さくら通り 老木
ここで何回か取りあげているさくら通りのお話です。 私の住んでいる地域にあるさくら通りは日本の道選にも選ばれている通りで、木々一本一本の規模も、並木の長さも壮観な通りです。春の訪れと共にやってくる桜の時期は「ここに住んでいてよかった」と心から思えます。毎年盛大にさくら祭りが催されるのが地域住民の楽しみでもあるのです。ですから、市もメンテナンスに懸命です。 先日、そのさくら通りを歩いていると、ん? 桜の木に、何やらマスクみたいなもの? 携帯でご覧になっている方もいらっしゃるので、画像にある文字を転記します。 お知らせ この樹木は、樹木医の診断の結果、台風等の強風時に倒木の危険性があると判定されたため、下記の日程で新しい木に植え替えを予定しています。作業中はご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力を宜しくお願いします。 記 ◎既存の木の伐採・抜根 平成22年2月 ◎新しい木の植栽 平成22年3月 松戸市役所 みどりと花の課 樹木医の診断、だそうです。枝をよく見るとまだこの寒い時期、春に向けて固い蕾をたくさんつけています。この蕾が開かないうちにこの木は引退ということなのでしょう。倒木の危険性って言われれば致し方のないことで(有名な薄墨桜は樹齢1500年ですが、木の種類や立地条件によっても異なるのでしょうね)。 この地区の団地が建ったのが今から50年ほど前。そのころに植樹されたとしても樹齢はもっと長いはず。この地域の行き交う人々の思い、悲喜こもごもを見下ろしながら流れてきた歳月。桜の時期は感嘆の声や賛辞の中、益々美しく咲き誇った老木。もっと咲いて欲しい、何とも惜しいというのが本音です。人々の生活と共にあった老木の木霊はどこに行けばよいのでしょう? この木ばかりではなく、このさくら通りには当該木が数本あるようです。 命には限りがあります。命のリレーをした新しい桜が根付くというのなら、私たち住民はまたその桜を大切に見守り、愛でていくでしょう。そして、いつか私たちも朽ちて逝き、子どもたちの代になる。花と人、延々相互の繰り返し。今、この時代にこの桜の老木と共に生き、咲く花に癒してもらい、その終末を目にするのもなにかのご縁でしょうか。もしかしたら前世にも同様な桜のを見ていて、来世も見ることになるのかもしれません。それくらい(私だけではなく縁のある)魂にはこの桜並木の桜が鮮明に刻みつけられているような気がしてならないのです。案外、日本人が桜を好む理由にはそんなDNAレベルの記憶があるのかもしれませんね。 今は、この老木に「おつかれさま」と労いの言葉をかけましょう。またこの桜に、そして木霊にいつか逢えると信じて、春を待ちましょう! ブログランキングに参加しています。応援してくださる方はクリックをお願いします。