たまには真面目に仕事の話
今日も出勤日でした。2月は休日が他の月より少ないので体力的に結構ツライものがあります。3日や4日毎に休みがあるのでカレンダー通りに休日が来るお仕事の人からすると楽なように思われますが、どうなんでしょうね。 最近よく、「わざわざ大変な所で働かなくても…」って言われます。たしかに高齢者福祉施設での仕事(ケアワーカー)って、決してキレイな仕事じゃないし、心身ともにキツイし、その割りに給料は少ないし…。仕事の内容は、掃除と排泄介助と食事介助に追われる日々。私が働いている所は特別養護ではなく養護なので、介護が必要な人は居ないと思われがちですが、そうでもないんです。 ちなみに特養と養護は基本的にはこんな施設なんです。↓*特別養護老人ホーム…身体上または精神上に欠陥があり常時介護を心要とするが、自宅でこれを受けることの困難な老人を養護するための施設。*養護老人ホーム…環境的、経済的な理由から自宅で生活することができない65歳以上の高齢者を受け入れる施設。 上の説明からも分かるように、養護は特養と違って、介護は必要じゃない生活困窮者を対象にしている施設なのです。要は日常生活の動作は助けは要らないけど、お金が無くて自宅で生活するのが難しい高齢者が主に入るところなワケ。 が、そんなの嘘なんだよー。現状は身体上・精神上に問題があって介護が必要な人がほとんど。車椅子の人もいっぱい居るし、難聴・弱視はもちろん、精神病患者(統合失調症・躁鬱症など)や認知症、 難病(特定疾患)の人や知的発達障害者、心臓に疾患のある人(発作が起きる人やペースメーカーの人)、ストーマ(人工肛門)の人や癌患者も居ます。今は居ないけど酸素吸入の人も居ました。中でも、最近私の勤めている施設に入所してくる人で多いのは精神病と認知症ですね。特に精神病患者は退院促進が決まってからは増えました。そもそも、働き盛りの若い患者ならまだしも、長年精神病院に入院していて、その中で高齢者になった精神病患者が、症状の安定を理由に退院可能だと言われ退院して来ても、家族も高齢化していて家庭でみるのは困難なケースが多いんだと思います。だから、病院からそのまま養護へ…っていう人が多く入所されています。認知症も、食事や歩行・排泄等の日常動作は自立していても失見当(どこにいるかわからない、会った人が誰だかわからない等)がある場合は介護認定を受けても高い介護度が出ない為、特養へはなかなか入れないので、そういう人が養護へ来られています。「環境的、経済的な理由から自宅で生活することができない65歳以上の高齢者」なんて、ほとんど居ません。病気や障害に金銭トラブルがプラスされてる人は居ますが…。それに、たとえ自立している人でも入所後に加齢と共に発病する人も当然居ます。でも、だからと言って特養へ籍を移すのは困難なのです。長い長い順番待ちがあり、しかも家庭に居る要介護者が優先されるので、施設入所している要介護者にはなかなか順番が回ってきません。しかも、私の働いている施設は看護士が一人しか居ない為、常駐の看護士が居らず、薬の管理もケアワーカーがしなくちゃいけないし、通院の付き添いも当然私達だし、土日は看護士が居ないから医療行為を看護士の資格の無い私達がする事も多いです。糖尿病患者に対するインシュリン注射も毎日ケアワーカーが行ってるし。これ、出る所に出たらマズイと思う。だって、注射よ?いくら家庭で糖尿病患者が自分で行う医療行為だとしても、看護士が置かれている施設で無資格の者がしちゃ問題でしょう。 あとねぇ、入所者が「職員は私達のおかげで生活してるくせに」「私達が居るから給料がもらえるんから、世話してもらって当たり前」と思ってる人が居るってのも問題だと思いますよ。実際同じような事を言われた事もありますが、違うっての。職員と利用者の間に上下関係はないですよ。対等なの。でもそれを理解してはくれない。だから何か問題を起こした人に対してケアワーカーが注意すると、逆ギレして「こんな施設出て行ってやる」って言う人が多いんだと思う。実際は出て行く気なんてないけど、そう言ったら私達が困るだろうと思って脅し文句として言ってるんだよね。 そういえば、先日は入所者に「掃除を適当にしやがって…。昔はもっと丁寧にしてたのに」と愚痴られましたよ(面と向かって言われたのではなく、わざと聞こえるくらいの大声で言っていた…嫌味!!)。じゃあ自分でしろよって思う。出来るんだから。ヤル気がないだけで。それに昔と違って介護の必要な人の増えているし、毎日の記録や提出書類、パソコン入力の仕事も増えていて、でも職員数は増えないわけだから、日によっては必要最低限しか掃除が出来ないんですよね。したくても。そういう事を入所者は理解してくれない。理解しろって方が無理だろうけども。 今の社会は高齢者の人権擁護ばかりが話題に上がって、ケアワーカーばっかりが「介護させていただいていると思え」みたく言われるけど、じゃあ高齢者はケアワーカーに対して「介護させてやっている」と思っていて良いのか?どうなのよ?と問いたい。ケアワーカーの人権もちゃんと守って欲しいよ~。 いろいろな問題を抱えている養護老人ホームだけど、政府はこの現状をちゃんと把握してるんだろうか?と疑問に思う。でも、就職して5年間、一切改善されないところを見ると把握してないんだろうなぁ。改善どころか悪化の一途ですからね。 ここまで読まれた方は”でも悪いところばかりじゃないでしょ?”と思われたかもしれませんね。そうだなぁ~、良い所かぁ~…。今は思いつかないのでまた思いついたら書きます(笑)。 こんな事をふと考えてみたのは、もうすぐ就職して6年目に突入するから。来月の5日から6年目が始まります。辞めたいなぁと思い続けて来た5年間にピリオドを打って、6年目はどう思いながら仕事をするのかなぁ、と考えた時に、今の仕事について改めて考えてみたのです。…きっと6年目も辞めたいなぁって思い続けるんだろうなぁ…。「どんな仕事でも働くって楽なことじゃないもんね~。」って今日の日記を締めようと思ってたけど、どんな仕事でも介護職よりはマシな気がしてきた…(≡_≡;) 今春から介護の仕事に就く人や介護福祉の勉強を始める人が読んだらガックリくる内容かなぁ?でも、ちゃんと現状を知った上で志して欲しいです。「お年寄りが好きだから~」ってだけでは勤まらない事も多いと思う。下手したら好きが嫌いになる可能性も…。可愛さあまって憎さ百倍、ってな~。モチロン、基本的にお年寄りが好き、人間が好きっていうのは大切だと思うけど。(…ちなみに私は人間があまり好きではないです…。だからと言って、忌み嫌う程の人間嫌いではないのでなんとか勤まってます。)介護の仕事ってあまくない。介護以外の仕事も同じ。覚悟して志して欲しいです。