カテゴリ:お遍路さん
その昔、伊予の国(愛媛県)に強欲な長者の衛門三郎という人物がおりました。 ある日、三郎の門前で みすぼらしい身なりの僧が托鉢をしようとしました。 何度追いかえしても現れる僧に腹を立てた三郎は、僧の持つ鉄鉢を地面にたたきつけ、鉢を8つに割ってしまいました。 僧も姿を消してしまいましたが、実はそれこそが弘法大師様でありました。 それから、あろうことに 三郎の8人の子供たちが次々と死んでしまいました。 悲しみに打ちひしがれた三郎の枕もとに大師が立ち、あの托鉢僧がお大師様であったことに気付きます。 自分の行いを懺悔して、全てを捨て、お大師様を追い求めて四国巡礼の旅に出ました。 20周しても出会えず、21週目は逆回りで四国を巡りました。 そして、とうとう徳島県の焼山寺(第12番)で行き倒れてしまいます。 そこに やっとお大師様が現れ、三郎は「もう一度、生まれ変わって功徳を積みたい。」と言い残し、息を引き取りました。 お大師様は路傍の石に「衛門三郎再来」と書き、三郎の手に握らせました。 それは、天長8年10月のことでした。 * 数年後、伊予の領主・河野家に男の子が生まれます。 しっかりと握りしめたその子の掌から、「衛門三郎」と書かれた石が出てきました。 その石は、今もここ石手寺に納められています。 そして この伝説が、四国遍路の始まりと言われています。 * * * * * * * ゛困難にある方は、この再生の石をお持ち帰りください。 一年経ったら七個を足して、八個にして、元気になってお返しください。" 境内には、その話にちなんで「七転八起・衛門三郎 再生の石」が無数 置かれてありました。 私も一つ、、、と手に取ったのですが、 十分過ぎるほど恵まれている私が、これ以上欲張ることは あまりにも卑しく恥ずかしいことだと気付き、そのまま置き直して帰りました。 私にとっては両親を喜ばす為、そして ただ物珍しさの為に始めた遍路ですが、 そうだ、、、藁にもすがる思いで遍路をされている方もおられるのだということに、この時 改めて気付くことができました。 なんちゃって遍路の私でも、そこは さすがお大師様。 少しづつではありますが、私にも何かしら悟らせるようにと 働きかけておられるようです。^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.07.16 18:26:29
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