カテゴリ:日本の旅
旧暦の神無月には まだ少し早いけれど、全国の神様方より一足お先に、出雲大社へ参拝させていただきました。 早朝6時半、我が家を出発。 少し体調が良くなった母を助手席に乗せ、「健康と縁を結べますように」との願いを込め、一路 山陰へと車を走らせました。 出雲大社といえば、誰もが知る 『 縁むすびの神様 』。 旧暦10月11~17日まで、出雲の地に 全国から八百万の神々が縁結びの相談をするために集まります。 (十九社 : 神在祭の間、集われた全国各地の神々の宿所となる社であり、通常は全国各地の神々の遙拝所です。) ガイドブックの見出しにも、「お願い神様! 私の恋を叶えて!」と書かれてあります。(*^^*) 良縁を望む独り身の私にとって、最高神とも呼べる大国主神様ですが(爆)、男女の縁ばかりを取り上げた客引きの仕方はどうなの~? って思うほど、若い男女のカップルで境内はごった返しておりました。。。(笑) というのも、この御縁とは森羅万象の縁を指すもの。 「良い方と巡り合えますように。」「私の恋が叶いますように。」という祈りが切実なことも分かりますが、もっともっと奥の深い『 縁 』を指すのです。 私は今回で四度目の参拝でしたが、拝殿で手を合わす前に、霊止(ひと)としての縁に気づかせて戴けたことは、とても有難いことだったと改めて感謝しています。 正面鳥居をくぐり、祓橋を渡り、松並木の参道を進むと、右手に『 ムスビの御神像 』が見えてきます。 それは、両手を大きく広げた大国主神様が、「幸魂(さきみたま)、奇魂(くしみたま)」を戴いている印象的な像であり、私が出雲大社へお参りする時は つい足が向いてしまう場所。 いつも通り、これを写真に収め、ふと説明文に目をやると、次のことが記されておりました。 【時に海を照して依り来る神あり 吾在るに由りての故に汝その国造りの大業を建つるを得たり 吾は汝が幸魂奇魂なり 大国主神これ吾が幸魂奇魂なりけりと知りぬ 古事記また日本書紀に述べるところであります。 出雲大社の御祭神大国主神はこの幸魂奇魂の"おかげ"をいただいて神性を養われ「ムスビの大神」となられました。 生きとし生けるものすべてが幸福になる「縁」を結ぶ"えんむすびの神"と慕われるゆえんであります。 およそ人が人であるということは幸魂奇魂というムスビの"みたま"をわが身にいただいて霊止すなわち人として生かされているからであります。 大神からいただいたこの"いのち"を感謝して大切に正しくこれを生かしきりましょう。 以下、略。】 出雲大社のホームページによりますと、 「幸魂」とは、"花が咲く" "布を切り裂く" "物が割き分かれる"という言葉のように、物が分裂し、増加繁殖して栄える力を意味し、 「奇魂」とは、「櫛」「串」の言葉のように、"櫛で乱れた頭髪を解いて整える"、"串刺しにして、それぞれの物を統一する"というように、統一し調和する力を意味するのだとか。 つまり、「幸魂」によって分化繁殖したものを統一し、調和のとれたものとして、一層発展させてゆく力が「奇魂」なのだそうです。 ここでハッと目が覚めたように思いました。 まさに第三の目が開眼した感じ?(笑) これまで浅はかで小さな縁ばかりにこだわっていた自分がなんとなく恥かしく、それしか感じ取れなかったこれまでの人生が勿体なく、少し真面目に本来の持つ縁の意味について考えさせられました。 ちょっとだけ悟れたのかな~。 それから、澄みきった秋空のように、清々しい気分で御仮殿へ向かうことができました。 * 現在、御本殿は修造中であり、平成25年5月まで、御神体は御仮殿へ遷されています。 (御仮殿と、修造中の御本殿) * * * * * * * さて、そんな有難い出雲大社参拝の現実は、、、。 到着予定時刻は11時過ぎのはずでした。 宍道湖のサービスエリアで休憩をし、予定どおり11時頃に出雲ICを降りました。 遠くに日本一の大鳥居も見えてきて、到着予定時刻まで残り5分となりました。 ですが、3連休の中日であり、時候も良くなり、まさに行楽日和です。 ずら~っと並ぶ車の列に、私ももれなく入ってしまい、どうにもこうにも動けない状態に陥りました。 あ~、このままじゃ、12時を回っちゃうな。。。 近くのスーパーに車を停めようかな~とも思ったのですが、大社まで3km程ありましたから、渋滞が緩和されるまでしばらく待とうと思いました。 ところが、にっちもさっちも動かない。 もうちょっと、もうちょっと、、、と言い聞かせながら、12時のサイレンを悔しく車中で聞きました。 途中、大勢の観光客が集まる場所を見つけました。 それは、<旧大社駅>。 すでに廃駅となっているものの、大正13年に造られた2代目の駅舎は、木造平屋で出雲大社を模した造りになっています。 その昔、多くの参詣者は、まずこの場所に降り立ったのでした。 帰りに時間があれば覗いてみようかな。 出雲大社まで約600m。 この時点で、ちょうど13時になりました。 <古代出雲歴史博物館>にも立ち寄ってみたいな。 先々に貼られたポスターを見ながら、もう大鳥居も間近だもの、直にお参りもできるでしょう、、、その時は安易にそう思ったのでした。 まだまだ続く車の列に、「いくらなんでも、15時には余裕でしょう。」なんて、冗談を言えたのもこの頃まででした。 大鳥居に辿り着くや、実はその先がまだまだ長く、、、やっとのことで正面鳥居に到達したのが14時半。 その後も渋滞は永遠と続き、大社駐車場へ入ったのは15時を優に回ってからのことでした。 げぇ~!(><) 冗談が冗談では済まされない渋滞でした! 時間があれば、<日御碕>へも行きたかった、歌舞伎の創始者である出雲阿国(いずものおくに)ゆかりの場所も見たかった、、、。 それなのに~~~!!! たった3kmが4時間です☆(ToT) 「ここまで待ったのなら、最後まで待とう。」なんて、「短気な人には御利益はないわ。」なんて自分に言い聞かせたことが裏目に出て、 目の前には大鳥居が見えていたのに、本当なら家から3時間半で着く道のりが、なんと8時間半も掛ってしまいました。(号泣) 出雲へ出向いてから分かったことですが、翌11日には各大学による出雲駅伝が行われ、その準備もあったようです。 この日までではないにしろ、常に混雑が予想される出雲大社。 出雲大社へ自家用車で行かれる方は、少し遠いくらいで車を預け、徒歩で向かわれる方が宜しいかと思われます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.10.17 16:57:40
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