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池田理代子さんの「ベルサイユのばら」だったでしょうか、私がマリー・アントワネットを知ったのは…。
それは、私が高校生の頃にテレビで再放送されたのがきっかけでした。 それから10年あまり経った 2000年1月。 パリ・ベルサイユの旅から帰国した私は、遠藤周作さんの著書「王妃 マリー・アントワネット」を読み耽っておりました。 そこで知った彼女の祖国、オーストリア。 名門ハプスブルク家も、母であるマリア・テレジアという大女帝についても、その時 初めて知ったように思います。 それから4年後、私はカフェの本場・ウィーンで美味しい珈琲が飲みたい、、、という単純な理由でウィーンへと出掛けます。 そこで外せないのが、定番の観光名所「シェーンブルン宮殿」。 訪れるまでは、きっと幼少時代のマリー・アントワネットの面影を感じられる場所なんだろうな~、くらいにしか思っていませんでした。 そして、それを期待していました。 ところが、そこでの主役は皇妃エリザベートだったのです。 誰? この綺麗な人??? 彼女の存在を知らなかった私は、シェーンブルンで初めて その美しさに出会ったというわけです。 * * * * * * * 1月から開催中の、京都国立博物館の『THE ハプスブルク展』でも、岡山県立美術館の『華麗なるオーストリア大宮殿展』でも、かなりの人出で賑わっていました。 ハプスブルク家の今日の人気は、シシィ(エリザベート)も一役買っていることに違いありません。 やはり一番人気はシシィの肖像画ですね~。(*^^*) 特に、京都へ来ている星型の髪飾りをつけた見返り美人のシシィ像、その実物を見ることを私も非常に楽しみにしていました。 思ったよりも随分と大きなことに驚き、すでに知っていながらも その美しさに二度驚き、 しばし言葉を失い、見惚れてしまいます。^^ この人にとっては本望でなかったかもしれませんが、 彼女はフランツ・ヨーゼフではなく、天に選ばれてしまった皇后なのだと、私は思います。 (皇后としての役割を果たしたかどうかは別にして、、、。) * そして、悲しいかな、、、 それはフランツ・ヨーゼフ自身も言えることでした。 1896年頃に描かれた「オーストリア元帥姿の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世」。 その瞳からは、何とも言えない憂いのようなものを感じました。 ~THE ハプスブルク展~ 部屋の片隅に飾られたこの絵。 シシィや11歳のマリア・テレジアの華やかさとは対照的なこの絵。 会場を回っている時はさほど思いもしなかったのですが、時間が経てば経つほど、じわ~っと哀れのようなものが心に広がっていきました。 1896年ということは、まだシシィは生きていた頃ですが、すでにフランツ・ヨーゼフの弟 メキシコ皇帝マクシミリアンも、長男 ルドルフも失った後です。 愛する妻(シシィ)は相変わらず放浪を続け、すでに欧州きっての帝国は傾きを隠せず、彼は必死で大国を守り続けようとがんじがらめになっていた頃。 この先、まだまだ襲ってくる不幸を予感させるかのような フランツ・ヨーゼフの表情は、どの作品よりも私の中で印象的なものとなりました。 弟の処刑、長男の情死、妻の暗殺、皇太子である甥夫婦の暗殺、 そして第一次世界大戦の勃発、、、。 (孫娘の貴賎結婚なんて、まだ可愛いものですね~。^^;) ホント、もう呪われているとしか思えないような人生です。>< それでも、実質的にハプスブルク家最後の皇帝に相応しい人物は、天から見下ろして きっと彼しかいなかったのでしょう。 私が皇妃だったら、決して寂しい思いをさせなかったのに…、共に時代と戦ったのに、、、 な~んて、最後に冗談でも付け加えておきますね。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.03.13 13:07:06
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