アルベルト・アインシュタインが親日家だったことは良く知られている。1922年(大正11)、改造社の社長・山本実彦の招待に応じて来日している。
さきほど、といっても、もう4時間ほど前のことだが、ちょっとテレビをみたらアインシュタインについて何やらやっていた。番組はほとんど終わりかけていて、詳しくは分らないが、なんでも日本人が好きな偉人のアンケートをとったところ、アインシュタインがトップになったというのであった。
で、前述の来日のときのエピソードに、昼食に天麩羅弁当を出したところ、付け合わせの新橋玉木屋の昆布佃煮が大いに気にいったのだという。
このエピソードは私は知らなかった。
知ったからといってどうということもないのだが、以前このブログで書いたけれど、新橋玉木屋は私も愛顧する佃煮の老舗である。私の作品を写真撮影するスタジオが新橋にあるので、スタジオに行くと、帰りに玉木屋に寄って、秋刀魚まるごと一匹の山椒煮や牛肉の佃煮などをもとめる。もちろんアインシュタインが気にいったという昆布の佃煮も今に変らず売っている。値段も手ごろ、御飯のおかずに良し、酒の肴にもなる。日本酒をやる気のおけない来客に、これらを一品そえるとなかなか喜ばれるのである。
アインシュタイン来日の頃から、現在とまったく同じ場所に店を構えていたかどうかは知らないが、老舗とはいえむしろ小体な店である。しかし店員の教育がゆきとどいていて、品の良い客あしらいをしてくれる。そのあたりに老舗の老舗たるゆえんを感じる。
客あしらいには厳しい目を向ける私なので、・・・つまり、ことば使いもさることながら、客に付き過ぎず離れすぎず、卑屈にならず悠揚迫らぬ店としての態度が、私の良しとするところだ・・・玉木屋での買い物は、なかなか良い時間をすごした気にもなるのである。
テレビ番組によると、アインシュタインは日本の「お辞儀」にいたく感じるところがあったそうだ。昆布の佃煮は弁当に入っていたらしいので、博士自身は玉木屋に行ったのではない。でも、私は初めて聞いたエピソードにつられて、「お辞儀」と玉木屋の客あしらいを結びつけて考えてみたのであった。私が好きな佃煮を博士もお好きだったか!、と子供じみた嬉しさを感じながら・・・。アッハッハ。
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Last updated
Jan 6, 2007 03:52:51 AM
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