第十五話「魔界統一トーナメント」

…とある町にたどり着いた一同。
一同「え~~~~~~~~~~~~?!お金が尽きた~~~~~~?!」
ホリィ「…そうなの。」
スエゾー「…確かに最近稼いでへんかったしなぁ…。」
…スエゾーがそう言うと、ゲンキ達とニナ達はため息を付いた。
アメ「…お金が無いんならさ、盗めば良いんじゃね?」
ゲンキ「っアメモン!!オレ達の仲間になった以上、金輪際泥棒はやめてもらうからな!!」
ゲンキはアメモンに向かって怒鳴った。
グミ「…じゃ~あ~、掏るのはアリ~?」
ゲンキ「スリもダメだ!!」
サンダー「……あ、じゃあかすめるのとかくすねるのとかは?」
サンダーは明るい顔をして言った。
チョコ「…やめよ、サンダー。…ソレ屁理屈だから;」
チョコモンはサンダーの肩(背中?)に手を置いて言った。
ハム「…ヤレヤレ。近くにいるのが、ライガーさんみたいな盗賊だと、子供の教育も悪くなるようですな。」
ライガー「食ってやる!!」
ハム「なんですとー?!」
ゴーレム「ケンカ、ヤメル。」

ゲンキ「…とりあえず、アメモンもグミモンもチョコモンもサンダーも、泥棒やスリみたいな真似は金輪際やめろよ。」
アメ「え~~~~~、何だよそれ~~~~~~!!!」
グミ「つま~んな~~い!」
チョコ「…ぼく何かするなんて言わなかったのに…。」
サンダー「何で~?!」
サンダー達は口々に文句を言っている。
ゲンキ「泥棒は悪いことなんだぞ!!」
ゲンキがそう言うと、アメモンとグミモンはムゥッと頬を膨らませた。
サンダー「…楽しいのになぁ…。」
ギンギライガー「サンダー…。」
サンダー「…ごめんなさい…。」

ニナ「…とりあえず、これからどうするか決めないとね。」
ニナがそう言うと、一同は考え込んだ。
チョコ「?…ねぇ、アメ、グミ、サンダー。…この町、フラヴィーウスの円形闘技場みたいなのがあるよ。」
サンダー達「え?!」
スエゾー「…何やソレ。……アレはコロシアムや。」
スエゾーは、チョコモンの見ている方向を見て言った。
チョコ「…ころ…しあ…む?…フラヴィーウスの円形闘技場じゃなくて?」
スエゾー「せや。アレはコロシアムて言うて、よく賞金トーナメントが行われとるんや。」
サンダー「……つーかさぁ、チョコモン。この世界にフラヴィーウスの円形闘技場(いわゆるコロッセウム)があるわけないじゃん。…形が似てるだけだよ。」
チョコ「…そっか…それもそうだね。」
ゲンキ「あ!そうだ。賞金トーナメント!…よし、コロシアムに行こうぜ!」
スエゾー「せやな。金がないときはアレに限るしな。」

