気温が一気に下がり21℃。私は過ごしやすかったけれど、我家の猫達は私の膝で眠ったり、少し温かい場所にもぐりこんでいた。
午後、高齢の方々の様子を伺いに訪ね歩いた。途中で雨が降り出す。せっかくだからもう2、3人と思ったが、傘を持たずに出たので、だんだん’’いい男’’になってきた。急いで帰宅。
朝方、目覚の前に夢を見た。
私が外出から帰宅すると、隣家の主人が蹲踞して草むしりをしていた。挨拶すると、無言のまま目配せで,我家の門前を指した。そこに不思議なものを頭からすっぽり纏って、’’ひと’’が立っていた。私は「あっ」と思った。そしてその顔のあたりの衣を、本のページを開くように、そっとめくった。死んだ母だった。目をつむって凍ったような固い顔だった。「よく来たね」と私は言いながら,その額に私の額を押し当てた。「迷わなかった?」死んだ母はかすかに頷いた。私は母の手を取った。細い指が真っ白だった。凍ったようだったが、いくぶん柔らかかった。「ほんとうに良く来てくれた---」
そこで私は目が醒めた。