はじめの一歩(マクラーレンM26フォード)
ホントはM23の直後に持っていこうとしてたんだが、とっくの昔に買ったままだったザウバーを思い出したんで、間があいちまったよ(^^ゞもともと、購買リストには載ってなかったんだけど、御用達店の年末バーゲンで安売ってて。ミニチャンプス1/43 マクラーレンM26フォード #2 ヨッヘン・マス 映画「ラッシュ/プライドと友情」に描かれた熾烈な1976年シーズン、辛くもドライバーズチャンピオンを奪取したマクラーレン。しかしてM23は名機ではあるものの、さすがにデビューから3年経過して、もう改良の伸びしろはほとんどなし。だから翌77年は、序盤戦をM23でやり過ごして中盤戦以降を新型のM26で戦うことになるんだが、デビュー当初はどアンダーなマシンだった。 76年の夏にはマシンは完成してお披露目までしてんのに、半年以上なにやってんだってハナシなんだが、オイルクーラーの冷却不足も露呈し、急遽オイルクーラーを最後尾からフロントに持ってくって強引な突貫工事を完工して、見事にアンダーステアとオーバーヒートを解消、以降ハントが日本を含む3勝をあげるに至るが、翌年は一転不調に陥り、マクラーレン帝国迷走の遠因となるマシンだ。 フロントへのオイルクーラー移設は、この時期のトレンドみたいで、特に有名なのは6輪タイレルだけど、あれは開発を終了した小径タイヤのせいでオイルクーラー前に持ってってもにっちもさっちもいかなかった。他には「空飛ぶ犬小屋」ウルフWR5なんかもあるが、どっちにせよあまり成功例がない中で、3勝のM26はまぁ成功作だったのかも知れん。あまりの突貫さに、リアセクションからオイルクーラーのパイプ類を引っ張ってくるのにスペースがなくて、ボディワークから飛び出してるのが笑っちゃうが。 実はつらつら思い出すに、このM26、多分生まれて初めて自分で買った「スケール」ミニカーだったんだな。今を去ること40年ほど前のことなんで、勿論スパークじゃないしミニチャンプスでもないし、F1ミニカーの始祖と言われてるオニクスでもない。F1バブルの恩恵を受けることもなくとっくのとうに倒産してしまった「永大のグリップテクニカ」である。マクラーレンをはじめロータス、ウルフ、ルノー、タイレル、マーチ、ブラバムの1977年マシンをドドっとリリースしてた。正直オニクスなんかよりよっぽどスケールミニカーしてて、これこそ「始祖」だろうと思うんだが、想像するにF1ブームが77年で終わっちゃった余波をもろに受けてやめちゃったんだろうな。次にF1ブームが来た時には、会社が火の車で新規ミニカーどころの騒ぎじゃなかった、と。ロニーとジルがぶつかって死傷者が出てなきゃ、78年以降のマシンが(無論ブラックビューティも!)リリースされてたかも知れないと思うと、惜しいな。 それを、当時いくらだったか覚えてないが、ウルフと一緒に買ったんだわ、修学旅行で(笑)普通修学旅行といえば、土地のものを買い込んだり意味もなく木刀とか杖とか買ったりするんだが、当時こまっしゃくれた普通じゃないガキだったんで、九州北部一周の修学旅行の土産は、佐世保のレコード店でザ・バンドの3枚組ライブレコード「ラスト・ワルツ」を買った。まだレンタルレコード店もない時代、せっかくもらった破格の小遣いだもん、普段じゃなかなか手の出せないものを買うわけさ。んで、まだちょっとお金に余裕があったもんで、地元の模型店にはせ参じて何かプラモ~と思ったんだが、ふと心変わりして、ミニカーにしたという顛末。 それ以降、ミスタークラフトに入り浸るまで、ミニカーを買い足しはしなかったんだが、四半世紀にわたる趣味の第一歩が間違いなくマクラーレンM26だった。ウチん中のどっかにまだ残ってねえかなあ。。。