城壁を一周し終える頃には、私もアルゼンチンの彼も、結構好き勝手なことを言い合うようになっていました。 私が真顔で冗談を言うと、彼は私の首を絞める仕草をしたり。 お店でポストカードを手にする私に、「君はあれだけ写真を撮ったんだから、これは必要ないよね」って、没収したり。 ちょっと~、あなたのせいで、私が写真を撮るのを遠慮してるのが分からないの! って、文句でも言おうかと思いましたが、 あまりに嬉しそうに笑う彼が、アドリア海に反射する太陽の光に照らされて、その眩しさに、ま、いっかと思ったり。 これも一人旅では味わえない楽しさなんだろうな~と、大人な(?)私で対応することに致しました。(爆) そんな大人な私でも(笑)、どうしてもレディーファーストには慣れなくて、 建物に入る時、階段を登る時、何かにつけて彼とお見合いしてしまいます。 「お先にどうぞ。」 どうしても殿方に先を譲ってしまう。。。 後ろから守られてるって感覚より、前に立って守って欲しいタイプなのかしら、私って? 彼は彼で女性より先に行くことに抵抗があったようですが、次第に私への対応も慣れて来て、 「じゃぁ、僕が先に行くね。」って、何も言わなくても前を行くようになりました。 やっぱり大きな背中の後ろから付いていく方がいいな、私。 もちろん、この背中がアルゼンチンの彼ではなくウルスだったら~、このアドリア海の輝きはいっそう眩しく映るのでしょうにね~。(*^m^*) って、これ以上 眩しければ、目を開けられないほどの煌めきを前にそう思いました。(笑) 「君、ヒロシマへいったことある?」 何を思ったのか、急に彼は振り返り、そんな質問を私に投げかけてきました。 「ヒロシマ?」 「うん、ちょうど昨日かな~、テレビで原爆投下について、アメリカ側からの視点で番組をやってたんだ。」 あ~、それで、、、。 「あのね、私、大学時代にヒロシマにいたのよ。」 「え?ホント? で、大学では何を専攻していたの?」 この時はまだ、私は彼が欧州中央銀行で働いていることを知りませんでした。 「経済を。。。」 「へぇ~、君ってヒロシマで経済を勉強したんだ!」 彼の目が一瞬輝いたことを見逃さなかった私は、咄嗟にヤバイ!と思いました。 「ねぇ、ねぇ、ヒロシマではどんなことを学んだの?」 すでに話題は原爆投下のことではなく、彼の関心は、そのヒロシマでどんな経済学を私が学んだのか、、、それに集中してしまいました。(T_T) 「いやぁ~、あのぉ~。^^;」 私は冷や汗を掻きつつ、しどろもどろに…。 「いやぁ~、もう随分と昔の話だし~~~。(汗)」 「ねぇ、ちょっとくらい思い出して話してよ。^^」 あ~、こんなことなら彼の後ろを歩くのではなく、さっさと前を歩いて逃げれば良かった~。 (><) 何でもない会話なのですが、強く印象に残っている時間です。(苦笑) ★ FC2ブログ『I love Salzburg』においても、同記事をアップしております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2012.02.07 21:13:31
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