとか。 そして、「天使の階段」のキューピッドの頭の上に手を置くと、子宝に恵まれるという言い伝えがあります。 というのも、大司教とサロメ夫人の間には15人もの子供がいたそうですから~☆ * * * 一昨年の7月、私は初めてザルツブルクを訪れました。 せっかくモーツァルトの生まれた街、毎晩あちこちで開かれるコンサートを鑑賞しようとミラベル宮殿を選びました。 その時は、あらゆる国のコンサートチケットを手配してくれる「カーテンコール」さんに予めお願いしました。 2008年12月30日。 この日、カフェ・ザッハーを目指していた私は、その道中にふらりと懐かしい宮殿内を覗いてみました。 かすかに漏れる弦楽器の音色につられて宮殿の扉を押してみたのです。 天使の頭を撫でながら足音をしのばせ階段を上っていくと、どうも一時間後に始まるコンサートのリハーサルをしているみたい。 「コンサートは8時から始まるのですか?」 入り口で準備をしていた男性に声を掛けました。 もし今からでも間に合うようならと尋ねてみると、満面の笑顔でチケットを手渡してくれました。 自由席の値段は29ユーロ。 やはり「カーテンコール」さんに頼むよりも随分と安いですね~。^^ *ただ大晦日やニューイヤーコンサートは、直前では手に入りにくいので前もって「カーテンコール」さんをオススメします。 ちなみに一年前のホーエンザルツブルク城内でのジルベスターガラコンサートは、8月末の予約でギリギリでした。 * * * 7時半に開場、私は45分過ぎに到着しました。 どこからこれほどの人が集まってきたのかと思うほど、すでに会場は多くの人でざわめいています。 最後列に少し空席があるくらいでした。 2008年最後となるモーツァルトコンサート。 演奏者は、ミラベル宮殿お馴染みの「Twins Quartett」、双子の姉妹2組の四重奏です。 彼女達にザルツブルクで有名なバイオリスト「Luz Leskowitz」氏、ピアニスト「Irma Kliauzaite」女史等を加え、 モーツアルト作品でも特に親しみのある「アンネ・クライネ・ナハトムジーク」で始まった華やかな演奏と、ミラベル宮殿の大広間の居心地の良さに、"あぁ~、やっぱりザルツブルクは最高だなぁ~"と夢見心地の私。 音楽はその後「ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調 KV207」、小休憩を挟んで「ピアノ協奏曲第12番 イ長調 KV414」と続きました。 暖かく心地よく、大理石の広間の煌びやかな光がまるで輪舞のように回ります。 軽く足でリズムを取りながら、す~っと夢の中へ誘われてしまいました。^^; ガクッ!! 途中何度か目を覚ましましたが、次から次へと美しい音色は私を別世界へさらっていきます。 曲目は進んでも、私の中では永遠に「アンネ・クライネ・ナハトムジーク」の出だし部分だけが繰り返されていました。 そう、すっかり眠りこけていたのです。^^; 気持ち良かったなぁ~、、、、、。 決して居眠りする為にコンサートに来たわけではありませんが、本当に気持ちの良い2時間でした。 夢と現実の境目でゆらゆら泳ぐ感覚を味わいたい方、、、、、ザルツブルクの小コンサートはお勧めですわよ~♪(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.09 07:48:11
[旅行記 ザルツ3&アウグスブルク '08.12月] カテゴリの最新記事
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