…そうしてコロシアムの、受付のところに来た一同。…しかし…
ゲンキ「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?!出場できない??!!」
ライガー「どう言う事だ!!!」
受付の人「…この大会は魔界統一トーナメントの出張版なので、デビル以外の、モンスター等は出場出来ないんです。」
ニナ「…まかいとういつとーなめんと?…そんな大会、聞いた事ないわよ。」
サンダー「おれ、聞いた事あるよ。」
一同「え?!」
サンダー「…魔界にいた時に、ちょっとだけね。…魔界統一トーナメントって言うのは、魔界で一年に一回開かれて、(デビルなら)誰でもエントリー自由で、フェアプレーをモットーにしてる魔界で大人気の大会で、優勝者は“魔界最強のデビル”の称号がもらえるんだ♪」
一同「へ~。」
チョコ「…ってアレ?…サンダーって確か、デビル…じゃなかったっけ?」
サンダー「え?…あ、うん。…でも、半分だよ?」
受付の人「…あ、平気ですよ。混ざり物でも、魔界統一トーナメントには出れますよ。」
受付の人がそう言うと、突然、後ろから声がした。
 「オイ。…お前、それが差別用語だって事知らねぇのか?!!」
一同が振り返ると、そこにはオレンジ色の犬が不機嫌そうな顔をして立っていた。
受付の人「え?…どの言葉ですか?」
犬「お前がさっき言った、“混ざり物”って言葉だよ!」
受付の人「…そうだったのですか?…すみません、知らなかったもので…。」
犬「知らなかった、じゃねぇ!!…大体…」
サンダー「もういいよ、“オルトロス”!…おれ、気にしてないし。」
犬「え…何でオレの名前を……って、サンダー?!!…無事だったんだな…よかったぁ…。」
…犬の名前は、オルトロスと言うらしい。
サンダー「うん、オルトロスも…。…あ、げんき、早くエントリーしよ!」
ゲンキ「…あ、そうだな。…じゃあ、出場選手はサンダーで。」
受付の人「……種族名は…?」
サンダー「ヤツフサ。…おれは、ヤツフサのサンダーだ!」
受付の人「はい、分かりました。…次の人。」
オルトロス「…あ、オレだ。…ケルベロスのオルトだ。」
受付の人「はい。」
サンダー「…あれ?“オルト”のが本名?」
オルトロス「ん~、まぁ、実際どっちでもいいんだけどな。…けどオレはコッチのが気に入ってんだ。」

オルトロス「…っにしてもムカツクよな~、あの受付!」
サンダー「…だから、別におれ気にしてないって。」
サンダーは苦笑して言った。
オルトロス「あのなぁ、お前悔しくないのかよ。“混ざり物”なんて言われてさぁ!」
サンダー「…けど、本当の事じゃん。…おれは創造物とデビルの合体した、混合物なんだからさ。」
オルトロス「っサンダーは物じゃないだろ!!…確かに、元々は創られた物なのかもしれないけど、でも、今は生きてんだろ!…いい加減に生きてるって言う自覚持てよな!!」
サンダー「あ…ゴメン…。」
オルトロス「…ま、別に誤んなくってもいいんだけどさ。」
アメ「…なぁ、サンダー。盛り上がってるとこ悪いんだけどさ…その、知り合い?」
オルトロス「誰が犬だ!!オレは誇り高きケルベロスのオルトだ!!」
オルトロス(オルト)は、アメモンに向かって怒鳴った。
サンダー「…あ、そう言えば言い忘れてたね。…あのね、オルトロスはおれの魔界での友達で、おれにこの…勾玉をくれたんだ。」
チョコ「へ~、そうなんだ。…あ、オルト、ぼくはチョコモン。よろしくね。」
グミ「僕グミモ~ン。」
…と、一同は自己紹介をしていった。

サンダー「…あ~、明日は久々にオルトロスとバトルできるんだね~。」
オルト「な。楽しみだな。」
ニナ「…戦うのが嬉しいの?」
オルト&サンダー「…戦う?…バトルじゃなくて?」
一同「え?
チョコ「…あ、ぼくらの中では“戦い”と“バトル”は違うんだよ。」
ホリィ「…どういう事?」
グミ「僕らの中だと、戦いは普段やってる、ワルモン達との戦闘で~、バトルって言うのは、遊びの一つなんだ~。」
アメ「ま、しいて言えばルール付きの戦闘だよ。」
一同「へ~。」

…そして次の日…魔界統一トーナメント【出張版】会場にて…
アナウンサー「只今、魔界で大人気の魔界統一トーナメント。その出張版が今、開幕されます!」
アナウンサーがそう言うと、観客達は沸きあがった。
アナウンサー「選手の入場です!!」
…そして、ゲンキとサンダーは出てきた。…すると、上から話しかけられた。
 「お、サンダーも出るんだ。」
サンダーとゲンキが振り向くと、そこには(首に赤いスカーフを巻いた)グレイがいた。
ゲンキ「グレイ!何でココに?!」
グレイ「何でって…魔界統一トーナメントって言ったら、デビルが一生に一度は見てみたいと思う、魔界の一大イベントだぜ?!」
…グレイは目を輝かせて言った。
ゲンキ「…だから来たんだ;」
アナウンサー「第一回戦は、ヤツフサ対プチフロストです!」
サンダー「あ、じゃあ、おれ行くな。」
グレイ「あぁ、ガンバレよ。」
サンダー「うんっ!」
サンダーはそう言って、リング(?)に上がった。
審判「両者、中央へ! ファイト!」
プチフロスト「『ブフ』!!」
プチフロストは、氷の粒を放った。…が、サンダーはそれをかわした。
サンダー「『ジオ』!!」
サンダーは黄色い電気を放った。…そしてそれはプチフロストに当たった。
審判「技あり!ヤツフサの勝ち!!」
…すると、観客達は歓声を上げた。

