カテゴリ:観劇・ライヴ
先月18日、大阪のフェスティバルホールへ「ボリショイ・バレエ」を観に行ってきた。 世界にある名高いバレエ団の中で、私がどうしても憧れてやまない響きがこの「ボリショイ」。 たぶん、ロシアの持つミステリアスなイメージが私を惹きつけてやまないのだろう。 といっても、四国の片田舎で暮らす私がバレエと触れる機会はこれまでもほんの僅かで、趣味はバレエ鑑賞というにはおこがましい。 おこがましいのだけれども、有名なバレエ団は押さえているのよと密かに自慢できる自分になりたいと、このお上りさんは思うのである。 今回のボリショイ・バレエの大阪公演は2日間で、一日目が「ジゼル」、二日目が「白鳥の湖」という演目だった。 休みの都合で「白鳥の湖」を選んだのだが、どうやら「ジゼル」はボリショイの十八番とのことらしい。 ただ、「ジゼル」は過去にプラハ国立歌劇場で観劇したことがあり、「白鳥の湖」は二幕通して観たことがなかった私にはいい選択だったのではと思っている。 私がこの公演を知った時にはすでにチケットは完売にちかく、望む席はすべて空いていなかった。 迷った末に3階席最前列のほぼ中央を予約する。 だがそこは全体を見下ろすのにちょうどよく、とりわけ群舞の美しさは言葉にならないほどだった。 衣装の豪華さと舞いの優雅さと、それはまるで夢の中にいるようで、思わず「ブラボー」と叫んでしまって赤面する場面もあった。 出演者についていえば、昨年プリンシパルに昇格したばかりのオルガ・スミルノワがオデット(白鳥)とオディール(黒鳥)役を演じ、それがとても素晴らしかったので記憶に留めておこうと思う。 悪魔ロットバルト役のイーゴリ・ツヴィルコ、道化師役のアレクサンドル・スモリャニノフも頭の片隅に入れておこう。 そして、演出。 「白鳥の湖」といえば結末が悲喜様々あるのだが、このボリショイでは切ないフィナーレが選ばれていた。 てっきりオデットとジークフリート王子はどういう形であれ結ばれると思っていた私は、胸に穴があいたような寂しさが広がっていったのだった。 けれど、それがより儚い幻想的な世界を引き立てているようで、耳に残るチャイコフスキーの美しいメロディとともにじわり心の奥底に染み渡っていき、まさに「ブラボー!」と叫ぶしかなかったのである。 いつか、いつか、、、 いつか、本場モスクワのボリショイ劇場でロシアバレエの真髄に触れられる日が来ますように。 そんな淡い願いを抱きながら、フェスティバルホールを後にした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.07.01 21:23:33
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