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「ボンジュール!日本人と会えてうれしい!私オタクなの!」
と満面の笑みで話しかける年の頃二十歳前後の女の子。 「オタクなの」ってそんな自己紹介の仕方もあったものか…と日本で言う、いわゆる“オタク”に思いを馳せてみる。 オタクってお宅、つまり人と関わることを最小限にとどめ、家にこもって趣味に興じすぎちゃう人のことを指す総称のことと思うんですが私のこの解釈、合ってますよねぇ? (あれ?引きこもりとオタクってどう違うんだろう?引きこもりでも趣味があればオタクになるのかな?) なのにこの女の子、どちらかと言うと活発で友達も多そう。日本で想像するオタクとは正反対の場所に位置してそう。 その後何人かめの自称“オタク”フランス人の若者と出会った時、どうやらフランスで言う“オタク”とはニュアンスが違うんだと決定的に感じたのでした。 見かけも話すそぶりも至って卒なく人当たりの良いこの青年、出会った初めの頃は 「うん、僕マンガ(フランスで“マンガ”と言う場合は必ず日本マンガ限定のこと)好きだよ」 と言っていたのにいつしか 「うん、僕オタクだから家にもいっぱいコレクションがあるし…」 と言うようになった。 そこでかねてからの謎を問いかける。 私「なんでそんなにさらっと“僕はオタク”なんて言うの?それ、日本人には言わないほうが良いよ、マイナスイメージだから」 彼「えっ、なんで??日本はあんなに優秀なマンガやアニメをたくさん作っているのに!オタク人口だって高いでしょう!??」 私「とりあえず私の知り合いにオタクっていないよ。私はフツーにマンガやアニメが好きで、たまに見たり読んだりはするけど。私の周りも皆その程度だし」 彼「えっ、それを“オタク”って言うんだよ!」 なぬっ!?? そこで日本で言う“オタク”の定義を説明してみると。 彼「えっ!それは全然違う!フランスではマンガやアニメが好きで週末や余暇に楽しむ人のことを“オタク”って言うんだよ!」 と。 はは~~ん、それで満面の笑みを浮かべて「私オタクなの!よろしくね!」の自己紹介文になるわけか。 これは日本語がフランスに輸入された際に微妙に異訳された仏製和語の一つと見てよいでしょう。 前述した“マンガ”もその一つ、これは元の意味を忠実に守っていますが、フツーに“マンガ”と発音して通じます。…年配の方には通じないかもしれませんが(汗)。 その他“ツナミ”や“サムライ”、“ハラキリ”、“ケンドー”、“ジュジュツ(柔術:柔道のことですね)”、“ボンサイ”など、日本発祥のものはオリジナル名がフランス人のアクセントを持ってそのまま使われています。 しかし「聞き捨てならぬ」と思う意味合いを感じてしまうことがしばしば。 例えば“ゲイシャ”は良い例。 “=娼婦”の図式が多くのフランス人の頭の中にあるので、“ゲイシャ”という言葉がフランス人の口から出てきたらどこで訂正してやろうかとエンジンがかかります(笑)。 また、ここ数年で流行りだした“ゼン”は「禅宗」からきているようです。 大体日本の日常会話で「禅」なんて出てきませんよね。なのに”Rester Zen”と言えば「気持ちよくリラックスして過ごそう」みたいな意味合い、形容詞的な使い方をされます。 そして“カミカーズ(カミカゼの仏語読み)”、“バンザイ”はクセモノ。 第二次大戦時、敵陣に飛び込む神風特攻隊が「万歳!」と叫んだ様子が印象的だったというアメリカ兵の体験談がここフランスにも上陸。 現在“カミカーズ=自爆テロ”、“バンザ~イ!=思い切って何かをする場合の掛け声”として使われているようです。 しかし神風特攻隊は自分の家族、国を守るために自分の命を犠牲にして敵機や敵陣に飛び込んだのに対して、ここ最近のニュースでこの言葉が使われるシチュエーションを見てみると共通点は「自分の命を犠牲にする」ことのみ。 “バンザ~イ”も海に飛び込む時に使われたりして「そうじゃないんだけど・・・」と思わずにいられない。 まあ、日本で使われる和製英語は勿論のこと和製仏語も相当ヤバいものがあるのでお互い様ですね。 それに間違いを正さず会話すれば大いに盛り上がれたりするので半分ジレンマを感じます…。 「郷に入れば郷に従え」は勿論そうなんですが、微力でも敢えて少しずつ訂正していけば、よりフランス人的解釈を知ることができるとわかったのが今回の「オタク事件」での収穫。 今後も間違った仏製和語の訂正に努めていきたいと思います(笑)!
Last updated
2005.01.17 20:09:43
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