そしてサンダーは次々と勝ち上がっていき、ついに決勝戦まで来た。
サンダー「グレイ~、次決勝戦だよ、決勝戦~v」
グレイ「知ってるよ。…てか、次の相手オルトロスだぞ。」
グレイは半分呆れて言った。
サンダー「…オルトロスも勝ち上がってたんだ…。」
グレイ「あぁ。…ま、ガンバレよ。」
サンダー「うんっ…グレイ、おれのほう応援してくれるんでしょ?…だったら、絶対負けないよ!」

審判「両者、中央へ! ファイト!」
オルト「…やっぱ決勝戦サンダーとか。」
サンダー「やっとバトルできるね。」
オルト「うん。…いくぜ、『マハラギ』!!」
オルトは、大きな炎の玉を放った。
サンダー「『ブフ』!!」
サンダーは、小さな氷の粒を放って、オルトロスのマハラギを打ち消した。
オルト「…(やっぱりマハラギは効かないか…)『ファイアーブレス』!!」
オルトは、炎を放った。…が、サンダーは上へ飛び上がってそれをかわした。
サンダーVSオルト
サンダー「『ジオンガ』!!」
サンダーは、飛び上がったまま、黄色い雷を放った。…そして、それはオルトロスに当たった。
審判「技あり!ヤツフサの勝ち!!」
アナウンサー「優勝はヤツフサに決定しましたー!」

…そして表彰式の後…町を歩いている一同(+オルトロス)
オルト「…にしても強くなったよな、サンダー。」
サンダー「まぁね。…でも、オルトロスだって強くなってたじゃん。勝つの大変だったもん。」
…などといいながら歩いていると、上の方から声が聞こえた。
 「サンダー、オルトロス♪」
一同が見上げると、そこには…
一同「グレイ!!」
そう、グレイが木の枝に腰掛けていた。…そして、サンダーとオルトロスの目の前に下りて来た。
サンダー「…よく無事着できるね~、あんな高いトコから…。」
チョコ達&オルト&グレイ「木に登れんのに不時着しか出来ないのがおかしいんだよ。」
サンダー「う゛…;」
オルトロス「…あ、ところでグレイ、何しに来たんだ?」
グレイ「あぁ、サンダーとオルトロスに、優勝&準優勝おめでとうって言いに♪」
一同「…それだけ?」
グレイ「あぁ、そんだけ。」
サンダー「…でも、おれが勝てたのはグレイが応援してくれたからだと思うんだ♪」
グレイ「そうか?…ま、2人ともおめでとう。」
グレイがそう言うと、サンダーとオルトはニッコリと笑った。
グレイ「…さぁて、そろそろ戻んねぇとな。」
サンダー&オルト「え、もう?!もっとゆっくりしてけばいいのに…。」
グレイ「オレもそうしたいんだけどさ…そうも行かねぇんだよ。…オレ、途中で仕事ほっぽって来ちゃったからさ。」
サンダー&オルト「ダメじゃん。」
グレイ「ハハハ、そうだな。…じゃ、オレもう行くから。」
…そう言うと、グレイは背中に黒い羽を生やして飛んで行った。
サンダー&オルト「またなー!」
ゲンキ「…じゃ、オレ達もそろそろ行くか、サンダー。…から、オルトも一緒に来るか?」
オルト「…いいのか?…よろしくお願いします。」
サンダー「またよろしくな、オルトロスv」
オルト「おう。」


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