第十二話「毒虫」

森の中を歩く一同…
サンダー「!」
グミ「サンダー、またワルモ~ン?」
サンダー「うん。…十秒後に虫がたくさん…降ってくる。」
一同「はぁ?!」
サンダー「……8、7、6、5、4、3、2、1…」
すると上から、たくさんの虫(クロザザム)が降ってきた。
チョコ「…確かアレって、毒虫…だよね。」
アメ「…虫のワルモンか。」
サンダー「…進化は?」
グミ「しなくってもモ~マンタ~イv」
アメ「…じゃあやるか♪」
サンダー「『さばきのイカズチ』!!」
アメ「『ブレイジングサンダー』!!」
グミ「『ブレイジングファイア』!!」
チョコ「『ブレイジングアイス』!!」
サンダーとアメモンとグミモンとチョコモンは、雷と超高圧の玉と超高熱の玉と超低音の玉を放った。
ライガー「『雷撃』!!」
ギンギライガー「『ブリザード』!!」
ハム「『ドラゴンキック』!!」
ゴーレム「『たつまきアタック』!!」
スエゾー「『シッポアタック』!!」
モッチー「『さくらふぶき』ッチ!!」
ホッパー「ホッパー!!」(『フリッカー』)
みんなは(必殺?)技を放った。

クロザザム(隊長)「くっ…引けぇっ!!」
クロザザムたちは逃げて行った。
グミ「あ~、逃げた~。」
アメ「蟲ぃ~~~~…。…せっかく電気も炎も氷も効果バツグンなのに…。」
グミモンとアメモンは名残惜しそうに言った。

サンダー「?」
ギンギライガー「サンダー?どうかしたのか?」
サンダー「ん…なんか、あの蟲あと一匹ぐらいこの辺に居そう…。」
一同「え?!」
一同は身構えた。
クロザザム1「死ねェ!!!」
クロザザム1は、ギンギライガーに向かって毒針を放った。
ギンギライガー「!!」
一同「ギンギライガー!!」
一同は目をつむった。…しかし、一同が目を開けると…
一同「サンダー?!」
毒受け
そう。そこには、毒針が刺さっているサンダーが居た。
サンダー「…ったぁ…。」
ギンギライガー「大丈夫か?!…すまない…俺の所為で…。」
サンダー「…ん、大丈夫だよ。…謝んないでよ…ギンギにいちゃんのせいじゃないもん…。おれが勝手に飛び出しただけだから…。」
…すると上空から赤い火の玉が落ちて来て、クロザザム1にあたり、クロザザム1はロストした。…すると、上からグレイが降りて来た。
グレイ「『抹消(イレイズ)』!!」
グレイはそう言って、ロストしたクロザザム1に赤い光を放った。するとロストした円盤石は真っ二つに割れた。
ゲンキ「なっ!!…あいつはお前の仲間なんじゃないのか?!…お前、仲間を何だと思ってるんだ!!」
グレイ「…仲間?…んなの関係ない。…サンダーを傷つける奴は全て抹消(け)す。…ただそれだけだ。」
グレイは冷たい表情でそう言うと、サンダーに近づいて毒針を抜いた。
グレイ「…大丈夫か?」
サンダー「うん、平気。」
サンダーはそう言って立とうとした。
一同(+グレイ)「立つな!!」
チョコ「…あのね、サンダー。立ったりとか動いたりすると、毒まわるから、じっとしてて。…ね?」
サンダー「…まわる?」
グレイ「…何で渦巻きを思い浮かべてんだよ。…さっきロップモンが言ったまわるってのは行き渡るって意味だ。」
サンダー「ふ~ん。」

グレイ「…とりあえず、あの毒を抜く物採ってこないとな。…でも何が効くんだったっけ;」
スエゾー「なしてオマエがんな事考えとんのや!」
グレイ「…何でって、弟の心配するのにいちいち理由がいるのかよ!」

