CLUB「SEED SUPERNOVA」へようこそ <6>
最終回Part2。で、これで終わりです。こんな落ちなんで、軽く流していただけたら幸いです。(最後の)*注意書き**キャラクターは生死不問で登場しています。(表紙からして生死は無視されているので)*あたりまえですが、DVDの内容とは全く関係ありません。表紙を見ての、ただの妄想です。*ホスト、客全員が未成年だということは忘れてください。*筆者はホストクラブ未体験者です(テレビで見るくらい)。ですので、ここが違う! というご指摘は、私の不徳(?)といたすところでございます・・・。ご容赦下さい。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *CLUB「SEED SUPERNOVA」へようこそ <6> アスランがまじまじとカガリを見た。「だってさ、あの喧嘩がなければ、ステラって娘だって暴れなかったんだろ? で、その喧嘩っていうのは・・・・・・」「まあ、元々の騒ぎの始まりは、彼女がルナマリアにぶつかって、シャンパンがオレにかかったことが原因だが・・・・・・だけどな」 フレイだってブロックワードのことなど知るはずがないのだ。アスランがとりなそうとした時、「キラの客だったよなぁ」 ディアッカがからかうような目つきで言った。その場にいた全員の目がキラに向けられる。「あ・・・・・・え?」 突然話の矛先を向けられて、キラは戸惑った。 ステラが我を忘れたのは、ブロックワードを聞いたせい。そのブロックワード言ってしまったのはフレイで、フレイとルナマリアが喧嘩を始めたのもフレイのせい。そしてフレイはキラの客。だから、キラが責任を取る。 そういうことになるんだろうか、とキラは考えた。 フレイ本人に払わせることができない場合、ホスト側が支払いをするしかないだろう。それに、シンに払わせるよりは、それなりに売上はあった自分が払った方がいいような気もした。 だが、キラが何かを言う前に、ラクスが先に手を上げて発言してしまった。「それでしたら、私がお支払いしますわ」「ラクス?」 驚いて見つめるキラに、ラクスはにっこりと微笑みを返す。「今回のことではキラの援護もまともにできませんでしたもの。これくらいさせて下さいな」「でもラクス、それは」「いいんですのよ。それに、ガンダム一機・・・・・・いいえ、フリーダムを修理するよりずっとずっとお安いではないですか」「・・・・・・」「そうさせて下さいな、ね?」「・・・・・・うん。ありがとう、ラクス」 手をとりあって微笑みあう二人に、呆れて目をそらしたり、苦笑したり、脱力しきって肩を落したり、みながそれぞれの反応をしながらも、頭の中では全員が同じ突込みを入れていた。 このバカップル。 ・・・・・・ただ一人、それまでのやりとりの一切に口を挟まず、みなの証言からことの大元を推測していた者がいた。レイである。「ひとつわからないことがあるのですが、よろしいですか?」 レイが手を上げ、目でムウを指名する。「なんだ?」「なぜあなたは、ステラのブロックワードが死だと知っていたのですか?」「いや、それは・・・・・・」 レイの冷静な指摘に、ムウが目に見えて焦りの表情を浮かべた。「ムウさんは地球軍にいたから」 キラのとりなしにも、レイの口調は和らがない。「地球軍の人間全員がステラのブロックワードを知っていたわけではないでしょう。つまり、ステラとかかわりがあった、ということではないのですか?」 それまでふてくされたようにうつむいていたシンが、勢いよく顔を上げ、レイを見、そしてムウを見た。ステラがこの男と知り合い?「まさか、ブロックワードをかけたのはあなたではないでしょうね?」 鋭く冷え切った目つきでムウを見据えるレイ。ムウは今更ながら、そうだ、こいつはもうひとりのおやじのクローンだったと思い知る。「違うって。オレがステラに会った時にはもうかかってたんだ。オレもあれはひどいと思ってたけど・・・・・・」「やはり彼女を知っていたわけですね」「うわ、引っ掛けかよ。趣味悪いな、おまえ」「あなたに言われたくありません」「・・・・・・」「しかもただ知っていただけじゃなく、よく知っていた、ということですか」「だからさぁ、いいわけにしかきこえないだろうけど、オレ、記憶なくしてたんだよ。で、気がついたら地球軍の、ステラたちの上官になってたわけで・・・・・・」 その言葉に、シンがはっとしたように目を見開いた。「もしかして、あんた・・・・・・そうだ、その声・・・・・・ネオ?」 どちらからともなくキラとアスランはお互いの顔を見て、うなづきあった。そう、そんな名前を名乗っていた。”大佐”であることにやけにこだわったネオ・ロアノーク。 シンがふらりと立ち上がった。両手をきつく握り締め、ムウに向かって歩き出す。「いや、だから」 殺気を感じて、ムウが後ずさる。「オレは関係ないって。ステラがオレのところにきた時にはもうあんなだったんだから」 そんな弁解など全く耳に入っていないシンがムウに詰め寄る。「あんたって人はぁーーっ」「だからオレじゃないってー!」・・・・・・こうして、ムウ版「新ディスティニープラン」は失敗に終った。<了>