テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:イタリアンなお話
日本はまだお歳暮シーズンなのだろうか?それとも終わった??
父が現役で働いていた頃には石鹸洗剤セット、のりや佃煮のセット、ジュースやお菓子のセット、商品券、新巻き鮭ETC...いろいろ届いて特にジュースやお菓子に子供のわたしはワクワクしたものだ。 新巻き鮭なんてもう何本も届いたので、あるとき台湾駐在中の父にお土産に持っていったら空港で銃刀と間違えられて無残にもきれいに包装された包み紙を破かれ、鮭を突付きまくられたあげく、他の荷物まで開けられてひどい目にあった。 もう2度と海外に新巻き鮭なんか、持っていくものか!と心に決めた出来事だった。 しかし、今はあの。。。あの新巻き鮭が食べたくて仕方がない。焼いて朝ごはんにもおいしいし、酒かすと一緒に煮込んだ三平汁もたまらない。 こちらイタリアは日本のようにお歳暮なんてもらう側はうれしい?けど、送る側はまるで義理チョコのようにうっとおしいものは存在しない。 が、同じような位置づけとして「クリスマス」が存在する! 日本にいたころはクリスマスは冬のお祭り、と思い込んでいた。 街はキラキラロマンチックに25日の深夜まで輝き、サンタクロースに仮装したケーキ屋のバイト君や赤い鼻の酔っ払いで賑わっていたな。。。 じゃあ、ヨーロッパのクリスマスは? 日本のような仏教国がやる嘘っぱちのお祭りじゃなく、きっともっと盛大に本格的に盛り上がるに違いない、と思い込んでいた。 実際、クリスマス前までの盛り上がりようはTOPの写真を見ていただいてもわかっていただけると思う。 留学1年目のはじめてのクリスマス。 わたしは他の3人のイタリア人学生たちと1つのアパートをシェアしていた。 クリスマス前になると、みんなこぞって実家に帰って行った。 最後まで残ったベルガモ出身のバレンティーナがアパートを出て行くとき「いくきーと、日本に帰らないの?」と聞いた。 わたし「え~?帰らないよ。せっかくのはじめてミラノで迎えるクリスマスなのに。」 バレンティーナはわたしを哀れむような顔でみて「わかった。もし、何かあったら連絡ちょうだい。」と心配そうに出て行った。 そして24日。わたしは昼から街に出た。最後のクリスマス商戦でますます街はすごい賑わいである。あ~、クリスマスが楽しみ。 あっという間に日は暮れ、とうとうクリスマスイブがやってきた。 わたしは一人でドゥモのミサを見物すべく家を出た。てっきりすごい賑わいの頂点だと思いきや街はシーンと静まり返っていてゴーストタウンのようである。 各家庭のキラキラ光るイルミネーションで中に人がいるのはわかるが、外は人っ子一人歩いていない。 ひゅ~。 小雪が舞う中、ガラガラのトラムに乗ってドゥモ前に着いた。 昼間はあんなに賑わっていた中心地がウソのようにここもひとがほとんどいない。ドゥモの中に入る。たくさんのひとがミサに集まっていたが誰も口を利かない。シーンとしている。 おごそかにミサが始まった。 賛美歌は美しかったが、ウイーン少年少女合唱団のようにはいかない。素朴でよかったが、素人の合唱である。 あとは神父がつらつらといつまでも聖書を朗読していた。 もっと歌あり笑いありのエンターテイメントを想像していたわたしにはかなり物足りないミサだった。 気が抜けた感じでアパートに帰った。 もちろん誰もいない。気分を盛り上げるために独りでクリスマスソングを唄ってみた。 大きな石造りのアパートに唄は虚しくエコーした。哀しくなってひとりベッドにもぐりこんだのだった(この時はTVもラジオも持っていなかった)。 25日。わたしはわたしと同じように帰国せずに残った日本人の友人と昼ごはんを食べに外に出かけた。 彼もすごくクリスマスに期待をしていて「ごちそうを食べよう!!」と張り切っていた。 しかし。 25日はどこの店もレストランも閉まっていてわたしたちはお腹を空かせて街をさまようこととなった。 24時間前とはエライ差である。 