ライガー「…たしか、クロザザムの毒に効くのは夏美草だったな。」
グレイ「…なつみそう?…あ!…あの野郎…。」
ギンギライガー「…グレイ、どうかしたのか?」
グレイ「…あぁ。今朝、ハーピーがこの辺りに生えてる夏美草をほとんど枯らしてたんだ。」
一同「えェ?!」
グレイ「…たしか一ヶ所だけ残しとくって言ってたけど…どこだっけなぁ…。…あ、そうだこっちだ!じゃあオレは夏美草を採りに行って来るから、サンダーのこと頼む。」
グレイはそれだけ言うと走って行った。
ライガー「…俺達も行って来る。…あいつについて行く以外なさそうだからな。」
アメ「…それで平気なのか?」
ギンギライガー「…分からない。だが、匂いがしないからそれしかないんだ。」
チョコ「…そっか。…気を付けてね。」
チョコモンの言葉に頷くと、ライガーとギンギライガーはグレイの後を追いかけて行った。
ゲンキ「…行っちゃった…。」
ハム「…罠でなければ良いのですが…。」
チョコ「…うん、そうだね…。」
アメ「…ま、危ない時はサンダーがオレらなぎ倒してでも行くさ。…な、サンダー。」
サンダー「…いいの?…んじゃあ、いってきます♪」
サンダーはアメにぶつかってから、グレイ達の後を追って、(念で)飛んで行った。
アメ&チョコ&グミ「…誰も良いとは言ってないし;;」

そしてその頃グレイ達は…
グレイ「…お前ら、ついて来たのか。…罠だったりしたらどうすんだよ。」
ギンギライガー「…もしも罠だったりしたら、サンダーがすぐに知らせてきたはずだからな。」
グレイ「…そう…だな。…?!」
グレイは、突然立ち止まって振り返った。
ライガー「…どうかしたのか?」
ライガーとギンギライガーが、グレイの向いているほうを向くと、サンダーが飛んで(浮いて)来ていた。
ライガー&ギンギライガー「サンダー?!」
グレイ「…ったくお前は。…ロップモンやテリアモン達によく止められなかったな。」
サンダー「ん~、アメモンから許可もらった♪」
ライガー&ギンギライガー&グレイ「嘘つけ。」
ライガーとギンギライガーとグレイは即答した。
サンダー「ごめんなさい;;」
…サンダーもそれにつられてか、即誤った。
ギンギライガー「…何で来たんだ。」
サンダー「…何かさ、やな感じしたし…それに、一緒について行きたいなって思ったから♪」
グレイ「最後がついて来た一番の理由か。」
グレイは呆れ顔で言った。
サンダー「うんw」
サンダーは笑顔で答えた。
グレイ「…でもどうする?コイツ。」
ギンギライガー「…しょうがない。…連れて行こう。」
ライガー「…そうだな。…戻しに行っても時間の無駄だからな。」
グレイ「…そうか…サンダー、とにかく一回降りろ。」
サンダーはそう言われて、ゆっくり降りた。
ギンギライガー「…じゃあ、俺が咥えて行くよ。」
グレイ「良いのか?…サンキュ。」
サンダー「?!…平気だよ…おれ…飛んで行け…」
サンダーはそこまで言うと苦しそうに咳き込んだ。
グレイ「平気って、かなり苦しそうじゃねぇか!」
ライガー「そうだサンダー。…無理するな。」
ギンギライガー「…じゃあ、行くぞ。」
サンダー「…うん…。」
その返事を聞くと、ギンギライガーはサンダーを咥えた。…それを確認して、他の2人は走り出した。それを追いかけて、ギンギライガーも走り出した。

…そして数分後…
グレイ「…確かこの辺だと……!あった!」
ライガー「…よし、俺が採って来る。」
サンダー「!…まって、ライガーにいちゃん!…そこ…蟲いる!」
ライガー&ギンギライガー&グレイ「?!」
グレイ「…“そこ”か…『マハラギ』!!」
グレイは、“そこ”に向かって大きな炎の玉を放った。…すると、クロザザム(隊長)が落ちて来た。
クロザザム(隊長)「…な!!グレイ様、何故あなた様がそんな奴らと…裏切る気ですか?!」
グレイ「…貴様には関係ない。『アギラオ』」
グレイはそう言ってクロザザム(隊長)を焼き払った。
グレイ「…さて。じゃ、オレが採って来るな。」
グレイはそう言って夏美草を枝一本ほど採り、サンダーに渡した。
サンダー「…ありがと…グレイ。」
サンダーはそう言って、夏美草(の実?)を少し食べた。
サンダー「…あ、グレイ。…もうすぐ…雨…降るよ…。」
サンダーはそこまで言うと眠った。
グレイ「…雨降るって。…雨宿り出来る場所探さないとな…。」
ライガー「…そうだな。」
ギンギライガー「…兄さん、グレイ。あっちに洞窟がある。…そこで雨宿りしよう。」
グレイ「…いや、オレは別のところを…」
グレイがそう言い終わるか終わらないかのうちに、雨が降り始めた。
ライガー「…探してる暇…あるのか?」
グレイ「…無い…な。」
ギンギライガー「じゃあ、決まりだな。」
そう言ってギンギライガーはサンダーを咥えてその洞窟へ走って行った。…ライガーとグレイも一緒に走って行った。

雨宿り中…
グレイ「…サンダー、まだ起きないな。」
ライガー「放っておけ。…回復したらすぐ起きる。…それよりもグレイ、お前は何故ワルモンになったんだ?…自ら望んでワルモンになったのなら、自分の弟がどうなろうと心配などしないと思うが…。」
グレイ「…そうか?…オレはそうでもないと思うけどな…。」
グレイはギンギライガーのほうを見ながらいった。
ライガー「…まあ、俺もよくは知らないが…たいていの奴らはそうだろうと思ってな。」
グレイ「ん~…そう言うもんだったかな?…ま、どっちにしろオレはオレだ。他の奴らがどうでも関係ないし、それにオレとサンダーは双子だから。サンダーが苦しいとオレも苦しくなってくる。」
ギンギライガー「…それが嫌だから、夏美草を取りに行くなんて言ったのか?」
グレイ「違うよ。ほんとに心配なんだ。コイツの事…コイツすぐムチャするからさ。」
ギンギライガー「…そうか。…そうだな、サンダーは本当にすぐムチャをするから…。」
グレイ「あぁ。……あ、そうだお前ら、雨止んでサンダーが起きたら即アイツらんとこ戻れ。オレがそれを後ろから追いかける。…で、お前らがある程度アイツらに近づいたら、オレが後ろからアギ(火の玉)を撃つから上手くかわせ。」
ライガー&ギンギライガー「?!…どう言う事だ?」
グレイ「…オレやお前らが怪しまれ(?)ないためにも…さ。」
驚いて聞いてきたライガーとギンギライガーに、グレイは少し笑って答えた。…すると、後ろから聞き慣れた声がした。
 「…だからってグレイが悪者になる必要もないと思うけど?」
3人(ライガーとギンギライガーとグレイ)が振り返ると、そこにはサンダーが立っていた。
ライガー「…サンダー、立ってて平気か?」
サンダー「うん、もう平気だよ。…ありがとう、心配してくれて。」
サンダーはニッコリ笑って言った。
ギンギライガー「本当に大丈夫なのか?」
サンダー「うん、本当だよ。」
グレイ「…ま、お前が元気になったんなら、オレはそれで良いんだけどな。」
サンダーはグレイの言葉を聞いて…と言うかライガーとギンギライガーが心配してくれたことを知って、うれしそうに笑った。
サンダー「…あ、グレイ。…さっきの話なんだけどさ、どうせ来てるのってあの蟲だろ?…だったらさ、おれがあの蟲、ぶっ倒してやるよ♪」
ギンギライガー「出来るのか?…サンダー、毒抜けたばかりだろ?」
サンダー「ヘーキだよっ。さっきの夏美草で毒なんかもうへっちゃらだし、アイツらは虫系だから電気系に弱いもん。…あ、そろそろ雨止むよ。」
…そして、雨が止んだ。

そしてその頃ゲンキ達は…
チョコ「…大丈夫かなぁ…サンダー…。」
アメ「大丈夫だって。ライガー達も一緒なんだし。」
…などと話していると、また上からクロザザム達が降って来た。
グミ「あ~♪また来た~、蟲~v」
アメ「さ~て、またやるか…。」
アメモンがそう言い終わるか終わらないかぐらいで、左のほうから黄色と青の雷と稲妻が飛んで来た。一同が振り向くと、ライガーとギンギライガーとサンダーとグレイが戻って来ていた。
ライガー「…お前ら、まだやるか?」
クロザザムたちは、ライガーの言葉を聞いて、一目散(?)に逃げて行った。
サンダー「…ただいま、みんな!」
サンダーはそう言いながらニッコリ笑った。
チョコ「サンダー!…大丈夫なの?」
サンダー「うん、もう平気だよ♪」
グミ「ほら言ったでしょ~、サンダーなら大丈夫、モ~マンタイだってさ~♪」
アメ「…へ~、おまえがいつそんなこと言ったって?」
グミ「…え?え~っと…;」
グレイ「…さぁて…んじゃ、オレもそろそろ帰るか。」
グレイはのびをしながら言った。
サンダー「え…もう?…そか…そうそうゆっくりもしてらんないよね…。」
サンダーは少し悲しそうな表情をして行った。
グレイ「んな顔すんなって。…またすぐ来るさ。」
グレイはそれだけ言うと、飛んで行った。サンダーは少し寂しそうに笑いながら、それを見送った。



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