哀しい。なんでクリスマスからこんな苦難を味あわなければならないんだ? そしてやっとみつけた開いている中華レストランを遠くから見たときは「砂漠でオアシス」をみつけた気分だった。店に入る。昼食どきなのに誰もいなかった。チャイナドレスのお姉ちゃんが「いらっしゃいませ~。」とメニューを持ってきたときは郷愁を覚えて泣きそうになったのを忘れない。 このとき、ようやくヨーロッパのクリスマスとは家族でひっそり祝う地味なものだと知ったのである。 話はだいぶずれたけど、そんなわけでクリスマスは家族の集まりである。 家族はもちろん、ふだん会うことのない親族にも会わなければいけなくなるのでプレゼントが必須となってくる。 そして、前記したようにお歳暮的な意味合いもあるからお世話になった企業間でプレゼントの交換もある。 あらゆる企業をまわって運送の仕事をしているおっとはここのところ、毎日イタリアのクリスマス菓子「パネットーネ(カップケーキの巨大版)お菓子セット」やシャンパンおつまみセット、カレンダーなどを持って帰ってくる。 うちは今年はお金がないので、賢い妻はこれを利用しない法はない! さすがにお互いの両親や仲のいい友達には、選んで買ったものをプレゼントしたが、めったにあわないおっとの親戚、友達にはこれを廻せるだろうと、セットのまま開封せずに取って置いてあるものをおっとは次々開けていく。 そしてパネットーネをちょっとかじり、セットについていたチョコレートを一口つまみぐいして喰い散らかしたまま放ってある。 巨大ねずみを放し飼いにしている我が家って。。。。 「もう!これ、◎◎さんの家に行くときに持って行こうと思ってるのになんで開けるのよ!?」 「ぼくがもらったもの、ぼくが開けていいのは当然だろ?!」 こんな喧嘩を繰り返しつつ、なんとか無事に無傷に済んだパーツをまとめ、ラッピングを試みる。わたしは学生時代、デパートでバイトなんかもしていたのでラッピングはお茶の子さいさいなのだが。。。 おっとはもらったものをぐちゃぐちゃにまとめて家に持って帰ってくるのでところどころ、潰れたりしている。 パネットーネなんか、カップ型の紙の部分に「BAULLI/BAULLI/BAULLI/BAULLI/」とメーカー名が印刷されてたりするので、どれだけ上手にしても、そのメーカーの箱もなしにラッピングすると、いかにも「開ケマシタ。」が丸ばれである! 頭が熱くなってきた。 くっそー、おっとよ!! 今のうちの財政難、あんたのほうが身にしみてわかってるはずでしょっ? わたしは今年のクリスマスプレゼントはそれを充分承知した上で「いらない」と拒否した。 しかし、あんたにはあんたがどうしても欲しいって言うからあんたの選んだセーターを買ってプレゼントしたのに、まだ「プレステ2」が欲しいって言うか?(ちなみに2年前から。しつこい!あんなものは100害あって1利なしなのだ!!) スキージャケットもクリスマスに買ってあげる、とまだお金があるとき言ったのに、ちっとも決めないで他にセーター買わせときながら、今更お金がないときに欲しいって言うなあっ!!! クルマも前がへしゃげていても、動くんだからこのまま年を越せるだろうが! ふ~ふ~。 貧乏夫婦、クリスマスまであと5日。 ***************** 先ほど北海道にお住まいの女子高生から私書箱にメールをいただきました!(わたしが男だったら天にも昇ったでしょうが、そうは出来なかったのでさっきは階段を駆け上がってきました!) 楽天、私的お友達以外でもらったメールってこれがはじめて。照れるなあ。。。。 こんな赤裸々なお下品日記を楽しく読んでくれてありがとう!! これからもご期待にそむかないよう、ますます下品な。。。いやっ、楽しい日記を書けるように努力いたしますです! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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